ミスチル 新アルバムREFLECTION各曲感想!おすすめは?
みなさん、こんにちは。ミスチルの新アルバム「REFLECTION」についての記事を書いていこうと思います。…1週間遅れの記事になってしまいました。
今日の記事は、アルバムの中でのおすすめ曲について書いていきます!
REFLECTIONの収録曲は?
曲順は{Naked}のものです。太文字になっているものは{drip}にも収録されている曲になっています。
1.fantasy
2.FIGHT CLUB
3.斜陽
4.Melody
5.蜘蛛の糸
6.I Can Make it
7.ROLLIN' ROLLING~一見は百聞に如かず
8.放たれる
9.街の風景
10.運命
11.足音~Be Strong
12.忘れ得ぬ人
13.You make me happy
14.Jewelry
15.REM
16.WALTZ
17.進化論
18.幻聴
19.Reflection
20.遠くへと
21.I wanna be there
22.Starting Over
23.未完
LIVE映像にもなった圧巻の一曲目「fantasy」
昨日の記事でも紹介しましたが、1曲目のfantasyがとんでもない(いい意味で)曲です。
実はさいたまスーパーアリーナのLIVEを僕はスカパーで視聴したんですが、ミスチルおなじみの「映像演出」が、この曲をモチーフにしていました。
少年と顔のないのっぺらぼうのような大人たち。「ゆがんだ世界」の映像を流しつつ、LIVEが始まります。LIVEの1曲目もfantasy。例の「仕方なく7人の敵と吠える犬を撃ち殺した」の部分もしっかり再現されていました。
このREFLECTIONというアルバム自体がこれまでのミスチルを超えていく「fanatasy」的なものであるのではないでしょうか。
歌詞についてはすでに前回の記事で紹介したので、詳しくは紹介しませんが1曲目から聴いている人の心をがっちりつかむ曲になっています。
曲質は違えどどちらも“激しい”「I Can Make it」と「ROLLIN’ ROLLING」
続いて紹介しておきたいのは{Naked}の6曲目と7曲目であるI Can Make itとROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かずの2つです。
落ち着いた曲質のI Can Make itと激しい曲調のROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かず。一見するとまったく違く曲のように感じますが、どちらも歌詞が暗い雰囲気です。
まずはI Can Make itから。歌詞を引用してみます。
―明け方非現実的な夢をバスタブに浮かべてみる
―悲劇の主人公と自分重ねて 仲間が増えた気がした
次に、ROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かずです。
―とある町に真面目でたいそう働きもんの家族想い いわゆる優男がいたらしいぜ そいつは朝から晩までわき目も振らずよく働いたもんだ でも親友に寝取られ女房に出ていかれ そして今じゃ通院しているそうだ
どちらも「虚しさ」や「悲しさ」にスポットが当てられています。特に「ROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かず」については深海時代の名曲「ゆりかごのある丘から」を思い出すような1番の歌詞ですね。
しかし、この2つの歌は悲劇では終わらないんです。I Can Make itなら
―不可能を可能にするスキルを 泣く子も黙る自信と貫録を 醜いアヒルが白鳥に変わる
―ダメだと思った時なんて数知れず でもまだ早いさ諦めたくない
ROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かずなら
―いいかいそこの若ぇの援護射撃するぞ さぁ駆け抜けろ
―いいかしそこの若ぇの 百聞は一見に如かず お前の目で見ろ!!
