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12話直前!”宇宙よりも遠い場所”6話~11話の感想と考察!12話の予告も!

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いよいよ12話の放送まであと1日になった宇宙よりも遠い場所。
今回は、6話から11話の簡単な感想を書いていきます。

ちなみに、作品の見どころ・5話までの感想はこちら。

osusumenews.hatenablog.com

各話の演出・感想・考察

6話

ストーリー

南極観測船に乗るべく、まずはシンガポールへ旅立ったキマリたち。楽しい旅…のはずが何と日向がパスポートを紛失してしまう。再発行のため、到着日を変更しなければいけなくなった事態に対し、日向は「先に3人で向かってほしい」と告げる。
ただ、報瀬の気持ちは既に「4人で南極へ」に変わっていた。貯金の100万を空港で出し、全員が一緒に行ける道を選ぶ。

感想・考察・気に入ったシーン

前回も書いた通り、自分の中では5話・6話が最高の回。報瀬・日向の深いやり取りも、オチも極めて優れたものでした。自分がいなくても回る世界の話、ドリアンアイスのくだり…と語りつくせない魅力がありますが、ここでは報瀬・日向の成長に目を向けたいと思います。

かつての報瀬は予定通りいかないことがあると、すぐに癇癪を起こしてしまう性格でした。しかし、今回はパスポートを紛失した日向と向き合おうとします。でも、気を遣うことは日向のトラウマを蘇らせることにもなり…(11話参照)。

 

夜のベッドで2人でした会話では、2人は向き合っていません。報瀬が向き合っても日向はすぐに後ろを向いてしまいます。ここではまだ報瀬が吹っ切れていないような気がします。翌日の空港では、一転日向に待っ正面から向き合い、こう言います。

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報瀬「気を遣うなって言うならはっきり言う!気にするなって言われて気にしないバカにはなりたくない!先に行けって言われて先に行く薄情にはなりたくない!4人で行くって言ったのにあっさり諦める根性なしにはなりたくない!4人で行くの!この4人で!それが最優先だから!

報瀬の願いが「南極へ行く」ことから「4人で行く」ことへ変化しています。4話のキマリの想いの変化同様、報瀬の想いも変わっています。

 

さらに、ここではじめて見せた日向の涙。気を使われたくない日向のことです。前日夜の表情が出ていないシーンでは1人涙を流していたのだと思います。報瀬の想いに触れてみんなの前で泣くことができたー。これは日向の1つの成長といえます。(他の3人は既に度々泣いている)

ここまで深い話をしてしっかりしたオチがあるのだから、本当に6話はすごいです。

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この女の子、さっきまでのイケメン少女と同一人物なんだぜ…。

7話

ストーリー

とうとうペンギン饅頭号に乗り込んだキマリたち。資金的にも、人員的にも不安がある中、饅頭号は「隊員たちの強い思い」を乗せ、3年ぶりに南極へ発とうとしていた。そんな中、報瀬は自分たちの部屋が貴子の物だったこと、前回の南極計画は貴子、吟、かなえが始めたこと、そして「天文台を作る」という計画のために貴子が行方不明になったことを知る。
様々な想いを乗せ、4人の挨拶とともに饅頭号が走り出すー。

感想・考察・気に入ったシーン

大人たちの想いに触れることができた7話です。7話で出てきたキーフレーズとして

「自分たちのつくった道が後に続いていくと分かっていた」

というものがあります。7話で語られた貴子が吟を南極へ誘った場所が、報瀬がキマリを南極へ誘った場所と同じになっています。貴子の想いは決して無駄ではなかったのです。(同様に、9話にも過去と現在がリンクするような描写が見られます)。このアニメは「母(貴子)の想いを継ぐ娘(報瀬)」という面も重視して描かれていますね。

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他にも、好きなシーンは最後の報瀬の挨拶。「キャッチ―でウィッチ―でセンセーショナルな~」なんて言っても誰もバカにして笑いません。むしろ士気は高まるばかり。2話の感想でも述べた通り、大人たちもみんな本気。だから、頑張ろうとしている人を笑うようなことは決してしません

 

