八月のシンデレラナイン(ハチナイ) 8話 感想&考察!仲間の存在と向日葵が指し示す意味
第8話「夏に向かって」
ーそれでは、里ヶ浜高校女子硬式野球部、最初の練習を始めます!(翼)
分かりやすく、すっきりするストーリー運びが大好きだ…!2週間待った甲斐がありましたね。今回の茜の表情が色々とあざとすぎる。
というわけで、八月のシンデレラナイン(ハチナイ)第8話「夏に向かって」の感想と考察になります。8話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作ゲーム未プレイです。ご了承を)
ハチナイ 8話のあらすじ・ネタバレ
ノックの最中、転んだ茜は植物の芽を見つけます。神宮寺に勧められたことから、一同は夏の大会に出ることを考え始めます。紆余曲折あった女子野球は、約25年前から大会がスタートした歴史がありました。
女子野球の歴史に自分たちを重ね合わせたメンバーは大会に出ることを決めますが、費用が重くのしかかります。そこで、桃子が学校に掛け合うことになります。
しかし、教頭は動くお金の大きさと桃子の「顧問としての本気度」を問い、部への昇格は保留となります。桃子の様子を見たメンバーはひとまず”自分のできること”に取り組みます。
綾香は「やってきたことを知らせたい」と新聞を作ります。桃子はグラウンド隣のひまわりに水をやっている生徒の姿を見て、生徒と一緒になってはしゃぎます。
いい意味で吹っ切れた桃子は再び行動を起こします。綾香の新聞を見た全校生徒は女子野球同好会に興味を示し、同好会員全員で署名集めと予算編成を行います。
桃子は集めた署名と「仲間」としての思いを教頭に告げ、再交渉に臨みました。それに応えるように、教頭は部への昇格を許可し、夏の間の剣道部の顧問を買って出ます。
ランニングから戻った翼たちは、桃子が高く上げたピースサインで「硬式野球部」の始まりを知ったのでしたー。
以上です。
8話の感想と考察
既に7話の記事は修正しましたが、7話の最後で同好会から部活動に変わったと思い込んでいました…。今回の話で、ようやく部活動が発足です!
「顧問」と「仲間」という関係
8話でスポットが当たったのは、顧問である桃子先生。教頭に突き返され、生徒から勇気を貰い、彼女が再び立ち上がったことで同好会は部活動に昇格しました。
今回桃子にスポットが当たった理由は、最後の彼女のセリフに全てが凝縮されています。顧問という立場でありながら、仲間ということに変わりはないからです。
桃子も当然、野球部の一員です。だからこそ、生徒と一緒になってホースの水を掛け合いますし、生徒と共に予算を考えます。
綾香が新聞を作成したり、伽奈・和香が予算作りを手伝ったりと、全員が何かしらの形で部の結成に携わっているのと同じように、桃子も行動を起こしました。
まだただの「顧問の先生」であったときは、雨の中生徒たちが集まる方向と逆の向きに進んでいますが、水かけのシーンでは生徒を追いかけるシーンが映っています。
同じように水が降りしきる場面での行動の対比に、彼女の心持ちの変化が読み取れます。「ただの顧問」から「顧問であり仲間」になった瞬間です。
単純に先生も仲間だ!というセリフだけを映すのではなく、一度折れかけた部分も描いているからこそ「顧問として、仲間としてできることは全部やりたい」という言葉に説得力が生まれます。
8話を見た後に、EDの写真に桃子先生も映っているのを見ると、何というか心が温かくなります。誰1人として部活には欠けてはならない存在なのです。
水を掛け合ったシーンの狙い
非常に分かりやすい描写だった、水を各々が掛け合うシーン。
この描写の狙いの1つは、既に上で書いた「桃子も野球同好会の”仲間”になったことを表現している」というものですが、もう1つは「メンバーを向日葵に見立てている」というものでしょう。
向日葵の芽にかかった水が光っていたように、ホースの水を浴びた翼たちもキラキラしているような演出が取られています。
部員を向日葵に例えることで、表現したいことはいくつか考えられますが
・今はまだ”芽”の状態であっても、光と水があれば必ず”花”は咲く
・向日葵が太陽(光)の方向に伸びるように、里ヶ浜野球部の行く末もきっと明るい
の2点が中心だと思います。
最後の桃子先生の空に突き上げたピースサインを、向日葵に重ね合わせている(水を浴びて成長した”同好会”が”部活”という花を咲かせた)という見方もできますね。
向日葵の芽は、茜が”偶然”転んで目にしなければ見つけられなかったものです。この11人+顧問が集まったのにも”偶然(いや、必然?)”の要素が強いでしょう。
図書委員の麻里安は「物語みたい」と呟いていましたが、”偶然”出会った彼女らが、これから起こすであろう物語が更に楽しみになる演出でした。
「敵」を作らない見事な構成
8話は数多くの人物が出てきましたが、その中に「敵」は存在しませんでした。「悪役たる悪役」がいないアニメですね。(あ、でも舞子の親は…うん)
この手のアニメでありがちなのは、妬みから同好会に嫌な言葉を浴びせるクラスメートがいたり、教頭先生が妨害したり、といった展開です。(どうして教頭って嫌なキャラが多いんですかねw)
しかし、ハチナイにおいてはそのような人物が一切登場しません。
もちろん、物語の起伏を見せる意味では「悪役」がいる方が、それを乗り越えた際の爽快感が生まれ、物語として”締まる”のは間違いないと思います。
ただ、逆に「悪役」を出さないことで物語に爽やかさが生じる…という面もあります。
どちらがいいかのかは好みの問題ですが、”すっきりした青春”にスポットを当てているハチナイであれば、このような構成がベストなのではないでしょうか。
ある意味、全校に認められることになった里ヶ浜女子野球部。サブキャラクターたちによる応援も見られるのでしょうか…?
感想:分かりやすさが売りの「気持ちのいい」青春アニメ!
野球部に暗雲が立ち込めれば雨が降り、雷が鳴り響きます。部活としての発足が決まれば、一面の青空に太陽の光が降り注ぎます。
2つ目の見出しで書いた「部員=向日葵に見立てる」という描写などもそうですが、改めて表現したい物が分かりやすく描かれているのがこの作品の魅力だと思います!
何というか、余計なことを考えずに素直に見られるアニメなんですよね。
当然、上で書いたように悪役がいないことで、視聴の際に余計なストレスが溜まらないのも要因の1つとして挙げられます。
一言でいうと「分かりやすく、気持ちのいいアニメ」です。
前回も書いたようにレギュラー争いだけは少しだけ不安ですが、そこをどう描いていくのかが今後の楽しみなポイントの1つです。
アニメ「八月のシンデレラナイン」8話感想まとめと9話に向けて
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というわけで、八月のシンデレラナイン(ハチナイ)第8話の感想・考察でした。
2週間長かった!それでも、十分に面白い物語を見せてくれているので満足です。それにしても全12話だとすれば最終回の放送はどうなるのでしょうか。
次回第9話は「みんなでつないで、楽しんで」です。それでは、この辺で。
【追記:9話の感想・考察はこちらから!】