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響け!ユーフォニアム 最終回直前に魅力をまとめてみた【感想】

みなさんこんばんは。

さて、最速で本日の24:30から「響け!ユーフォニアム」の最終回が放送されます。そこで、この記事では1~12話を振り返りつつ、この作品の魅力をまとめてみようと思います。

感想&考察については、他に記事を書いていらっしゃる方がたくさんいるので割愛します。

吹奏楽出身の作者だから作れる作品

どこまでも「リアル」な吹奏楽

春アニメが始まったときに、春アニメをランキングにして、紹介したときも同じようなことを書いた気がしますが、今のこの作品への想いはそのときの比ではありません(笑)

まず、出てくる多くのキャラクターが1度は何かの挫折を味わっています

麗奈は、中学の最後のコンクールで死ぬほど悔しい思いをしてるし、葉月&夏紀先輩はコンクールの演奏者から外れ、香織先輩もソロの座を競った麗奈に負けています。

香織先輩

高坂麗奈

そして、12話で主人公の久美子も顧問の滝先生から、全員の前で久美子が苦手としていたパートを弾かないように指示されてしまいます。

他にも晴香先輩は「部長」という立場に苦悩し続けていたし、葵先輩も吹奏楽部をやめています。単なる成功ストーリーではなく、作中の中でバランスよく、かつ自然に各々のキャラクターの挫折を描いているのが非常に面白い点です。

各話で何かしらの問題が起こる

上で書いた挫折もそうですが、「響け!ユーフォニアム」では各話で必ず何かしらの問題が起こります。麗奈と香織のいざこざもそうですし、そもそも視聴者から見て完全に謎な存在であるあすか先輩がしゃべるだけでこっちとしてはひやひやします。

りぼんちゃん

だからこそ、飽きさせない。「今回の話は安全だな!」って回が1回も無いんですよね。ずっとドキドキしながら見れるアニメです。まるで、自分たちがそこにいて、ドキドキする高校生活を送っているようです。

知られざる吹奏楽の練習

吹奏楽部はよく「運動系より辛い」という話を聞きます。

僕の中学の友人がかつて”練習はとてもつらかった”ということと、”ダメ金(次の大会に進めない金賞)を取った時は本当に悔しかった”と言っていました。

僕は中学で野球をやっていて、彼の気持ちが正直完全には分からなかったんですが、今となっては彼が言っていたことをかなり(もちろん全てとは言いません)理解できるような気がします。

もちろん「レギュラー争い」がある部活動に所属したことがある人なら、あのスタメンとそれ以外の人が発表された時の居心地の悪さが分かると思います。互いに互いに遠慮するようなあの雰囲気です。だからこそ、コンクールで吹けないと分かった時の夏紀先輩の行動は本当にすごいと思うんですよ。

各キャラクターの魅力

どのキャラも作品において「役割」があります。無駄なキャラが1人もいません。

12話かけて描かれた久美子の成長

12話を見て、「ああ、この作品の主人公は久美子なんだなぁ」と改めて実感しました。そして、同時にこの作品の12話までの主題は久美子が中学校の麗奈の心情に追いつくまでのストーリーだったんだ、と。

いわば、(僕の主観ですが)これまでの久美子は「傍観者」でした。吹奏楽で起こる喧騒を「他人」として見守っている存在です。

久美子のあり方が変わったのは、やはり8話で麗奈と2人きりの演奏をしてからですよね。そこで、久美子は麗奈から「特別になりたい」と聞きます。

山の上で演奏

これ以来、久美子は麗奈を強く意識するようになります。それでも、久美子は麗奈の本当の心情をまだ理解できません。それは、麗奈と同じレベルの「挫折」をまだ久美子が味わっていなかったからです。同時に、ユーフォニアムに対して真の意味で「本気」になっていなかった。

それが、12話で大きく変わりました。弾けないパートを猛練習したにも関わらず、滝先生からの厳しい指摘があり、久美子が苦手なパートは本番で弾けなくなってしまいました。

黄前久美子

弾けなくなってはじめて「うまくなりたい」と感じ、同時に中学最後のコンクールで麗奈が言っていた「死ぬほど悔しい」気持ちを実感できました。ようやく、12話かけて久美子は麗奈の心情に追いつきました。

「決別」の意味が込められている葵先輩&姉 

物語序盤ではよく出てきていた葵や久美子の姉。この2人が12話では再び登場しました。

葵ちゃん

久美子の姉

彼女らはなぜここにきて作中に出てきたのか?

