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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 12話感想! 結衣の誕生日後になんて仕打ち…

第12話「未だ、彼の求める答えには手が届かず、本物はまちがいつづける。」

チョコレート

というわけで、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(俺ガイル)の12話の感想&考察を書いていこうと思います。今回はまだ未発売の11巻のお話だったので、完全に考察記事になりそうです。12話を未視聴で、ネタバレが気になる方はご注意ください!

公式サイトのストーリー:今回はまだ原作が発売されていないこともあってか、公式サイトにあらすじがありませんでした。

 

いやー、いろいろと胃が痛くなるような回でしたね…。今回から少し記事の書き方を変えて、中見出しを有効に活用しようと思うので、よろしくお願いします。

アバンタイトルの内容、感想、考察(陽乃との会話)

「答え合わせ」をする八幡と陽乃

12話は陽乃と八幡の会話から始まりました。雪乃の進路についての答え合わせをしよう、と陽乃は八幡に話します。

雪ノ下陽乃

八幡「一応知ってますけど、俺がそれを言うのはフェアじゃないんで」

こういう八幡に対して陽乃は「雪乃ちゃんに信頼されてるんだね」と言います。

八幡「信頼っていうか…そういうのじゃないでしょ、俺は」

陽乃「そ、あれは信頼とかじゃないの。もっとひどい何か。…なーんも変わってない。それでいいと思ってるのよね、あの子は。ま、それがかわいいところでもあるんだけど。そこがすごく気に入らない」

この言葉を聞いて八幡は持っていたコップを潰し、「信頼じゃないなら何なのか」と問います。陽乃の答えは「少なくともそれは本物じゃないし、本物なんて本当にあるのかな」といったものでした。

相変わらず曖昧な会話をしますね(笑)

少なくとも、”もっとひどい何か”=”八幡への依存”であることは間違いないですね。そして、陽乃はそれを「本物ではない」と言っています。”本物”がなんであるかについては八幡の中でも答えが出ていないと思うんですよね。ただ、陽乃が示した”本物”は”相手の内まで踏み込んで「互いに」何かを思う関係”といったところでしょうか。

Aパートの内容、感想、考察(バレンタイン直前)

バレンタイン間近の日(教室)

どうやらバレンタイン間近のとある日が舞台になっているそうです。戸部がやたら「甘い物」「チョコ」アピールを教室内でしています。

どうやら隼人は他人からチョコレートは貰わないようです。

その情報を聞いて表情を曇らせる優美子に、結衣は「でもよく分からない人からもらうのは怖いもんね」とフォローを入れます。

このやり取りの中、八幡は教室を出ていきます。廊下を歩きながら八幡が”手作り”というフレーズで思い出していたのは最初に雪乃や結衣たちと作って、結衣からもらったクッキーのことでした。

昔のことを思い出していると、「なんで先行くし」という結衣の声がします。

八幡「いや、一緒に行くとか言ってないし」

結衣「待っててくれたのかと思ってた。ひっきー、しばらく教室いたし…」

2人で奉仕部へ向かいます。道中、結衣は八幡に優美子たちの話をして、「今を生きてるって感じですごくいい」と八幡に言います。

対して八幡は、過去は後悔があり、未来は不安があるから消去法で今が幸福ということになる、と返します。この答えを聞いた結衣は少し怒っているご様子。

ふくれる結衣

これは結衣にとって、八幡といる「今」が楽しいからでしょうね。

八幡「…お前、そのうち暇な日ってあるか?」

結衣「えええ!多分、大体暇は暇…。というか…」

結衣は奉仕部の部室の前に来て顔を曇らせ、「ちょっと考える」と言い、部室の中に入ってしまいます。

奉仕部の前まで来て雪乃の事を思い出したんでしょうね。それと同時に11話での保健室の一件も…。雪乃と八幡は互いに好意(loveの)を持っている確率が高く、結衣にとって大事な2人の関係を結衣から壊すことはできません。その意味で、八幡からの誘いをいったん保留にした、と思います。

バレンタイン間近の日(奉仕部部室)

