この音とまれ!10話 感想&考察!取り残される光太とさとわの”更なる変化”
第10話「近くて遠い距離」
ーやっぱお前の音…綺麗だな(愛)
この「自分だけできていなくて焦る感覚」がすごいリアリティある…。それでも逃げ出さないのが普通の物語と違っている部分で、自分が好きなところです。
というわけで、この音とまれ!第10話「近くて遠い距離」の感想・考察になります。10話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
この音とまれ!10話のあらすじ・ネタバレ
「久遠」に向けて練習を再開します。特に光太のリズム感が悪く、全員で合宿を行うことになります。武蔵の「本気の思い」を聞き、滝浪も合宿に同行することに。
合宿場へのバスの中で滝浪は筝曲部の音を聞かせます。いかに音にズレがあるのかを一同は思い知りますが、愛の一言で全員がポジティブな思考になります。
愛や通孝は以前できなかったことが少しづつできるようになりますが、光太だけはリズムが取れない状態が続き「足手まといだ」と1人夜中に宿舎を飛び出します。
実康が光太がいないことに気づき、全員で光太を探し回ります。最初に光太を見つけたのは愛でした。光太はメトロノームを使い、1人で練習をしていました。
光太は「もっと頑張るから諦めないでほしい」と愛に伝えます。更に”光太は帰るはずがない”と信じた実康・通孝・武蔵も光太を見つけ、妃呂・さとわも合流します。
光太を見つけた妃呂は泣きだしてしまいます。翌日、裏拍を取るのが苦手な光太に、滝浪が練習方法とアドバイスをします。こうしてまた少し筝曲部の結束が強まったのでした。
以上です。
10話の感想と考察
今回は光太を掘り下げたエピソードでした。主要キャラだけでなく、サブキャラにも光が当たるの最高です。滝浪もデレ始めたし、部の雰囲気が良すぎません…?
光太の苦悩と「教える側」の苦悩
光太が抱えた苦悩はとてもリアリティ満載のものでした。周囲の仲間たちがどんどん上達していく中、自分だけが取り残されていく感覚…。
バスの中で聞いた自分たちの音で、自分自身の演奏がいかにひどいのかを思い知るっていう展開が心にのしかかります。
通孝・愛が以前の課題を突破する中、ミスをしてしまい「取り残された」ような感覚になっているこのシーンは上手く光太の心情を表現しています。
「みんな」の方が光になっていて、光太の方が陰になっています。光太が「自分はお荷物だ」と感じていることが、セリフで語られるよりも分かりやすく表現されています。
それにしても、光太が思わせぶりな回想ばかりするので、本当に帰ってしまったのかと思いました…。いや、帰るわけないよね。
9話で全員が1文字づつ書いた新しいポスター。
気持ちを新たにした7人だからこそ、誰も逃げるわけないのに「光太は帰ってしまったのではないか」と思ってしまった自分が恥ずかしい…。
もう1つ、光太に「教える側」であったさとわ・妃呂の行動も面白かったです。教えても上達しない光太に対し、特に妃呂は厳しく接する場面がありました。
この妃呂の行動でさとわの母親の行動を思い出した方も多かったのではないでしょうか。妃呂とさとわの母親を微妙にだぶらせることで「教える側」も大変だな…と感じることができます。
これまでは”ただの悪役”だと思っていたさとわの母親への見方を、少しだけ変えるきっかけになるエピソードでもありましたね。
さとわから愛への呼び方と更なる心情変化
自分がこれまでの中で見逃していただけなら申し訳ありませんが、さとわが愛のことを「久遠」って呼んだことありましたっけ…?
愛も愛で、鳳月って呼んでいますし、互いに名前(今はまだ苗字ですが…)で呼び合うようになった辺り、2人の距離が縮まったことを実感できます。
言い争いのときは「てめえ」「あんた」になるのがこの2人らしいw
そして、前回も書いていたさとわの心情の変化。9話では「私がいれば全国に行ける→みんなと一緒なら全国1位にもなれる」という変化がありました。
10話では更に彼女の想いが変化しています。
さとわ(私は…この場所を絶対に失いたくない…)
2話の彼女に聞かせたあげたいセリフですw「皆と一緒なら…」が更にパワーアップし、筝曲部は紛れもない自分の居場所だという思いになっています。
愛への呼び方の変化、心情の変化とさとわがどんどん変わっていくのが、見ていてとても気持ちのいい部分の1つです。
どことなく思い出される9話のセリフ・行動
テーマが類似していることもあってか、10話の節々で9話を思い出す場面が多かったような気がします。
1つは、既に書いた「7人で書いたポスター」。
あれがあるからこそ、光太が逃げ出さなかった理由づけにもなっていますし、最後に愛が光太に伝えた「俺はお前いないの…嫌だよ」というセリフにも繋がっています。
その他にも愛と哲生の「先輩と後輩」の話。愛は同い年である光太には踏み込んで、悩みを聞いてあげることができます。
光太の悩む姿には妃呂の「1人で抱え込んでふさぎ込まれるのが迷惑だ!」という発言や、武蔵父の「自分で自分の価値を下げるんじゃない」という言葉がぴったりです。
特に、武蔵父のセリフは、自分の事を「足手まといだ」と思い込んでいる光太に対して、愛が同じようなセリフを送っていたのが印象的です。
表情や仕草では、武蔵の行動が心に残っています。
それは、真っすぐに滝浪を見て合宿の開催を訴えた場面です。言葉だけでなく、目を逸らさなくなった武蔵の変わりっぷりに、滝浪は笑ってしまいます。
それでも、その笑いは”嫌な笑い”では決してないはずで。目を逸らすことのなくなった武蔵が”部長”だからこそ、滝浪も本気で向き合おうとします。
深い友情とやっぱりイケメンな愛の言動
実康が光太のいる場所をズバリと当てたのが最高でした!
光太は最後に実康・通孝に「ごめんね、ありがとう」と伝えますが、返ってきた返答は「まったくだ!」という物でした。
こういうぶっきらぼうな言い方が、かえってこれまでの3人の友情を表していて素敵だなぁと感じます。
そして、今回もイケメンだった愛さん。
「お前の音綺麗だな」は実質告白ですし、上でも書いた「俺はお前いないの…嫌だよ」というセリフからもかっこよさがにじみ出ています。
こういうセリフをさらっと言えることが、真っすぐな音を出せることに繋がっているんですね。愛は本当に大好きなキャラクターです。
アニメ「この音とまれ!」10話の感想まとめと11話に向けて
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というわけで、この音とまれ!第10話の感想と考察でした。
1クール目では大会までは進まなそうですね。実康や通孝の過去の深掘りもあるのでしょうか。”揃った音”がどのように聞こえるのか今から楽しみです!
次回第11話は「探してた音」です。それでは、この辺で。
【追記:11話の感想・考察記事はこちらから!】