この音とまれ!13話(1クール最終回) 感想&考察&評価!第2クールが楽しみになる最高の結末!
第13話「久遠」
ー俺はもう1人じゃない。俺のこと信じてくれた音が、ちゃんとそこにある!(愛)
Bパートでぼろ泣きしてしまった…。全員で観客を動かす演奏、愛のかっこよさ。ここから3か月待たせるって拷問か何かですか?
というわけで、この音とまれ!第13話(1クール最終回)「久遠」の感想と考察になります。1クール全体を通したネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
この音とまれ 13話のあらすじ・ネタバレ
箏を倒しかけて自分を責める妃呂に、武蔵は「楽しく弾こう」と伝えます。手の怪我を隠そうとする愛に滝浪はお前がいなくても演奏になる、と出場禁止を言い渡します。
愛は「あいつらと弾くのが楽しいんだ!」と言い、その場を後にします。武蔵は2人のやり取りを聞いていて、滝浪から今後の判断の全てを委ねられます。
通し練習は手が持たないと判断した愛は、練習に参加しません。腹痛と言い訳をした愛は本番直前に登場し、怪我を知る武蔵は「今までで一番の演奏にしよう」と伝えます。
会場に姫坂や明陵、永大も登場し、時瀬高校の演奏が始まります。さとわの音色に観客は”風”を感じますが、掛け合いで愛がミスをし、音がどんどんずれていきます。
ミスが伝染し、焦ることで更に”汚い音”へと変貌します。さとわの十七絃までぶれてしまいますが、光太の音が皆を”いつもの演奏”に誘います。
もう妨げるものは何もない。痛みを押し切り、2度目の掛け合いを見事成功させ、武蔵・愛のソロに入ります。愛のあまりに優しい音に観客、滝浪もが驚きます。
愛から繋がった想いを、さとわは最高の演奏で返します。ようやく本調子になった時瀬の演奏は再び”風”を起こし、聴く者の心を揺さぶるのでしたー。
以上です。
13話の感想と考察
何回見ても演奏シーンが素晴らしすぎます。時瀬のピンチを救ったのが、これまでで一番足を引っ張っていた光太っていうのがもう良すぎて…。
正論で殴りつけた”暴力”と愛の反応
怪我をした愛に対する滝浪の発言がTHE・正論マンでした。
滝浪の発言もある種の「暴力」です。言っていることは何も間違っていないし、教育者として見ればむしろ生徒の出場を止める判断は正しいといえます。
その暴力に対して、愛ができる反抗はやっぱり態度で示すこと。トイレの壁を叩きつける姿は、彼の口下手っぷりが見て取れる演出になっていました。
ただ、このシーンでは愛は壁を殴っていますが、その後1人になった愛は壁を殴るのではなく蹴っています。
物に当たるのに使う部位が手から足になっていることで、やっぱり愛は手を相当痛めているんだな…と感じ取れるようになっていますね。
そして、武蔵が滝浪と話すシーン。滝浪は武蔵に「めんどくせぇし」と言います。ここで滝浪は目を斜めの方向に向けます。
これは本心ではないことを言う人間の行動です。
9話で目を背ける武蔵に対して、滝浪から「俺からは目を逸らすのか」という発言がありました。今度は武蔵と滝浪の立ち位置が逆になっているのがとても面白いです。
飲まれる一同と心情描写すら無かった愛の”違い”
演奏の舞台に向かう筝曲部メンバーの反応は様々でした。
武蔵は全校の前で龍星群を披露したときの雰囲気と比較します。これが初めての人前の演奏である妃呂は、緊張から観客席を見ることすらできません。
そして、さとわは「あの日(指定曲では無い曲を演奏した日)」を思い出しています。
あの頃は1人ぼっちだったさとわにとって、自分を含めた7人でステージに立つ今回の経験はどのように映ったのでしょうか。
実康・光太・通孝も緊張してステージに上がる場面が描かれていますが、愛だけは心情描写が一切なく、次の場面では自分が演奏する場所に座っています。
あえて愛の心情を描かないことで、手の痛みからそれどころではないという状況を間接的に描いていました。
それぞれのキャラクターが、舞台に立って胸に秘める内容が少しづつ異なっていたのが面白い演出でしたね!