勿論、報瀬は人見知りということもあり挨拶がうまくできなかった面もあります。加えて、隊員たちは5話で私が述べたところの「善意」にあふれる人たちです。

報瀬の特徴として、「悪意」ある相手には勇猛果敢にぶつかりますが、「善意」あふれる人たちの前では途端におとなしくなります。ここで、報瀬がうまく挨拶をできなかったことは、隊員たちの「善意」を裏付けることにもつながっているではないでしょうか。(同じ人前であっても、11話の日向の”友人”(=悪意)相手には突っかかって叫んでいますね)

8話

ストーリー

とうとう船の中での生活がスタート。しかし、慣れない生活に加え、4人は船酔いに苦しめられる。そんな中、キマリは報瀬・日向・結月に「自分たちの意志で選んだから、今がある」と伝える。
荒波に揉まれ、船酔いを克服し、とうとう饅頭号の先には南極が見えたのであった。

感想・考察・気に入ったシーン

僕の中では、8話はいわゆる「日常回」。コーヒーブレイクのような回で、「これこそが!」というシーンは目立ちませんでした。(キマリが主人公らしさを発揮したシーンにはグッときましたし、決して面白くないわけではありません)

元気な4人と、死んでいる4人。見事な対比描写です。

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そういえば。弓子が言っていた「頑張ってね。早く船に乗れるように」というセリフは、「これから船酔いになるからね☆」ってことですよね…?最初は何か深い意味があるのかと思いましたが。

9話

ストーリー

敏夫の好きな人が吟と知る4人。このことがきっかけで、報瀬と吟は会話をすることとなる。吟は、報瀬の「母を待っているだけの生活を変えるには行くしかない、宇宙よりも遠い場所に」という決意を聞く。
過去に南極へ望みをつないだ人たち、現在南極へ望みを持っている人たち…。過去と未来の想いがつながり、とうとう南極へ上陸する。これまでの周囲の仕打ちを見返すかのように、「ざまぁみろ!」という言葉とともにー。

感想・考察・気に入ったシーン

7話でも書いた通り、ここでも貴子のつくった道が現在とリンクしているような描写が見られ、グッときました。ただ、やはり南極への上陸シーンが一番の見どころでしょう。

日向「報瀬、先行けよ」
報瀬「え…?」
キマリ日向結月「どうぞ~」

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4人「せーのっ!ゴール!」

なるほど、8話の弓子の「あんたたち、4人で1馬力ね」という言葉はここにかかってきました。報瀬が1人であれば、計画の時点でうまくいかなったでしょう。結月が1人であれば、まったく楽しくない南極訪問になっていたでしょう。キマリが1人であれば、そもそも1歩を踏み出すことがなかったでしょう。唯一、日向が1人であればうまくいきそうな気もしますが…、そこはうまく11話が補完してくれています。

結局誰かが欠けていれば、この”ゴール”(厳密にはスタート地点ですが)に、素敵な想いを胸にたどり着くことは出来ていませんでした。

 

だからこそ、隊長の吟は声高らかにこう告げます。

「せーのっ…ざまぁみろ!!」

10話

ストーリー

ついに南極へ上陸した一同。しかし、勘違いが元で、結月は「3人が自分に隠れて親友になっている」という思い込みをしてしまう。不安に思った結月は3人に対し、友達誓約書を書くよう要求するが、報瀬はそれを却下。
用事がある、とその場を離れたキマリを抜きに、3人で「友だち」について語らい合う。そんな折、今度はキマリと結月が「友だち」について語り合い…。
その場で鳴り響くクラッカー。実は、3人は結月の誕生日祝いをサプライズしていた。はじめて「友だち」から祝われた結月は涙が止まらず、敬語無しのメッセージをキマリに送る。

感想・考察・気に入ったシーン

結月回です。あっさり目だった8話、9話に比べ非常に重厚な回です。

食事シーンの報瀬のポンコツ具合、日向の物まねなど笑えるシーンも多くあります。ここでは、とても共感できた”報瀬の友達像”を紹介します。

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報瀬「友達なんて、親子とも夫婦とも違うぼんやりしたものだし、いつ消えても誰も責任を負ったりしない。少なくとも私はそう。でも、だから自由で、だから一緒に居られる気がする

友情は「なんとなく」。そこには何もないからこそ、しがらみ無く続いていく関係があるんだなぁ…と感じました。

そして、「友情は平仮名1文字」というセリフ。多くの言葉を交わさなくても互いを信用し、理解できるもの、という答えを結月は得ることができました。

 

ちなみにこの「ね」という一文字のやり取り。3話を思い出しますね。

(3話ファミレスのシーン)
結月「分からないですよ!だって皆さん、親友同士じゃないですか!」
日向「…親友?」
キマリ「ただ同じところに向かおうとしているだけ。(笑顔で報瀬、日向に向き合い)今のところは。ね?

