LOST SONG 10話 感想&考察!一貫した演出と対比表現に驚き!
第10話「覚悟の歌」
ー絶対に、絶対に…。お前を守ってやるからな…。(タルジア)
衝撃的だったのは、ヘンリーがフィーニスを一切知らなかった、ということ…。でも、そう考えると辻褄が合わない部分もあって…?
というわけで、LOST SONG(ロストソング)第10話「覚悟の歌」の感想と考察を書いていきます。10話までのネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!
10話の簡単なあらすじ
やはり、フィーニスの癒しの歌から誕生したリンを拾ったのはホークレイでした。当時のホークレイはバズラがフィーニスの歌を兵器として使うことに反対し、バズラと争っていました。バズラとの戦いの中でホークレイは片腕を失いますが…。幼少のリンの癒しの歌によって腕が再生します。
場面は現代。ヘンリーはフィーニスの事を知りませんでした。バズラと争いますが、歌の力を持つボーガン相手に手も足も出ません。飛ばされたヘンリーはフィーニスの記憶を見て苦しむリンと会います。リンはフィーニスが「助けて…」と伝え続けようとしていることに気が付きました。
リン、ヘンリーの元にバズラとポニーたちも駆けつけます。リンがフィーニスの声を聞き、ヘンリーが6万年前の剣に触れることで、レオボルト家の剣が再び光り輝き、灰が晴れます。
しかし、バズラは反響装置を使い圧倒的優位に立ちます。バズラはリンを人質に取り、リンの腕を斬り落とそうと剣をふるいますが…。そこに、星弾を持ったアルが駆けつけ、九死に一生を得ます。
大量の星弾のお陰で、一同も逃げ切ることに成功します。リンはフィーニスに向かい、「必ず助けるから!」と叫びます。その声はフィーニスにも届いたようで…。一同の向かう先はドクターヴァイゼンの研究所です。
以上です。
10話の考察と感想
期待値が高すぎたからか、驚きの展開が少なかったのが残念です(そのため、今回は感想・描写で唸らされた場面の解説が主となっています)。
用語等は過去の記事の物を踏襲し記事を書きますので、下のリンクから過去記事もお読みいただければと思います(間違っていた考察も多々ありますが、あしからず)
9話までの流れを再整理すると、
〇1話~7話のフィーニスは太古の時代を描いたもの。
〇リンは現代の時代を生きる。
〇フィーニス、終滅の歌を歌い太古終了&フィーニス永遠に死ねない呪いにかかる。
〇「元のヘンリー」に会えないことにフィーニス絶望、いっそこの世を滅ぼそうとあらゆる時代で星歌祭の噂を広め(1人で歌うだけでは世界を滅ぼすことは不可能)、リンの時代に合流
〇絶望したフィーニスは癒しの歌を捨てる。捨てた癒しの歌から生まれたのがリン←イマココ
といったところです。
…フィーニスの口パク考察も内容がまるっきり外れてしまい、残念。
リンの歌を決して武器としては使わない演出に脱帽
感想に近いですが、まずはここから。10話でリンがバズラをビンタした際
うはっwwそんなことする暇あったら歌って吹き飛ばせよwww
…と思った視聴者の方も多いのではないでしょうか?
まーたガバガバ脚本が火を噴いてしまったのか…と思ったかもしれませんが、実はこの描写には1話からの一貫性があります。
それは
リンの歌は決して人を傷つけるためには使われていない
ということです。闇落ちしたフィーニス(闇落ちする前からも戦争に使われていましたが)とは対照的に、リンは自分たちがどんな危険な状況にあっても歌の力を人を傷つける用途では使用していません。
5話で王都軍に囲まれた際も、リンは歌の力で敵や壁を吹き飛ばすのではなく、馬車を飛ばしました。あの当時は「なんて展開だ…」と思ったことを記憶していますが、ここまで見て
リンは光、フィーニスは闇(≒同一人物の「光」と「闇」)
という住み分けがなされています。そのため、リンは自らが危険になろうとも歌を武器としては使用しないのです。1つの描写で「5話のあのシーンにはこんな意味があったのか!」と思い出させてくれるのですからさすがです。
アルとヴァイゼンの対比もお見事!…雨は偶然か必然か
続いて印象に残っている描写が、リンを救いに来たアル。これは、リンの祖父であるタルジアの「腕」が無くなろうとしているときに、ヴァイゼンが救いに来たことと見事に対比になっています。いやー、こういうのいいなぁ。
どちらも「腕」を「バズラ」によって奪われようとしたタイミングで、「科学者」が登場し、危機を救っています。
アルもここしかない!というタイミングで登場しましたね(飛んでいる姿はシュール、ゲフンゲフン)。監督さん、演出さんがここまで見越してアルをいったん退場させたのか、と考えると改めてすごいなぁと感じます。
そういえば。バズラによって、タルジアの腕が燃やされた際に雨が降りましたが…。あの雨は誰が降らせたものなのでしょうか。恐らくあの雨が無ければ、タルジアの火傷は腕だけには留まらなかったでしょう。
雨が降った理由をいくつか挙げてみます。
①偶然…身もふたもない。
②背後にいたフィーニスが降らせた雨…フィーニスもまだ人としての心を持っていることになります。ハッピーエンドへの布石?
③リンが無意識で降らせた雨…9話の考察で書いた「歌の力で過去へ干渉できる」ことが理由?
