この音とまれ!11話 感想&考察!時瀬・明陵の対比とさとわの前の”壁”
第11話「探してた音」
ーま、まあ…じゃあ今度なんか奢ってよね!(妃呂)
明陵の演奏と桜介の回想がすっげぇ…。「相手」の描写にも一切手を抜かないから、この作品は面白いんだなぁ…と再実感したエピソードでした。
というわけで、この音とまれ!第11話「探してた音」の感想と考察になります。11話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
この音とまれ!11話のあらすじ・ネタバレ
相変わらず2人の合奏が上手くいかない愛・武蔵は滝浪の「相手を信じろ」という適当なアドバイスで上達します。さとわは久遠の曲想を皆に尋ね、光太は”願い”というフレーズから「ずっとこの時間が続けばいいと思う」と伝えます。
合宿最後の合奏は光太もミスせず、ノーミスでクリアします。合宿後も練習を止めない部員たち。さとわは先ほどの光太の言葉を思い出します。
関東大会の演奏順も決まり、練習を重ねます。そして、予選本番。会場で明陵や姫坂と再会し、明陵の桜介は「後が全部霞むぐらいの演奏をする」と言います。
明陵は四季を描く「百花譜」を演奏します。桜介は身体が弱かったことから周囲から孤立し、引っ越してきた朝乃に箏を勧められ”居場所”を見つけた過去がありました。
しかし、桜介と一緒にいた朝乃は嫌がらせを受けます。こうして桜介は徹底的に人を観察し、相手と対等に向き合う力を身に付けます。彼の演奏は合奏を”引っ張る”力がありました。
「もう1人になりたくない」と願う桜介率いる明陵の演奏に、時瀬の7人は圧倒されます。愛はさとわの演奏を聞いたときのような衝撃を受けるのでした。
以上です。
11話の感想と考察
冒頭にもちらっと書いたように、特にBパートが迫力満点の回でした。1クールも残り2話、どのように締めるのかが非常に気になるポイントです。
「一方通行」と「対面通行」の対比、それでも…
Aパートは武蔵たちの姿が描かれ、Bパートでは明陵の桜介の過去が中心に描かれました。
両者が非常に分かりやすく対比されていたのが印象的でしたね。
時瀬のメンバー:愛が武蔵を、武蔵が愛を信じて合奏を成功させたように、「対面通行」でのコミュニケーションが図られ、合奏として完成した。
明陵のメンバー:桜介の強い”執念””願い”が他のメンバーを引っ張る、ある意味「一方通行」な合奏が繰り広げられた。
桜介の過去を引き立たせるために、あえてAパートの愛と武蔵が合奏を成功させる過程を描いていたのでは…と思うぐらいの演出です。
ただ「一方通行」というフレーズは使ったものの、決して桜介が1人よがりの演奏をしているということではありません。むしろ、自分の過去を踏まえ”これしかない”という立ち位置に立った上での演奏です。
言うなれば単なる「演奏スタイルの違い」が描写されているだけに過ぎません。
どちらが良くて、どちらが悪いとは言えないからこそ、時瀬にも明陵にも負けてほしくないーと思いたくなるような演奏でした。
11話ではあえて、武蔵たちの合奏のすべてを描くことはしませんでした。本番でどのような音を聞くことができるのか、非常に楽しみです。
引っ張られた手から引っ張る手への変貌
11話の中で印象的だったのは、やっぱり桜介の過去です。
回想に出てきた桜介は、朝乃に手を引っ張られていた存在でした。「朝乃先輩」というフレーズが出ていたことから朝乃は桜介よりも年上です。
身体が弱かったことから、周囲から孤立していた桜介を救ったのは間違いなく朝乃です。それはよく見る「年上」と「年下」の関係に近いものを感じます。
それが今では、周囲の人間の誰もが認めるように、桜介が明陵のメンバーの中心に立っています。桜介が朝乃だけではなく、全員を引っ張る存在に変わっています。
動き出せずにいた彼が、全員を引っ張るまでにどれほどの努力をしたのかは、想像することすらできません。
その努力の壮絶さの一部は、愛に全国大会の結果を聞かれた際に一瞬浮かべた曇った表情から伺うことができます。
幼馴染に「引っ張られる」存在から、幼馴染だけでなく、部員全員を「引っ張る」存在に変わった桜介。これが9話で彼の言った”本当の合奏”だったのでしょう。
こういった経緯も、上で書いたように明稜を応援したくなる要素の1つです。
さとわに初めて”課せられた使命”
「相手にうまく教えられない」という内容以外では、さとわが初めて壁にぶつかった場面が描かれました。
明陵の中心となり全員を引っ張る桜介に対して感じたさとわの”焦り”。
愛が「こいつ(さとわ)」に追いつけばいい」という発言が物語るように、時瀬にとっての中心は、どうしたって鳳月さとわという存在です。
桜介の演奏を聞き、自分にも同じように部員の中心に立ち、引っ張ることができるのだろうか?と不安になるさとわの姿は新鮮味がありましたね。
「歌わせる」という自分ができなかったことを平然とやってのける桜介。
それでも、時瀬の良さは「一方通行」のカリスマがいることではなく、「対面通行」できる7人が集まっていることにあるはずです。
さとわが中心になりつつも、真の意味で全員で演奏する合奏にたどり着いたとき、明陵や姫坂をも超える音楽になるのではないでしょうか。
変わりゆく部員間の関係と滝浪の”本音”
合宿という一大イベントを乗り越えたからか、少しづつ各キャラの関係性が変わってきたように感じます。
その最たるものは武蔵と妃呂の2人ですね…!武蔵が正直に妃呂に「ありがとう」と伝え、さりげなく妃呂が「今度何かおごって」というシーンが好きすぎる。
愛もハプニング的にさとわと抱き付くことになったし、ラブコメの波動しか感じないぜ…!
合宿が終わってもまだまだ練習を続ける一同を見て、滝浪は1人部屋を出ます。
その際、彼は「もうこれ以上、お前らの青春の光浴びんの無理」と言い、その場を後にします。
憎まれ口のように聞こえる発言ではありますが、これは滝浪にとっての”本音”だったんじゃないかな…と思ったり。
1つの物に思いっきりぶつかる高校生の姿を見て、ぽろっと本音が出てしまったのではないでしょうか。
少なくとも、滝浪自身も嬉しそう(楽しそう)にしているのは、部室を出ていく際の彼の表情を見れば分かります。
アニメ「この音とまれ!」11話感想まとめと12話に向けて
【Amazon.co.jp限定】この音とまれ! Vol.1(オリジナル・デカジャケ付き) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2019/06/26
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
というわけで、この音とまれ!第11話の感想・考察記事でした。
結束力が高まったと思えば、次はそう簡単には越えられない壁の登場。明陵に対し、愛たちが奏でる音がどのようなものになるのか、期待しかありません。
次回第12話は「ライバル」です。それでは、この辺で。
【追記:12話の感想・考察はこちらから!】