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宇宙よりも遠い場所 12話感想&考察!止まっていた時間が動き出す!

第12話「宇宙よりも遠い場所」

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とんでもないものを見てしまった気分です。いつか来ると思っていたメールの描写でここまで心が引き込まれるとは…。

というわけで、よりもい第12話「宇宙よりも遠い場所」の感想&考察を書いていこうと思います。ネタバレ有りですので、未視聴の方はご注意を!

ちなみに、1話~5話、6話~11話の感想記事はこちらです。

osusumenews.hatenablog.com

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あらすじ概要

冒頭は報瀬の過去。報瀬が「母親は帰って来る」という醒めない夢を見るきっかけになったあの日。母が行方不明になったことを知らされます。

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報瀬は、母親が行方不明になったポイントに向かうことに躊躇いを感じています。そんな報瀬に、不器用なりにも気を遣うキマリたち。一方、報瀬は「宇宙に来たら泣くと思っていた。でも、そんなことはなく、何を見ても写真と一緒だ」と感じたと告げます。

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報瀬にとって、母親が行方不明になったポイントにいくことはこんな想いがあります。

報瀬「でも、そこに着いたらもう先は無い。終わりなの。もし行って何も変われなかったら…。私は一生今の気持ちのままなんだって」

 

こうして、決起会が行われます。報瀬を心配する大人たちに対し、日向は「何かをするのが思いやりではない。何もしないのも思いやりである!」と言います。周りからも”いい友達”と認められる4人。結月が嬉しそうにしてるのがまたいいですね。

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裏では報瀬と吟の会話。吟は報瀬にこう伝えます。

報瀬「なんで南極に来たんですか?」
「私がそうしたかったから。貴子がそうしてほしいと思っていると、私が勝手に思い込んでいるから。…思い込みだけが現実の理不尽を突破し、自分を前に進める
報瀬「人にゆだねるな、ってことですか?」
「そう。けど、ずっとそうしてきたんじゃないの?あなたは?」

吟の言葉を聞き、報瀬はお金を並べ、今までの自分の仕事・生き方を反芻します。

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意を決し、「その場所」へ向かう報瀬たち。南極が生み出す景色に圧倒されるものの、夜はブリザードにより、前が全く見えないほどの悪天候。嫌でも貴子のことを思い出す吟と報瀬です。

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真夜中、目が覚めてしまったキマリは起きている報瀬にこう伝えます。
キマリ「連れてきてくれてありがとう。報瀬ちゃんのお陰で私、青春できた」

また、報瀬は貴子にメールを送ります。友達ができたことと、もうすぐ貴子がいる場所につくことをー。とうとう、一同は「小淵沢天文台」に到達します。

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天文台の名を聞いた、キマリ・日向・結月は貴子が遺したものが無いか、調べ始めます。こうして、見つけたのは貴子が使っていたノートパソコンです。

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パスワードは貴子の誕生日…ではなく報瀬の誕生日でした。メールを受信すると、報瀬が送り続けていたメールをとめどなく受信します。その数は、報瀬の誕生日と同じ1101通。涙が止まらない報瀬、そしてそれを泣きながら見守る3人でした。

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以上です。…画面がぼやけて編集するのが大変でしたよ。

12話の感想・見どころ

やっと、動き出した小淵沢報瀬の時間

とにかく12話は報瀬回。最後のメールの描写について書いていきます。

玉ねぎの描写とすぐには出てこない涙

Aパートの報瀬の南極への想いを聴くシーン。ここでは、調理の手伝いのために玉ねぎの皮をむきながら会話をしています。玉ねぎの表皮をむいていますが、当然それだけでは「玉ねぎの内部」までたどり着くことは出来ないわけです。

そして、ノートパソコンを見つけたときの報瀬です。この作品はとにかく「涙」が重視して描かれています。これまでの流れを考えると、ノートパソコンを見つけた瞬間に報瀬は泣きだしてもよさそうなものですが、涙を流すことはありません。

更に、貴子PCのパスワード。ここも、亡き母が自分の誕生日をパスワードにし、更に自分の写真を貼っている、ということを考えると泣いてしまいそうな雰囲気がしますが、ここでも報瀬は涙を流しません。

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冒頭や予告でもありましたが、とにかく報瀬の母親がいなくなったときから始まった「醒めない夢」は非常に心の深い部分に根付いて、取れないものです。それを裏付ける玉ねぎの描写と、涙の描写でした。特に、涙に関しては11話までの”割とすぐに出てくる涙”との対比がかなり効いています。

意図的?ここ数話は「Dear お母さん」メールが無かった!

あくまで、船上・南極上という場所の都合もあったのかもしれませんが、ここしばらくは報瀬から貴子にメールが送られる描写がありませんでした。

その分、報瀬はキマリ、日向、結月との生活を楽しみ、また船上や南極生活に没頭していたのではないでしょうか。それでも、その生活は「醒めない夢」から醒めることには繋がらず、夢を何か別のモノで覆っているだけです。

しばらくメールの描写が無かったからこそ、最後にこれまでの送信メールを一気に受信するメールにグッとくるような展開になっています。

「もう居ない」ことを実感させる1101通

こうして、12話のラスト。過去に報瀬が送ったメールが貴子のアドレスに届きます。

この1101通は、報瀬にとって

母親はもう存在していない

ことを嫌でも見せつけるメールになっています。キマリたちが「貴子が遺したものを探そう」としたときに、報瀬がやんわり止めていたのは

ひょっとすると、母親はまだどこかで生きているかもしれない

と感じたからかもしれません。だからこその、「醒めない夢」なわけで…。

 