個人的には、フィーニスが降らせた雨だと考えています。そうでなければ、決闘シーンの背後にフィーニスを登場させた意味がありません。
「助けて」という発言もですが、
心の奥深くではかつての優しい心をフィーニスは持っている
という隠れテーマが10話の題材なのかしれません。
ヘンリーがフィーニスを知らないことの矛盾
10話の冒頭から、いきなり9話の僕の考察をへし折ってきました(笑)
残念ながら、現代のヘンリーはフィーニスの事を知らず、それによってまたフィーニスが更なる絶望へ落ちるという悪循環…。
しかし、ヘンリーがフィーニスのことをまったく知らないとなると少しおかしな部分もあります。ヘンリーがフィーニスの姿を見て、即座にその女性をフィーニスと判断できたことですね。
9話で再確認されたように、王都軍はフィーニスの姿を誰も知りません。わざわざ「初めてお会いする」なんてセリフも不自然な気がします。インタビューの「いつの間にかいなくなっていた=ヘンリー転生説」を諦めていないため、何らかの理由でバズラの前ではフィーニスを知らない設定にした…ということにしておきましょう(笑)
もし本当にヘンリーが過去のフィーニスのことを知らないとすれば、たとえラストでヘンリーとフィーニスが結ばれることになっても釈然としないです。いきなりヘンリーが6万年以上も苦しんだフィーニスとくっつくのは…ねぇ?
太古の
レオボルト家の剣を握ったあのタイミングで過去のフィーニスの記憶もヘンリーに流れ込んだ
…など過去のフィーニスを知る「何か」がほしいです。
全員が救われる道はあるのか?隕石の衝突を防ぐ手立ては?
ラストの展開をいろいろ考えてみましたが…
これどうやっても絶望エンドしか待ってなくね…?
星歌祭でフィーニスが歌おうが歌うまいが、天文学者ヘンリィによると隕石はリンたちの住むエテルジオイドに衝突します。つまり、フィーニスに歌を歌わせないだけでは、エテルジオイドの滅亡を防ぐことは出来ません。
どのようにこの作品を締めるのか考えてみましょう。
終滅の歌で隕石自体を破壊する
隕石自体を無くせば隕石衝突することもありません。一番現実的な解決方法はこれでしょうか。というか、これぐらいしか考えられない…。
隕石だけに狙いを定めて終滅の歌の力を浴びせることなんてできるのか?
いいんです、これは「LOST SONG」というアニメなので!(笑)
癒しの歌と終滅の歌を同時に歌うことで”何か”が起きる
TwitterでOPの図形譜を読み解き、「癒しの歌」「終滅の歌」と記載されていることを突き止めている方がいらっしゃいました。すごすぎる。
さて、1つの図形譜に2つの歌名が両方記載されているとすれば…。光=リン、闇=フィーニスであるのと同様、2つの歌も表裏一体の関係になっている可能性があります。
光と闇がいつかは1つになるように
癒しの歌と終滅の歌を同時に歌うとこれまでにない”何か”が起きる
というのは自然な流れです(それが過去干渉の可能性もある)。その”何か”の正体を考察するのは困難なため、ここでは行いませんがエテルジオイドを救う一手になるのかもしれません。
歌の力で過去干渉し、全員で6万年前に戻る
こちらは、反響装置が登場してから僕が考察し続けている内容です。「歌の力で過去の者に干渉できる」ことは9話でインタビューをリンが行っていたことから判明している事実です。
うまく過去の事実を変えたり、場合によっては全員で過去に飛ぶことができれば隕石の衝突という惨状はひとまず回避できます。ハッピーエンドとは言えませんが…。
最後には歌の力が消えるから「LOST SONG」?
「LOST SONG」というタイトルにはフィーニスが失った癒しの歌=リン=LOST SONGという意味合いがあります。
加えて、最終回では
歌の力そのものが世界から失われるから「LOST SONG」というタイトルが付けられている
ように思います。結局歌の力が存在していれば、悪用する輩がまた出てきてしまうので…。
リンが語る「助けるから!」という発言には、「自分がフィーニスの元へ戻るから!」というリンの覚悟が感じられます。リンの消滅は避けられないのかなぁ…。
願わくば、リンが消え最終回のCパートを迎えたタイミングで、転生した「人間としての」リンとフィーニスが出会う、ぐらいの救いは欲しいですね。ベタベタな展開だけど、少しは我々の心も洗われそうです。
LOST SONG10話感想まとめと11話の予告・あらすじ
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というわけで、LOST SONG(ロストソング)第10話の感想と考察記事でした。思った以上に考察要素が少なく、感想や自分が唸らされた描写の解説が中心になってしまいました。
例により、11話のあらすじが公式HPにて公開されているので紹介しておきます。
第11話「無響の歌」
この星の運命を決する星歌祭が近づく。野望に燃えるバズラはフィーニスを従え、飛空船にて王都へ戻った。再びヴァイゼンの研究所に集まったリン、アル、ポニー、アリュー、モニカ、レオボルトたちは、灰の街でリンが知ったフィーニスの恐ろしい目的と計画を聞く。
絶望的な未来を前に、一人一人が自分の想いを明確にし、愛する人を守りたい強い意志を示す。図形譜に仕組まれたものがなんであれ、すべては明日決するだろう。天空の獅子団は王都を目指し、大空へ飛び立った。
何かあまり話が進まないような気がするあらすじですね…。残り2話ですが、最後の最後で駆け足になり作品を破壊することは避けてほしい。
それでは、この辺で。
【追記】11話の感想と考察記事を書きました!