と続いていきます。
かつての歌詞なら「絶望」で終わっていた歌詞に希望が生まれています。特に、ROLLIN’ ROLLING~一見は百聞に如かずであれば最後の部分はミスチルからのメッセージになっています。
「駆け抜けてみれば何かが見つかる」「俺たちは音楽で援護射撃するから」、とそんなメッセージを受け取ったように感じています。アルバム内でもかなり好きな2曲です。
この2曲は{drip}には収録されていないのでぜひ聴いてほしいです。
失恋ソングの最高峰現る。「忘れ得ぬ人」
この歌は歌詞をかみしめればかみしめるほど味が出てきます。
歌詞全体の流れとしては「かつての恋人(もしくは片想い?)の人をずっと忘れることが出来ない人」の心情を歌ったものになっています。
ミスチルの失恋ソングといえば「Over」「常套句」を真っ先に挙げる人が多いとは思いますが、今回の「忘れ得ぬ人」は本当に美しい歌になっています。ミスチル史上最高の失恋ソングと言ってもいいかもしれません。
個人的には「幸せのカテゴリー」なんて破壊力抜群ですが…。
この歌では君と忘れ得ぬ人の2人が登場するんですよね。おそらく別の人物を指していると思われます。
この歌も2番の歌詞が素晴らしいです。
―君の望み通りに卒なくこなす僕もいる
―本当はその方法が正しい道かもしれない きっと後悔もするんだろう だけどその手を引き寄せはしない
“君”の前でも普通に振る舞おうとすれば、確かにできる。けれど、そうすることは自分をさらに苦しめ、“忘れ得ぬ人”のことはさらに“忘れ得ぬ”存在になっていく…。
それでも歌詞の中では
―愚かだって自分で分かっていても 忘れ得ぬ人が心に生きていて
と続いていきます。
“君”が新しい恋人なのかどうなのかは正直分かりません。しかし、とある女性と触れるたびに“忘れ得ぬ人”を思い出す…。この歌詞ではそのことを「愚かだ」と表現しています。自分でもそういう感情が生まれることの意味のなさを把握はしているけど、忘れきれない…。
本当に悲しくて、心にずしっとくる歌です。
この歌の特徴って「女性側から見た自分」が全く描写されていないんですよね。
例えば「Over」なら「何も語らない君の瞳もいつか思い出となる」と締められます。しかし、この「忘れ得ぬ人」では相手が自分のことをどう思っているかは聴く人の裁量に任せられています。
このように想像力を働かせられる点もgoodだと思います。
ブラック桜井復活!「暴力的な」歌詞の「WALTZ」
続いて紹介するのはWALTZです。
この歌はとにかくかつてのようなブラックさ満載の歌詞が特徴です。
「ニシエヒガシエ」のように、LIVEの定番曲になりそうな1曲です。
いきなり
―商品に適さぬと弾き落されて ベルトコンベアーからのスカイダイブ
と始まります。
イメージは「世界に1つだけの花」と真逆な感じでしょうか。ネット上では「就活生殺し」と言われている歌のようです。
例えば
―柔軟なところが長所さ履歴書のとおり 違う視点で見れば自分が無いだけ
とかですね。
僕も来年就活を迎えますが、それって悔しいけど当然のことですよね。
相手の「審査」にそぐわなければ弾かれていくのは当然です。
曲全体としては、曲の主人公の「もがき」が感じられます。
―頭の中の「あきらめ」という名の亡霊 そいつを優しく抱きしめて
“誰もほしくない”と告げられたこの曲の主人公は「あきらめ」という感情に身をゆだねそうになります。「諦める」ことは簡単です。なんなら、諦めてしまいさえすればもう「はじかれる際の悲しさ」という感情からも逃げることができます。
それでも、この歌はこのように続きます。この歌詞で一番激しいポイントです。
―(「あきらめ」という亡霊を)この手で殺すぜ
その後、最後のサビに突入していきます。
諦めることは簡単だけど、諦めきれない。未来が見えない「闇」の中でワルツに合わせてもがき続ける…。社会の縮図のような曲になっているなぁと感じました。
雰囲気は暗い感じの曲ですが、聴けば聴くほど味が出てくる曲です。最初に聞いて微妙だった方もぜひ繰り返し聴いてみてください。
ミスチルの真骨頂!アルバム内3本指に入る名曲「幻聴」
正直この曲は文章で紹介できる気がしません(笑)
メロディについてはこのアルバムの中で圧倒的に抜きんでて好きな曲です。なんというか、すごい「きれい」な曲だと思います。
サビが
ー向こうで手招くのは宝島などじゃなく
人懐っこくて優しくて温かな誰かの微笑み
遠くですぐそばで僕を呼ぶ声がする
そんな幻聴に耳をすまし追いかけるよ
という歌詞です。(いい意味で)あまりミスチルっぽくないなぁと感じました。
それで、このサビの「誰か」という部分は、一番最後には「みんなの微笑み」に変わっていくんですよね。
そもそも今回のアルバムは一種の「挑戦」だと思っています。これまでとは全く違う形態のアルバム、曲質もここ最近のミスチルとは異なるものが多い…。
そんな中でもREFLECTIONというアルバムを購入した人全員に対してのミスチルからのメッセージだと僕は解釈しました。
ライブで、CDの向こうで感じる「みんなの微笑み」。それがあるから自分たちはやっていけるんだ、と言っているように感じます。そう考えるとメロディが優しい雰囲気になっているのも納得です。
個人的にはLIVEの定番曲にしてほしいですね。それぐらい大好きな曲です。
足音~Be Strongと双子の曲の「Starting Over」
アルバムに入っている冊子を読むと、足音とStarting Overはどちらも同じ音源から生み出された「兄弟曲」のようなものだそうです。
さて、このStarting Overですが、これも最強の1曲になっています。
曲はこの歌詞から始まります。
ー肥大したモンスターの頭を
隠し持った散弾銃で仕留める
今度こそ 躊躇などせずに
その引き金を引きたい
あいつの正体は虚栄心?