でも、自分が送った数多のメールは読んでほしい人に読んでもらえていなかった。娘との2ショット写真、娘の誕生日をパスワードにしたパソコン…。

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これらの物を持っていた人が娘のメールを読まない、ということはありません。つまり、読まなかったということは、もう母親はここには存在していない。報瀬の涙がすぐに出てこなかったのは、こういった心の整理という面もあったのかもしれません。

母親がいない、ということを嫌でも見せつけられ、報瀬は目を覚まします。母親がいつか戻ってくるという夢から、母親がいない現実の世界へと。

 

しかし、この優しいアニメは最後の描写を残します。ドア越しで報瀬のことを想い、3人で涙を流すシーンです。”亡き母”を思う醒めない夢から目覚めた報瀬が頼り、そして報瀬を救うのはやっぱりこの3人なんですね。

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Aパートで日向が語っていた「何かをするのが思いやりではない。何もしないのも思いやりである!」という言葉が最後のシーンで見事にマッチしています。

 

宇宙よりも遠い場所ーそれは、南極の事でもあり、同時に貴子が眠っている世界のことでもありまし

「よどんだ水」の表現は、みんなに当てはまる

12話まで見てきて、改めて1話の冒頭を見るとグッときます。

よどんだ水が溜まっている。
それが一気に流れていくのが好きだった。
結界し、解放され、走りだす。
よどみの中で蓄えられた力が爆発してー
全てが動き出す。

(第1話 冒頭のナレーションより)

「よどんだ水」の意味合いは、各々異なりますが、誰にしもこの言葉が当てはまっています。

キマリにとっては「何か」をしたいという想い。報瀬にとっては、母親の消失を認められない想い。日向にとっては、高校の部活の一件で溜まったモヤモヤ感・悲しみ。結月にとっては普通の友達という憧れ。そして、南極隊員たちにとっては、周囲には批判的な目で見られ、かつ3年前の後悔。

 

ぜひ、12話まで見た方には9話を見直してほしいです。9話の船が氷を砕いて進むシーン。過去の人も、今の人もみんなが「行け!」というあのシーン。あれこそ、よどんだ水で蓄えられた力が爆発し、流れ出している最高の描写ではないでしょうか。1話の冒頭も、流れ出しているのは船ですしね。

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 報瀬から貴子に宛てた最後のメール

はじめて、報瀬が母親に「友だちができた」と伝えるメールです。文面は

「Dear お母さん。友達ができました。ずっと1人でいいって思っていた私に友達ができました。ちょっぴり変で、ちょっぴり面倒で、ちょっぴりダメな人だけど…。一緒に南極まで旅をしてくれる友達が。喧嘩したり、泣いたり、困ったりして。それでも、お母さんのいたこの場所に、こんな遠くまで一緒に旅をしてくれました。私は、みんなが一緒だったからここまで来られました。お母さん。そこから何が見えますか?お母さんが見たのと同じ景色が私にも見れますか?もうすぐ着きます。お母さんがいる、その場所に」

です。この中の「一緒に南極まで旅をしてくれる友達」という文面が、個人的にはたまりません。このフレーズだけで、どんな友人かが分かりますよね。

普通の友人だと、「南極行こうぜ!」「えぇぇ…」となるのが普通。でも、彼女らは違った。何か突拍子を無いことを言っても、しても、全力で寄り添って頼れる友人ができましたー。報瀬の想い・感謝が全てこの1フレーズに凝集されている気がします。

 

これまでは、メールを打つのも、バイトでお金を貯めるのもたった1人でした。でも、メールを見るシーンはドア越しにみんながいる。「友だちができました」というフレーズがうまく作用していますね。

13話(最終話)に待ち受けているものは?

もはや、「宇宙よりも遠い場所」に展開予測なんて不毛な気もしますが、ぜひとも描いてほしいことが2点あります。

”綺麗な”空の描写

貴子の最後の言葉は、「綺麗だよ、とても…」でした。

7話で、4人がかなえになぜ南極に行くのかを聞いたシーンがありました。

 

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キマリ「どうして行くんですか?」
かなえ「そうね。まあ、強いて言えば…。今回は空を見るためかな」
キマリ「空…?」
かなえ「うん。空」

加えて、貴子が使っていた寝室の天井に残されている美しい星空の情景。更には、3話で4人で見に行ったプラネタリウム。

12話でも「サンピラー」が見られましたが…。ぜひ、みんなが追い求め、貴子が最期に見たであろう美しい星空をどこかで見せてほしいですね。

残された1通の送信メール

多くの方が気になっているのが、貴子の送信トレイに残っていたメール。このメールの内容、そして誰に宛てたものなのかは非常に気になるところです…。
報瀬に宛てたのか、吟に宛てたのか、それとも…。
恐らく、貴子の「最期のメッセージ」が書かれていそうです。

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ただ、空の描写もメールの内容も13話で明かされなくても何ら不思議ではないなぁ、というのが僕の感想です。一般的なアニメであれば、12話が最終回だとしても全くおかしくないクオリティでした。

逆に、メールの内容や宛名などは、視聴者全員が気になっているからこそ、あえて明かさない展開もあるかもしれません。

一応の予想では、上記2点を含んだ南極での最後の生活がAパート、群馬に戻ったあとの生活がBパートだと思っていますが、13話の冒頭でいきなり群馬での生活からスタートしているかもしれません。

おわりに

非常に素晴らしいアニメが故に、文章にまとめるのが大変でした…。

ひとまずのところは、円盤を買って応援ですね。あとはサウンドトラックも買わないと。

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TVアニメ「 宇宙よりも遠い場所 」 オリジナルサウンドトラック

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あと1話で終わってしまうのは、とても寂しい気持ちもありますが、それ以上に楽しみな気持ちが強いですね。来週の火曜日が待ち遠しくてしかたありません!

ではではー。