自分の使命を忘れかけた筝曲部、愛の願い
精神的な「柱」である愛の音がずれ、演奏の「柱」であるさとわの音がぶれたことで、時瀬の演奏は徐々に泥沼化していきます。
滝浪は「心ここにあらず」と評していますが、この場面では「7人で弾いている」という事実を光太以外の全員が忘れてしまっています。
武蔵:愛の演奏を無理にでも止めなかった自分を責める
さとわ:桜介のようにメンバーを引っ張ることのできない自分を責める
愛:「自分勝手」な自分を責める
全員が全員、矢印が自分に向かっているような状態です。全員で弾いてはいるのに、まるで1人で弾いているような絶望感。
1人ずつ映るカットを多用し、素人目にも分かるぐちゃぐちゃにずれたメロディを流すことで感じ取れる「負のスパイラル」感は凄まじいものがありました。
観客や審査員が耳にしているのは「今ここで聞こえる音」だけです。そのことを十分に把握しているからこそ、愛のこの叫びにはぐっときます。
愛(ホントはみんなもっと弾けんだよ!鳳月なんて全然こんなもんじゃねえんだ!)
自分を責めるくせに、「みんな」の音を聞いてほしいと願う愛の心の叫び。自分がさとわの音を濁らせていると責め、それでもさとわの音を聴いてほしいという願い。
改めて久遠愛のかっこよさを実感しました。自分はここで泣いてしまいましたね…
補い合うことで起こった「風」
10話で光太は「俺のこと諦めないでほしい」と伝えました。その言葉を実現するかのように、光太の音1つでいつもの演奏を取り戻します。
演奏の序盤は1人1人が自分を責める”1人ぼっちの演奏”だったのに対して、光太が作った道に沿って行くように、1人1人が「みんなのいる方向」に走っていくシーンがたまらなく最高でした…!
光太が作って、実康・通孝・妃呂が繋いだタスキを武蔵と愛はモノにします。「音が来る」と信じ切った演奏は、互いを信頼しているが故のものです。
呼応するように、さとわも「全力で弾けよ」という愛の言葉を思い出します。
光太の音色1つで、それぞれのメンバーがこれまでの練習で得たものや、言われた言葉を思い出していき、7人に戻っていく過程が見ていて非常に心地よいです。
観客が時瀬の演奏で「風」を感じた場面は2回ありました。1回目はさとわのソロのシーン。2回目は立ち直った後の演奏シーンです。
もちろん本当に風が起こっている…わけではなく、”聴く者の心を揺さぶる演奏”が風と表現されています。明陵も、姫坂も、永大も、そして滝浪も心を揺さぶられます。
さとわ1人では弱かった「風」は7人で起こすことで、よりいっそう強い「風」になって人々の心に届きます。
弾き終わる直前のメンバーの表情は皆晴れやかで、誰よりも箏の演奏を楽しんでいることが伝わってきました。
この音とまれ!1クール目の感想・評価・レビュー
もう何も言うことはありません。文句なしに今期のナンバーワンアニメでした。逆転があるとすれば「ハチナイ」ですが…。
全校演奏の際には細部まで聞かせなかった筝曲部の音色を最後には「これでもか!」というぐらい聞かせてくれましたし、本当にケチのつけようがありません。
1人ずつ自分の過去に向き合うのも良かったですし、自分1人だけでなく他の部員の発言や行動をきっかけに立ち直っていく姿は見ていて気持ちのいいものでした。
どこまでも心情描写が丁寧で、見るたびに好きになる、そんな作品です。
ストーリーの良さは折り紙付きですが、描写・演出も見逃せない作品でした。特に印象的なのは5話の「飛び出す龍」の演出ですね。
第2クールは10月から始まります。今回の大会の結果発表から始まると思われます。更なる時瀬高校筝曲部の成長に期待していきましょう!
アニメ「この音とまれ!」13話(1クール最終回)の感想まとめと2クール・第14話に向けて
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というわけで、この音とまれ!13話の感想・考察記事でした。
最終回が終わった物寂しさよりも、素晴らしい作品を見られたことの高揚感の方が強い作品でした。
原作作者のアミューさん、アニメスタッフの皆さん。素敵な作品をありがとうございました!
10月からの第2クールも楽しみにしています!
また、ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。第2クールでも同様に更新予定なので、また訪問して頂ければと思います!
また、今期は他にも「ハチナイ」「仙狐さん」「フェアリーゴーン」の記事も更新しています。こちらも合わせてチェックして見てください。
来期のおすすめアニメはこちらからチェック!「グランベルム」「荒ぶる季節の乙女どもよ。」など見逃せないアニメが来期も盛りだくさんです。
それでは、この辺で。また第2クールの感想記事でお会いしましょう!
【追記:14話の感想記事はこちらから!】