部室に入ると、雪乃だけではなくいろはすもいました。

一色いろは

結衣から「隼人はチョコを受け取らないらしい」という話を聞いたいろはすは、トーンの低い声で「この際先輩でもいいです。先輩、甘いもの好きですか?」と八幡に聞きます。

結衣「ひっきーは!甘い物、好きだよ!」

雪乃「そうね」

いろは「なぜお二人が答えたのかあれですけど…ならちょうどいいですね」

このシーン、個人的には大好きです。結衣と雪乃は、これまでの八幡との積み重ねがあるから八幡の好みを知っています。そこはいろはとの違いだなぁって思います。

このやり取りを通じていろはがチョコを手作りするということを奉仕部メンバーは知ります。いろはすはお菓子作りが得意なようです。

いろは「あー、先輩チョコもらったことない系ですか?」

結衣「ひっきー、ちゃんとチョコもらえるもん………ね?」

「もらえるもん」と「ね?」の間に大きな時間の間がありました。これは、少なくとも今年は結衣(もしくは雪乃?)から八幡に、チョコを渡そうとしていることを意味しています。「もらえるもん」がいろはへの反論で、「ね?」は取ってつけた言葉のように聞こえます。

いろはが何かに勘付きそうになりますが、八幡は小町の話をしてフォローします。「年下好きなの?」と引くいろはに、八幡は「一色は4月生まれなんだから年下って感じがしない」と返します。

誕生日を覚えてもらっていたことに驚くいろは。ここで素のいろはが一瞬出ていましたね。

 

こんなやり取りをしていると「手作りチョコが作りたい」という依頼を持った優美子が部室にやってきます。海老名も引き連れて。

いろは「受け取らないって言ってる以上、難しいんですよねー」

優美子「ほんとそれ」

互いににらみ合う2人。女子同士ってやっぱり怖い。

いろはすとあーし

さらに、そこに沙希が登場します。奉仕部が火薬庫と化していきます。

沙希の依頼もチョコのことでしたが、優美子がいちいち突っかかっていき、沙希も毎回反論するので、奉仕部内に一触即発の雰囲気が流れます。不良vs女子界のリーダーの争いはすごい。

しかし、沙希の依頼は「妹がチョコを作りたがっているから小さい子でもできるものはないか」というものでした。沙希は料理が得意ですが、作るものが地味で、小さい子が喜んでくれるかは微妙、とのことです。

女子会

 

優美子、沙希、海老名が部室を出たあと「困ったわね」と雪乃はつぶやきます。多数の依頼をどうこなしていこうかを思案しているようです。

結衣「でもさ、なんか隼人君の気持ちも分かるな。あ、ほら、なんていうか!やっぱり、いろんなことに気を回しちゃったりするんじゃないかなーって」

いろは「あー、なんか結衣先輩らしいですね」

いろはすの言葉を聞いて結衣の手がぴくっと動きます。少し悲しそうな顔をして「私らしい…か」と呟いて。この部分の結衣の心情は後で考察します。

やり取りを聞いていた八幡は「葉山がチョコを受け取らざろうを得ない状況をつくれば解決する」と言います。どうやら一緒に作る試食会のたぐいのことを考えているようです。

八幡の意見にいろはも結衣も賛同します。善は急げということでしょうか、いろはは即座に生徒会に料理教室の企画書を作るように命じます。こうして、バレンタインデーチョコレート教室が開かれることが決定しました。

Bパートの内容、感想、考察(バレンタイン当日)

まさかの玉縄再登場(笑)

イベント当日。なんと会場には玉縄率いる他高の顔ぶれがありました。玉縄は雪乃や八幡に対して恐れを抱いている様子。あれだけぼこられたし、仕方ないね。

八幡「どうしたんだ、あいつら…」

いろは「合同にして向こうからも予算を引っ張ってこられるんだったらベストじゃないですか。私も義理チョコの代金が浮いてラッキー!みたいな?」

雪乃「それはともかくとして…思いのほか優秀なのよね、一色さん」

即座に立てたイベントにも関わらず予算にまで気が回っているいろはを、雪乃も認めているようです。

その時、ドアが空きます。”特別講師”として陽乃が教室に入ってきました。

はるさん

「何でこの人呼んじゃったの…」という八幡。雪乃も「私だけで十分なのに…」と言います。波乱の予感がするバレンタインデーイベントがスタートです。

チョコ作りスタート!それぞれの思いが交わる。

チョコの作り方、かたどり方を聞いて「ちょろくない?」と優美子。しかし…

結衣「甘いよ、優美子!湯煎ってお湯の中に入れるってことじゃないんだよ? なんかこうぐわーっとやるの!ぐわーって!」

…(笑)今日は結衣のアップカットが多い気がします。

八幡が、沙希や優美子、結衣たちがチョコを作っている風景を見ていると隼人が「よく考えたな」と言って、やって来ます。

隼人「これならみんな自然に振る舞える」

もしこのままバレンタインデーに突入していたら人間関係が崩れるのは目に見えています。そうすると、隼人が「みんなの葉山隼人」を演じている理由も無くなってしまうわけで…。八幡への賞賛、というよりは「ほっとした」という感情であるように感じました。

