【感想】プラスティック・メモリーズ 最終回に望んでいたこと
皆さん、こんにちは。ゆっちーです。
さて、このブログでほぼ毎回感想記事や考察記事を書いてきた「プラスティック・メモリーズ(プラメモ)」が最終回を迎えました。
個人的には「うーん…」という最終回でしたね…。
奇跡も魔法も、ないんだよといったところでしょうか。
というわけで、今日の記事では「プラメモ」の感想のまとめを書いていこうと思います。
一応、直前2つの考察記事です。
最終回は淡々と別れを描く
最終回は完全にツカサとアイラにスポットを当てて、「別れ」を描いていました。
大方の予想通り、最後のデート場所は遊園地でした。
ここでシーンとして描かれていて、印象的だったのは”笑顔のアイラと空元気のツカサ”です。アイラは自分の死を受け入れているのに対して、ツカサはまだアイラの死を受け入れられていないのか、空元気でアイラに接している場面が多く見られました。
観覧車内でのやり取り
そのまま、閉演時間を迎え、2人は観覧車に向かいます。観覧車の中でアイラとツカサは会話をしますが、ツカサは「そう…だね」しか言いません。言いませんというか、言えません、ですね…。
その後、観覧車でツカサとアイラは「互いの好きなところ」を言い合うんですが、ここの演出はすごくよかったですね。アイラはツカサの”いいところ”をあげていくのに対して、ツカサは一見するとアイラを貶してるような点ばかり(例えば「背が低い」「よく転ぶ」などなど…)をあげていきます。
でも、ツカサがここで挙げている点は紛れもなくアイラの中の好きなポイントなんですよね。こんな条件を兼ねそろえた、自分が好きになったアイラと言う人物は目の前にいるアイラしかいない…こうアイラに伝えている気がします。
直前にアイラがツカサに「ツカサにも何年かしたら新しい恋人ができるのかな」と言っていたことも影響している気がします。
最期の観覧車
そして、「最後の場所はここがいいので」とアイラはツカサに指輪を渡します。
これを見て号泣するツカサ。実は、ここまでツカサはアイラの前では気丈に振る舞い。アイラがツカサの泣き顔を見たのは初めてでした。
ツカサはアイラの中指に指輪をして、こう言います。
ツカサ「大切な人といつか巡り合えますように」
アイラ「…うん」
このシーンはぐっときました。普段アイラが回収するギフティアに言ってあげていた言葉をツカサがアイラに言ったわけですからね。
そのまま2人は静かにキスをします。想い出がいっぱい詰まったこの遊園地、それも観覧車の中でー。
カヅキの言葉とアイラの手紙
観覧車から出ると、カヅキがいました。すでにアイラは眠りについてしまっています。アイラを抱きかかえたツカサを見てカヅキはこう言います。
カヅキ「…最後までよくがんばったな」
この発言にはどういう意味が込められているんでしょうか。まずはアイラに対して、一生懸命生を全うしたことへの発言。そしてツカサには、アイラを最後まで見守ったことへの感謝の意味でしょう。カヅキは1回ツカサに「アイラとパートナーを解消するかどうか」を聞いています。その際、ツカサは「最後までアイラのパートナーは自分だ」と言っていました。
さらに、カヅキは自分はアイラを途中で「見捨てて」います(こういうと語弊がありますが、パートナー解消をしているのは事実です)。自分とは違うツカサの姿に、思わずこう言った言葉が出たのかなぁと考えています。
アイラが生前残した最後の手紙です。
【これを読んでいる頃には私はもう眠りについている頃かな。私はね、ターミナルサービスは思い出を引き裂くのが仕事で決して報われない、感謝される資格もないんだって思ってた。それなのに私にありがとうって言ってくれる人が結構いて不思議だったんだけど…いざ自分が最後を迎えることになった時にようやく分かった気がする。だって第一ターミナルサービスの皆は泣きたくなるくらい優しくて、素敵な人たちなので。一生懸命私に向き合ってくれるので、自然に感謝の言葉が出ちゃうの。そんな皆と一緒にここで働けてよかった。ターミナルサービスで仕事をできたことを誇りに思います。カヅキ、あなたと6年間組めたことも私にとっても大切な思い出だよ。ツカサ、最後にあなたと会えてよかった。ありがとう。】
Cパートで1話に戻る
最後のCパートのセリフや風景は1話の物とつながっています。でも、アイラはいないですが…。
研修から帰ったツカサが新しいギフティアとパートナーになっておしまいです。
この作品に個人的に求めていたこと
ここからは、個人的にプラメモで描いてほしかった部分について書いていきます。あくまで、一個人の意見です。