失敗を恐れる恐怖心?
持ち上げられ 浮き足立って
膨れ上がった自尊心?
この肥大したモンスターは自分に巣食う「弱い心」ですね。この弱い心を殺そうとしているのに、なかなか殺せない。
2番に入るとこのモンスターを殺せない曲の主人公の心の中が映し出されます。
ーあぁ このままロープで繋いで
飼い慣らしてくことが出来たなら
曲の主人公は「弱い心」に負けそうになっています。1番のサビで「今度こそ」と書いてあるということは、何度もこの過程をループしているんではないでしょうか。
最後には
ー「何かが終わり また何かが始まるんだ」
こうしてずっと この世界は廻ってる
「何かが終わり また何かが始まるんだ」
きっと きっと
Starting Overは「新たな始まり」のような意味です。”こうしてずっと廻っている”ということは、この曲の人物は結局「弱い心」に打ち勝つことができていません。
しかし、その心も受け入れて生きていこう…と決心した曲だと思います。その心も含めて「自分」だから、と。そのまま、アルバムは最後の曲である「未完」に突入していきます。
Mr.Childrenは進化し続ける!「未完」
世界記録ペースで走ってきたマラソンランナーが最後の3kmになって、どこに持っていたのかも分からない体力をフルに使って猛ダッシュしたような曲です。つまり、ここまですばらしい22曲を収録しておきながら、最後の最後にすごい曲を持ってきたなぁと感じます。
過去のミスチルの曲で言えば「ランニングハイ」をより激しくした雰囲気の曲です。
未来を得るためには、自分を縛っているものから解放されて、自分は自分と信じて進んでいこう、まとめるとこんな感じになります。
この記事でも何度か書いてきたように、今後のミスチルのあり方を示している1曲ですね。「音楽界の常識」をぶち破ったMr.Childrenの渾身の1曲です。
2番のサビはこんな感じになっています。
ーさあユニホームを脱いで自由を手にしたらいい
例えば僕は武将で従えた家来が寝返ったっていい
僕が誰だとしても みんな遠くで笑っていても
自分が誰よりちゃんとわかってる 胸の中の約束の場所を
ここまでの歌詞が書けるアーティストはやっぱり、僕は彼らしか思いつきません。
そして、最後はこのフレーズで締められます。
ー未来へ続く扉 相変わらず僕はノックし続ける
以前の記事で書いたように、このフレーズは「終わりなき旅」の”でも次の扉をノックしたい”を思い出させます。
DISCOVERYの当時は「ノックしたい」という願望だったのが、10数年を経て「ノックし続ける」という決意に変わっています。
本当に次のミスチルの曲が楽しみになるアルバムの最終曲でした。
アルバム全体の特徴&まとめの感想
このアルバムの曲のほとんどが「一人称」で書かれています。
全て相手がどう思っているか、ではなく自分がどうなのか、にスポットが当てられています。
”三人称目線”で書かれることが多かったミスチルの曲ですが、今回は”一人称目線”で書かれている曲が多いです。そう言った面も「これまでのミスチルと変わったところだなぁ」と思ったりしています。
いやー、書いてみたんですけど書きたかったことの5割も書けていない気がします(笑)
今度記事に付け足して何かを書くかもしれません。
やはり、このアルバムを”感じる”には実際に聞いてもらうのが一番ですね。
ここに書いた曲以外も素晴らしい曲ばかりです(個人的には運命やREMも大好きです)。ぜひご試聴ください!
もし、曲の解釈などで何かありましたら、気軽にコメントしてください。
それでは、この辺で失礼いたします。