葉山が優美子に呼ばれて去った後、八幡はいろはの元へと向かいます。

八幡「お前、本当に料理上手なんだな」

いろは「何ですか口説いてるんですか。甘い物だけに甘い言葉をささやけばいけるんじゃないか、とかちょっと考えが甘いので出直してきてください、ごめんなさい」

おおおおお!とうとう、いろはのこの言葉から「無理です」というフレーズが消えましたね。いろはの八幡への気持ちの変化がうかがえます。

すかさず、いろははそのまま八幡にチョコを食べさせます。あざといろはす。

あざといろはす

続いては八幡と折本の会話です。折本は八幡に「チョコあげたことあったっけ?」と質問します。

この質問に反応したのは、結衣、雪乃、いろは、沙希、玉縄。女性陣は八幡のことを気にかけている人たちですね。ということは玉縄は折本のことが好きなのか…。

陽乃「そういえば、隼人は昔雪乃ちゃんからもらったよね?」

突然の爆弾投下。今度はこの言葉に八幡、優美子、雪乃、いろはが反応します。ここの演出がすごく細かくてよかったです。

ゆきのんの過去

というのも、陽乃がこの話を振った瞬間、雪乃は八幡のことを横目でちらっと確認していました。自分の過去の話を聞いて八幡がどんな反応を示すのかが気になったんでしょう。そして、この雪乃の目の動きを見て結衣は周りには聞こえないような声で「はああ…」という声を出し、表情を曇らせていました。このシーンでも結衣は雪乃が、八幡のことを好きだという再認識させられたのではないでしょうか。

隼人「小学校上がる前ぐらいに、陽乃さんと一緒にもらった」

さらに、陽乃は雪乃に「チョコを誰に渡すつもりなのか」と直接聞きにいきます。陽乃さん、容赦ないっすね…。

「誰に渡そうと関係ない」と雪乃は言い返しますが、そのときボウルを落としてしまいます。ボウルを落として動揺する雪乃。さらに、それを八幡に見られていてさらに動揺します。

ボウルを拾おうとしますが、八幡を意識してかボウルを取り損ねてしまいます。

結衣「ふっふーん。ゆきのんもまだまだだね。私はボウルとか調理器具の扱いは完璧だから」

結衣はこう言ってフォローしますが、非常に悲しそうな顔をします。上で書いたのとは逆に八幡から雪乃に対しても意識が向けられていることが分かったからですね。

ガハマさん

この3人を見て陽乃は冷たい目線を向けます。この目線の意味は後で考察します

チョコは完成!陽乃が3人をかき回す…

チョコが完成します。いろはも優美子も隼人にチョコを渡すことができ、沙希も妹がチョコを完成させることができました。戸部もチョコを食べることができました。

川なんとかさん

風景を八幡が見ていると、平塚先生がやってきます。

平塚「いいイベントになったな」

八幡「よくわからないイベントですけどね」

平塚「それでいいのさ。君はよくわからん奴だ。君がかかわった人間もよくわからん奴らだ。こうなるのは当然だろう。昔よりは多少分かるようになったが、人の印象は日々更新され続けている。一緒の時間を生きて、一緒に成長していけば分かっていく」

八幡「別に成長した気はしないですけど。いつもおんなじことやってますよ」

平塚「歩いている最中は進んだ距離を振り返らないものさ。もっとも、歩みを止めてしまったものからすると進んだ距離の分だけ裏切られたようにも感じるものだが」

平塚先生は「この場でこの風景を見られてよかった」と言い、立ち去ります。今が2月ということは…。そしてこのセリフです。もしかすると、平塚先生は転勤してしまうのかもしれませんね。最後に八幡たちが自分たちで何かを企画し、実行していることに成長を感じ取って安心している平塚先生です。