ツカサの成長が描かれていない
ツカサは1話でおばあちゃんに対してキャッシュバックの話やOSを入れ替える話などをして、おばあちゃんを怒らせています。それ以外にも他人の事情を聞いたりと、あまり周りの人に配慮できていない場面が見られました。
プラメモの主題として、「アイラとツカサの別れ」という点に焦点を当てているのは分かります。しかし、もう一つのポイントとして「アイラとツカサの成長」にも光をあてるべきだと思います。
アイラの成長はしっかり描かれています。最初は「想い出」から距離を置いて、表情にも笑顔がなかったアイラですが、最終回に向かうにつれ様々な表情を見せ、納得して生を終えています。
では、ツカサはどうなんでしょう。アイラを気遣うツカサは描写されていましたが、それ以外の点であまり成長が見られなかった気がします。
例えば、アンディの回収の仕方にツカサは疑問をもっていましたが、ツカサはアンディの前で回収法に違を唱えることはありませんでした。
表現は難しいかもしれないですが、ツカサが明確に成長した場面をしっかり映し出して欲しかったですね。研修には行ったようですが、その結果どうなったのかまで書いているとより良かったと思います。
どっちつかずの結末
一番最後にツカサは新しいパートナーと握手をして終了しました。ああいう書き方ならCパートは丸々いらなかったんじゃないかなぁ…というのが僕の感想です。
もし新しいパートナーにアイラの面影があるんだったら工夫することはできたと思います。
例えば、握手をした時の手です。アイラの手は爪がきれいなピンク色をしていました。しかし、最後にツカサが握手をした手はアイラのものより白く、爪の部分にも特に工夫がされていません。
ということは、最後のツカサのパートナーはアイラとは全くの別人である可能性が高いですが、それならやっぱりこのシーンはいらなかったかなぁって思います。
「視聴者の皆さんのご想像にお任せします」エンドは多くありますが、正直プラメモの終わり方ではあまり感慨深くもならないというか…。
ワンダラー、闇回収屋の必要性
4,5話を使って描いたワンダラー絡みのお話。これは多くの方が感じていると思いますが、ここまで深く描く必要があったのか…と思います。
あの2話の作品に及ぼした効果は「ツカサとアイラにワンダラーの恐ろしさを知らしめて、最終回でツカサ達の暴走エンドの可能性を無くさせる」というものでしょうか。
でも、そうだとしたら少なくとも闇回収屋のくだりは要らなかったですよね。結局彼らの目的は不透明なままお話は終わってしまいました。彼らが、どうしてギフティアの回収時期を把握できたのか、という点についても触れられていません。
闇回収屋の話が上手くラストで絡んでくるかなと期待していたんですけどね…。
結局ソウタの出番もあの話っきりになってしまいました。うーん。
他にも明かされていない不自然な点の数々
課長の「ノルマ未達成」と「5倍の費用」
かなり昔の考察で、ターミナルビルの費用は”ギフティア再生”の為に使われているのでは?との考察をしました。
しかし、そんなことはなかったようです(笑)
でも、いくら回収対象に寄り添うからと言って5倍ものお金はかかりますかね…。ただ、課長が無能だったということでしょうか…w
EDでのアイラの口パク
これについてはしっかり明かしてほしかった。ここを「視聴者お任せ」はいけないでしょう…。
多分「ありがとう」的な事を呟いているんだろうな、との想像はつきますが、ここについては多くの方が考察していた点だと思うので、何らかの形でなんといっているのか明確にしてほしかったですね。
公式サイトの植木鉢の意味
ここもストーリーに関わってくるのかな、と思いましたが、特に言及されず最終回を終えてしまいました。
とあるアニメ考察ブロガーの方が、OP考察記事のコメントで
植木鉢についてですが、アイラが外の花壇を一生懸命世話をしていませんでしたか?アイラの没後にツカサが引き継いで育てることを暗示しているのかなーと個人的には思いました。
と書いてくれていましたが、恐らくこういうだと思います。これも何らかの形で最終回に出してほしかったな、というのが感想です。
まとめの感想
というわけで、長らく感想と考察を書いてきたプラスティック・メモリ―ズも最終回を迎えてしまいました。
色々書いてきましたが、いいアニメだったとは思います。
最近のアニメで言うと「天体のメソッド」を思い出すようなアニメでした。ノエルとアイラも少しはかぶってるしね。
では、この辺で失礼します。これまで感想記事&考察記事を読んでくれた皆さん、本当にありがとうございました!!