 

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そして、畳みかけるように加えられためぐみの描写。自分から「絶交」と伝え、それを無効と言われ、更にその相手から自分には成しえない南極上陸についての報告が来る…。
恐らく、5話以前のめぐみであればキマリをブロックしていたと思います。それでも、キマリの想いに触れ、何もない世界で互いに頑張っているからこその「そうか」一言の返信なのではないでしょうか。LINEをうまく使った描写です。

 

…「友達誓約書」って某姫と某ヤンデレの誓いの人形を思い出すなぁ。

11話

ストーリー

テレビ通話で、日向の元に通っていた高校のメンバーからメッセージが届く。表向きは普通に接する日向だが、誰もいない場所で感情を爆発させ、報瀬はその姿を見る。
語られる日向の過去。それは、信じていた部活の友人に裏切られ、陰口を叩かれ…。闇が薄いと思っていた日向にも辛い過去があることが明かされる。
再び、流れてくるテレビ通話。「許したら楽になるかな?」と問う日向を制し、報瀬はありったけの想いを彼女らにぶつける(後述)。ますます強固な「親友」となった4人は一緒に、年明けの鐘を鳴らしたー。

感想・考察・気に入ったシーン

5話・6話に並んで、3大「神回」の11話。日向回になります。

11話で語りたいことは無数にあります。それだけで5,000文字は書けそうなw

ここでは「陸上部の女子たち」の描写に注目したいと思います。
ぜひ、注目してほしいのは報瀬が話している最中の画面の動き。報瀬が「悪意に立ち向かうモード」に入ってから、彼女らの姿は映ったでしょうか?

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はい、一度も映っていません。
カメラのレンズは映っていますが…。

 

これは、「絶交」宣言のあった5話のめぐみの描写とは正反対です。めぐみに関しては、「悪意」であり、「悪意」でない。更に、彼女は10話で再登場しています。一方、陸上部の彼女たちはその場に映ることすらも許されない

そもそも、友情を扱った10話と11話は強い関連のある回だと感じています。おまけに、”ただ単に関連のある回”というだけでなく、そこにはめぐみと陸上部の女子という許される・許されない強い対比までも含めている描写です。

 

ここで、陸上部の女子たちの姿が映り、その姿が反省しているようなものであれば、僕たちはどう感じるでしょう。あそこまでばっさりと切り捨てた報瀬に対し、何もそこまで…と感じる人もいるのではないでしょうか。

でも、このアニメはそれを許しません。あくまでこれは4人と、隊員たちの強い絆の物語。11話については、これまで気丈に振る舞ってきた日向を3人が救済するという意味合いすらも含まれているように感じます。そのような描写の中で、上記のような展開は全くの不要なのです。

 

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「あんたらは私たちの世界に入って来るな!」
そんな報瀬の言葉が聞こえてきそうな、最高の2分間の描き方でした。

 

追記すると、日向の旧友に刃向う役割は報瀬以外にはできないものになっています。同じような苦しみを味わったからこその、あの気迫なのです。そして、「悪意」に刃向い、壊すことができるからこそのあの気迫なのです。そこで、言葉に詰まってからの援護射撃。抱きしめてくれる友人。ここでも「4人」だから成し得た展開が用意されていましたね。

12話の予告がアップされています!

www.youtube.com

先ほど公式HPにアップされていました!
報瀬麻雀好きすぎかよwwww

予告的も、順番的にも12話は報瀬回で間違いないでしょう。

おわりに

というわけで、とうとう明日の夜に12話が放送されます。

12話の出来次第で、円盤予約をキめたいと思います。(8割がた購入することを決めていますが)

それでは、明日の12話楽しみにしましょう!

ではではー。