続いて、八幡も結衣のチョコを実食することになります。深呼吸をしてから食べようとする八幡に、雪乃は「私も作ったから大丈夫」と付け加えます。

八幡「なんだ…なら安心だな」

結衣「なんかひどいこと言われてる!?」

食べて「ありがとな」と八幡。ここまではいい雰囲気だったんですが…。

クラッシャーはるのん

陽乃「ふーん。それが比企谷くんのいう本物?こういう時間が君のいう本物?…これがそうなの?君はそういう子じゃないと思うけど?君はそんなつまらない子?」

八幡「面白いやつだったらクラスの人気者になってますよ」

陽乃「そういう部分は好きよ」

陽乃はいっそう目線を鋭くして続けます。

陽乃「でも、今の比企谷君達は…なーんかつまんない。私は、前の雪乃ちゃんのほうが好きだな」

こう言って陽乃は去っていきます。ここの陽乃の行動も後で考察していきます。

八幡(ただ、慣れていないから。経験したことがないから。だから、ただの違和感なのかと思っていた。次第に慣れて、受け入れるのだと思っていた。それでも、その違和感を見逃してはくれなかった。今まで考えないようにしていたことを、雪ノ下陽乃は突きつけるのだ。それは信頼などではない。もっとひどい、おぞましい何かだと)

3人はいろはと反しているときは笑顔で応対しますが、3人になると再び顔を曇らせてしまい、互いに会話もありません。

この八幡の思いも後で考察していきます。

雪乃の母親、再び登場。

帰り道、3人の目の前に車に乗った雪乃の母親が現れます。「進路のことで陽乃から話を聞いた」そうです。陽乃さんあちこちに爆弾を置いていきますね。

雪乃の母親は「あなたこんな時間まで一体何を?あなたはそういうことをしない子だと思っていたのに。あなたを信じているから自由にさせていたけれど…いいえ私の責任、私の失敗ね」と矢継ぎ早に雪乃に言います。自分の責任と言いつつ雪乃を責め立てています。

ままのんラスボス

雪乃母「私が悪いのかしら」

結衣「あの、今日は生徒会のイベントで手伝いを…」

結衣は雪乃をかばいます。

雪乃母「送ってくれたのね ありがとう。でもあまり遅くなるとあなたのおうちの方もきっと心配するわ。ね?」

まるで会話が成立していません。さらに小言は続いていきます。

雪乃母「あなたには自分らしく自由に生きてほしい。でも、間違った道に行ってしまうのは心配で…」

おいおい、このおばさん、文系が間違った道とでも言いたいんですかね?

雪乃の母親は雪乃のことを「1つの作品」とでも思っているんでしょうか。もしくは、自分の思い通りに動く駒…。雪ノ下家の過去が早く知りたいですね。

雪乃は伏し目がちに「ちゃんと説明するから今日はもう帰って」と母親に告げます。

八幡(彼女らしさ、俺らしさ。きっと、誰かが規定した自分をずっと持っていてそれはいつもずれている。自分達らしくありたい…。けれど、その自分は一体誰が決めたのだろう)

こうして雪乃は帰宅し、結衣も「私も帰るね」と八幡に告げます。

八幡「いいよ、送る」

結衣「いいの…なんかずるい気がするから」

八幡「そうか…」

冒頭とまったく一緒の展開です。今、雪乃と結衣は競える状況にありません。そんな中で自分だけ”抜け駆け”をして八幡との時間を作るわけにはいかないー。でも、こういう場面で押さないからゆきのんに負けちゃうんだよ…。

結局、3人は三方向バラバラに歩みを進めて帰路につきます。

八幡(俺たちらしさはいつもどこかで食い違っていて…。なら本当の俺たちは、本物は…いったいどこにいるんだろう)

 

以上です。

考察①…Aパートの結衣の心情は?

いろはに「結衣先輩らしい」と言われたときの結衣の気持ちを考えてみます。

そもそも、由比ヶ浜結衣という人物の公式のキャラクター紹介は以下のようになっています。

一見ギャル風で明るい振る舞いのなかに、つねにまわりの空気を読んで合わせてしまうところも自分の考えをストレートに表現する雪乃に興味を持ち、奉仕部に参加。

つまり、結衣はまわりの空気に合わせてしまう自分をそんなに好んでいません。

そして、先ほどの問題のシーンは(少なくともいろはから見れば)隼人のことを気遣って発言している結衣に対して向けられたものです。

今回に限って言えば”空気を読んだ”とまでも言い切れませんが、少なくとも場の雰囲気をよくしようとしての発言であることに変わりはありません。

自分のそのような発言に対して、「結衣先輩らしい」と勝手に自分への烙印を押されたことに対する反応だったと考えます。

さらに、”空気を読んで合わせてしまう”と書いてある…ということは、結衣も隼人同様、周りに合わせて自分のキャラを演じる(詳しくは11話感想をご覧ください)傾向にあるということです。

だからこそ、結衣は隼人の気持ちがわかって最初に「でもさ、なんか隼人君の気持ちも分かるな」と言ってしまったのではないでしょうか。

考察②…陽乃の行動の意味は?

