この音とまれ!14話 感想&考察!滝浪のナイスな発言とかずさへの期待
第14話「一歩前へ」
ー優しい音になったんだろ。(愛)
しょっぱなから泣いてしまった…。本当に作りが丁寧です。気持ちを新たにし、2クール目も楽しめる作品になりそうです。
というわけで、この音とまれ!第14話(第2クール1話)「一歩前へ」の感想・考察記事になります。14話までのネタバレがあるので未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
この音とまれ 14話のあらすじ・ネタバレ
光太のファインプレーを機に持ち直した時瀬の演奏が終わります。次の演奏高である珀音高校の神崎澪は「これまでで一番の演奏が出来そうだ」と呟きます。
演奏後、妃呂は愛の怪我を目にしますが、滝浪のアシストで妃呂の行動で愛が怪我をしたという部分は隠されます。愛の怪我は全治一か月で、愛の元にかずさが訪れます。
「あんたたちのせいでさとわの音が変わった」というかずさに「優しい音になったんだろ」と返す愛。やり取りを聞いていたさとわは、涙を流し愛に「ありがとう」と伝えます。
全ての演奏が終わり、結果発表の時間に。澪は愛たちに近づきます。桜介の明陵、千太郎の永代付属は順当に選ばれ、神奈川県の優秀校の発表となります。
選ばれたのは珀音高校、澪が在籍する高校でした。思わぬ伏兵に時瀬の一同は呆然とし、姫坂のかずさは号泣します。帰り道、武蔵はメンバーに「自分たちの演奏を貶す必要はない」と言います。
滝浪は客観的な立場から「ベスト以上の演奏をした」と部員に告げます。滝浪から伝えられた本心の言葉に、全員が悔しさを爆発させ、涙を流します。
改めて全国への思いを強くし、7人と滝浪は帰路につくのでしたー。
以上です。
14話の感想と考察
1話からフルスロットルな面白さでした!1クール目の締め方が最高の展開でしたが、それを上手く引き継いだ2クール目のスタートでしたね。
妃呂を守った3人の行動
武蔵・愛・さとわの3人が同時に「ごめん!」と言いました。それぞれのキャラが何に責任を感じているのかは、前回の記事で書いた通りです。
この”謝罪合戦”をきっかけに、妃呂は愛の手の怪我に気が付いてしまいます。
自分のせいで愛が怪我をした(=演奏がばらばらになりかけた)のではないか?と考えた妃呂に救い船を出したのは滝浪でした。
滝浪のナイスな部分は
・愛が怪我をしたことを、(強引に)きちんと全員に知らせた
・愛に汚れ役を担わせることで、妃呂を守った
・愛がトイレの壁を殴ったことは事実で、嘘はついていない
という3点ですね。特に「嘘はつかずに、妃呂に責任を感じさせない振る舞いをした」という部分がスマートでかっこよかったです。
愛も滝浪の言葉に同調しますが、彼は妃呂を守るという理由以外にも、単純に間違ったことを言っていない滝浪を前に「ぐうの音も出ない」という面もあったのかもしれません。
そして、武蔵は妃呂の問いには答えずに、その場を押さえました。絶妙にはぐらかすのも武蔵らしく、部長らしい行動です(武蔵も嘘はついていません)。
全員が妃呂に責任を感じさせまいと行動した素敵な場面でした!
痛烈なかずさへの仕打ちと自身へ向けられた言葉
全体を通して、姫坂のかずさが非常に酷い仕打ちを受けていた回でした。
かずさは、愛に対し「時瀬のせいでさとわの音は変わった」と言っていますが、これはかずさ自身に跳ね返ってくる言葉です。
かずさが認めているように、彼女も今のさとわの音色の方が好きだと感じています。
それでも、最初にかずさに接触していたのはかずさの方で。かずさの過去の行動次第では、自分の力でさとわの音色を変えることができたのかもしれません。
しかし、かずさにはそれが出来なかった。それをなし得たのは間違いなく愛たち時瀬の部員達です。
大会の後、かずさの隣に立つ愛の姿を映す辺り、この作品の意地の悪さ(褒め言葉です)を感じます。
さとわの隣にいられたのは、かずさだったのかもしれないのですから。
また、かずさは愛に「(愛の)音の好みなんて聞いてない!」と言っていますが、これも矛盾している言葉です。
結局「時瀬のせいでさとわの音が変わった」という発言自体が、かずさの”好きな音”について語っているだけにすぎないんですよね…
ただ、「この音とまれ!」という作品は、キャラクターが壁にぶつかることで、成長する展開が多く見られます。
時瀬のメンバーだけでなく、さとわと逆の方向に歩みを進めたかずさが、姫坂の部員と共にどこまで成長した姿で戻ってくるのか非常に楽しみです。
またもや見られた「聞かせない」演出
神奈川県の中で、優秀賞を獲得した珀音高校。完全に、愛とさとわのやり取りに時間が割かれていたこともあり、珀音高校の音色を聴くことはできませんでした。
この「あえて演奏を聴かせない」演出は1クール目でも取られていた手法です。思い出されるのは5話の龍星群です。
あのときは回想を挟めることで、音色を細部までは聞かせず、最終回に「久遠」を丸々持ってくることで、見事に時瀬の音色を聞かせてくれました。
今回は”ラスボス”になりそうな高校の音色を一切聞かされていない状態です。あの桜介が認めた演奏がどれほどのものだったのか非常に楽しみです。
「あえて演奏を聴かせない演出」は第2クールでも健在なようです。
武蔵から滝浪先生への見事な”言葉のリレー”
思わず泣いてしまった14話のラストシーン。
まずは武蔵が「ベストの演奏をした」「自分たちのことまで否定する必要はない!」と伝えます。”自分のことを否定するな”という発言は、彼の過去の経験から来ています。
受験に失敗し、自分を責めていた時期。自分には部長は合わないんじゃないかと、悩んでいた時期。
それらがあるから言える発言だったように思いますし、これまた部長らしい発言でした。
しかし、一番部員の心を動かしたのは滝浪のセリフでした。滝浪は客観的な立場で「ベスト以上の演奏をした」と伝えます。
このセリフの良い部分って、「時瀬はミスをした」という事実はきちんと伝えていることなんですよね。
その上で、光太を、愛を、そして全員を認め「良かった」と言います。
これまで認められなかった顧問から認められて、武蔵は涙を流します。
部長が泣くことで、部長が泣いてくれたから、その涙は周りに伝染しました(結果発表の際の「緊張の伝染」と関連性のある描写になっています)。
滝浪が時瀬の筝曲部を認めることとなった今回の大会。今後、彼からどのような指導やサポートがあるのかとても楽しみです。
アニメ「この音とまれ!」14話(2クール1話)の感想まとめと15話に向けて
というわけで、この音とまれ!第14話の感想記事でした。
またこの作品を3か月楽しめると思うと嬉しくて仕方がありません。前クールで読んでいただいていた方もそうでない方も、3カ月間よろしくお願いします!
次回第15話は「きづき」です。それでは、この辺で。