それは、久美子との対比でしょう。これまで「本気」になっていなかった久美子は、葵や姉と少しかぶる部分がありました。しかし、今回この2人と接し、久美子はそんな”過去の自分の幻想”と決別を果たしています。こんな演出をする京アニさんはやっぱりすごいです。個人的には2期があれば葵先輩の活躍を見たいんですが…吹奏楽復活の話はさすがに無理かな…。

作品の「潤滑油」になっている夏紀先輩

本当に夏紀先輩は好きなキャラクターです。

「響け!ユーフォニアム」という作品はとにかく緊張感が半端有りません。オーディションのとき然り、練習中の滝先生の指摘然り。

かつ、いろいろなキャラクターが上で挙げているように挫折を味わったり、毎回ドキドキさせられる展開があるので作品として暗いものになりかねません。

でも、中川夏紀というキャラクターがいるから、この作品は「中和性」が取れています。表向きでは仲が良くなさそうでも、優子たちと仲良さそうに祭りに行ったり、オーディションに落ちても久美子と普通に接したり…。

夏紀と夏祭り

中川夏紀 画像

これだけだと、「並」のキャラですが、オーディションに落ちた後、窓際でだらけている夏紀からは「周りからはばれないように、あえて普段通りを演じている」雰囲気を感じ取りました。そんなところもすごくいいですね。

天使

部を「変えた」滝先生のすごさ

だらけたこの部を瞬く間に(というには語弊がありますが)変えた滝先生。

常に本番を意識させる練習を取り入れたり、最新の技術を練習に取り入れたり…と。

「なんですか、これ?」がネタにされている滝先生は、確かにかなり厳しく生徒に当たっています。それでも、5話の演奏直前は生徒をしっかり鼓舞したり、12話ではさりげなく、本当にさりげなくうまく弾けた秀一に対して賞賛の言葉を送っています。

忘れ物を取りに来るために学校を訪れた久美子にも、しっかり弾けるようにしておいてください、と言葉を送っています。

でも、彼は誰にでもこういう言葉を掛けているわけではないです。「本気」になった久美子の「弾けます!」という言葉を聞いたから、その言葉から何かを感じ取ったからこその言葉でしょう。滝先生からは言葉にせずとも生徒を信頼しているのが見て取れます。だからこそ、久美子にそのパートを弾くな、と言った時の滝先生の表情は悲しそう…というよりは苦しそうな顔でした。

信じられない演出の数々

京都アニメーションさんには脱帽しっぱなしです。

まずは、”音”ですね。「上手な音」と「下手な音」が素人の自分でもしっかりと分かるように演奏されています。

一番最初の演奏(滝先生が来たとき)は誰が聞いても明らかなぐらい「練習不足」の音がしていました。それが、今の練習の音を聞くと格段に違うものになっています。

一番度肝を抜かれたのはやはり、11話の香織vs麗奈のオーディション対決ですね。最初に香織のトランペットを聞いたときは「上手い!」と思ったんですよ。でも、その後麗奈の音を聞くともうレベルが違いました。それこそ、香織が自分からソロパートの座を降りなければならないほどのレベルです。

続いて、”作画”も「さすが」の一言です。作画については文章で書いていくときりがなくなってしまうんですが、12話の久美子が走っているシーンは鳥肌が立ちました。初めて久美子が明確に「うまくなりたい!」と思いながら走ったあの風景です。

あんなにすごいシーンがあっていいものなのでしょうか?

まとめの感想

言いたいことはたくさんあるんですけど、全然うまく文章に出来なかった気がします…。

最後の13話でコンクール回になると思うんですが、この30分(正味20分ぐらい)で何をどこまで見せてくれるのか、今からわくわくが止まりません。

それぞれの想いが交わった本番の幕開けです!

放送を楽しみに待ちましょう。それでは、この辺で失礼します。