奉仕部3人と陽乃の会話の部分の考察になります。

陽乃は八幡たちの関係を「本物ではない」と言っています。

簡単にいうと、今の八幡たちの関係はかつて八幡が嫌っていたはずの葉山グループなどのいわゆる「上位カースト」のものと酷似しているんですよね。

確かに、9話以降表向きの関係性は改善されているように見えます。しかし、かつては言えてたはずの本音や言葉を言えなくなってきているのも事実なのではないでしょうか。ただの「上っ面の」関係にすぎません。

アバンタイトルの感想で書いたように、おそらく陽乃は”本物”を”相手の内まで踏み込んで、互いに何かを思う関係”と解釈しているように感じます。

きっと陽乃は期待しました。八幡が「本物がほしい」といった後の3人の関係性が、陽乃の考える”本物”になっていくことを

しかし、雪乃は昔自分に依存したように、今度は八幡に依存するだけの人となってしまいました。さらに、八幡はそのことについて雪乃に対して何も告げません。八幡は心のどこかで引っかかっているはずのことを何も言いません。

こんな関係性に対して陽乃は「今の比企谷君達はつまんない」と言っているわけです。

こう考えると、ボウルを落とした時の冷たい目線も理解することができます。あの目線は結衣と、雪乃・八幡の2方向に向けられたものだと思います。

結衣に対しての目線の意味→すでに上で書いたように”自分の本心”を殺している結衣に対して。陽乃にとってそういう行動は上っ面だけの面白くないものです。

八幡・雪乃に対しての目線の意味→確かにいい雰囲気を2人は醸し出しています。でも、やっぱりこの2人も”本物”には至っていません。もし、2人が恋人になったとしても、今の関係のままでは確実に壊れてしまう、ということを確信したが故の、あの目線だったのではと感じます。

考察③…八幡の独白の解釈は?

まずはこれです。

(ただ、慣れていないから。経験したことがないから。だから、ただの違和感なのかと思っていた。次第に慣れて、受け入れるのだと思っていた。それでも、その違和感を見逃してはくれなかった。今まで考えないようにしていたことを、雪ノ下陽乃は突きつけるのだ。それは信頼などではない。もっとひどい、おぞましい何かだと)

この「違和感」は、既に書いた通り、奉仕部の3人の関係がいわゆる「上位カースト」のもののようになってきたことに対する気持ちです。

今まで、八幡はそういうグループに属する経験はほぼ0でした。今回、雪乃と結衣という仲間を見つけ、ともに行動しています。しかし、それは自分が思い描いていたものとは少し違いました。

それでも、八幡はそんな「違和感」を「慣れるもの」と考えていて放置していました。でもそれは結局「上っ面の」関係でいることにすぎません。

このことを陽乃に見抜かれたことに対しての独白だと思います。”もっとおぞましい何か”を考えるのは難しいですが、”ただの依存”もしくは、単純に”上っ面だけの関係・信頼”のような言葉を指すものと思います。

次に、この2つです。

(彼女らしさ、俺らしさ。きっと、誰かが規定した自分をずっと持っていてそれはいつもずれている。自分達らしくありたい…。けれど、その自分は一体誰が決めたのだろう)

(俺たちらしさはいつもどこかで食い違っていて…。なら本当の俺たちは、本物は…いったいどこにいるんだろう)

”自分らしさ”とはなんであるかを考えた独白です。この”自分らしさ”も八幡の考える”本物”と同じように「どこにもないもの」ではないでしょうか。

最後の「本物は…いったいどこにいるんだろう」は”反語”になっている印象を受けます。人によって異なる自分らしさなんて何の意味もないし、その自分らしさは人によって食い違います。だったら、本当の自分たちなんて無いのでは無いか…と八幡は考えているのではないでしょうか。

と、ここで平塚先生の言葉を引用してみましょう。

「人の印象は日々更新され続けている。一緒の時間を生きて、一緒に成長していけば分かっていく」

八幡の独白に対する答えはこれだと思います。生きていく過程で、成長する過程で”自分らしさ”は変化していくんだから、”自分らしさを求めるために、成長しようとすることに意味がある”と平塚先生は伝えたかったんじゃないかな、と僕は思っています。”成長する”ためには、八幡たちはこのままの関係ではいけません。

 

ものすごい長い考察記事になってしまいました。

次回で俺ガイルが終わりなんて信じられませんね。

今から最終回が見たいような、見たくないようなそんな気分です。

 

次回、最終回の第13話は「春は、降り積もる雪の下にて結われ、芽吹き始める。」です。

それでは、この辺で失礼いたします。