LOST SONG 9話感想&考察!リンの正体と歌の更なる力とは?
第9話「郷愁の歌」
ー俺たちの頭だあああああああ!!!(王都軍一同)
更に謎が解け、あとはゴールまでの道のりを整えるばかりでしょうか。いや、まだ明かされていない謎も…。特殊EDがフィーニスの心情を表しているようで辛い。
というわけで、LOST SONG(ロストソング)第9話「郷愁の歌」の感想と考察を書いていきます。9話までのネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!
9話の簡単なあらすじ
フィーニスとバズラは交換条件を結んでいました。フィーニスの歌を戦争に使う代わりに、星歌祭で宮廷楽団を付け、フィーニスに歌わせること。星歌祭への強いこだわりを持つフィーニスをバズラは不審がります。
一方、リンたちは王都軍がフィーニスの顔を知らないことを利用し、モニカをフィーニスに仕立て、歌奏兵器を奪取し、フィーニスを救う作戦を企てます。
反響装置をうまく使うことで、兵士を欺き、モニカは兵器の中に入ります。兵士に正体がばれ、危機に陥りますが、睡眠状態のモニカが兵器を暴れさせます。
太古の剣に触れたリンはフィーニスの生涯を目にします。終わらない苦しみの中で、フィーニスは敵軍に追われるバズラと出会いました。
フィーニスにとって、癒しの歌は希望でありヘンリーへの想いです。それがある限り、終滅の歌は歌えません。だから、フィーニスは癒しの歌を捨てました。そして、彼女はバズラと交換条件を結びます。ここまでがリンが見たフィーニスの過去です。
フィーニスが捨てた「最後の癒しの歌」と彼女の涙により、空から赤子が降ってきます。その赤ちゃんを拾ったのは…。
一方、歌奏兵器が倒れ絶体絶命のポニーたち。万事休す…と思いきや、現れたのは「俺たちの頭だあ!」の兵士たちとヘンリー。さあ、ヘンリーvsバズラの最終決戦です。
以上です。
9話の考察と感想
多くの考察要素が新しく出てきたわけではありませんでした。ちなみに、8話の感想記事で考察した、「インタビュー者」の正体は、まさかのリンでした。絶対ヘンリーだと思ったんだけどなぁ…。
ちなみに、7話・8話の考察を前提に9話の記事を書いていくので、7話・8話の考察をまだ読んでいない方は、下記のリンクよりどうぞ。
ここまでの流れ(一部自分の考察を含みます)を簡単にまとめると
〇1話~7話のフィーニスは太古の時代を描いたもの。
〇リンは現代の時代を生きる。
〇フィーニス、終滅の歌を歌い太古終了&フィーニス永遠に死ねない呪いにかかる。
〇「元のヘンリー」に会えないことにフィーニス絶望、いっそこの世を滅ぼそうとあらゆる時代で星歌祭の噂を広め(1人で歌うだけでは世界を滅ぼすことは不可能)、リンの時代に合流←イマココ
って感じです。
癒しの歌の最後の効果は、リンの誕生!
作品中、最大の謎であったリンの誕生の秘密。それは、この世に絶望したフィーニスが最期に奏でた希望の歌の具現化(?)でした。
こう考えると、OPはものすごい、とんでもないネタバレなわけで。OPの最後で、リンとフィーニスが歌いながら手を合わせようとして、次に映るシーンでは、フィーニスの姿1人になっています。
これは…王道と言えば王道ですが
光のリンと闇のフィーニスが1つになり、”元の”フィーニスへと戻る
ことを表しているのではないでしょうか。ちくしょう、早くも最終回のネタバレをしやがって!!!←
言い換えれば、リンはフィーニスの心に眠る「希望」の分離といえるかもしれません。なるほど、活発な行動性、旺盛な食欲…。思えば、フィーニスがおいしそうに食事を摂っているシーンはありませんでした。フィーニスに眠る子供らしい、活発な部分が癒しの歌によって具現化され、リンとしてこの世に誕生したのでしょう。
9話でフィーニスはリンに見られていることに気が付いてか「歌が…聞こえた…」と発言しています。つまり、フィーニスにとってリンとは自身の歌に他ならないということですね。実際にリンに出会った際に、フィーニスがリンの姿を感知できるのかは不明ですが…。
また、リンの出生と絡めた今後の展開予測は1つ下の大見出しで再び考察しています。是非このまま読み進めてください!
特殊EDに感じるフィーニスの絶望
9話のは特殊EDが採用されました。これまでは、空浮かぶ星にフィーニスが歌い、ヘンリーとの思い出を頭に描きつつ、最後は泣き崩れるという演出。
9話では、赤い空に歌い、フィーニスが思い描くのは、数十万年の間の絶望したシーンの数々です。そして、最後に映し出されるのは何かを決意したような、絶望に満ちたフィーニスの顔ー。
もちろん、前髪が前分けされていることから、これは現代のフィーニスです。8話でフィーニス視点の絶望を見せ、9話でリン視点でのフィーニスの絶望を描いてからの特殊EDは心にくるものがあります。
また、EDもよく聞くとかなりきつい歌詞で…。
どこで待てば
あの頃の私達に会えますか時の流れは 止められないけれど
呼ばれたいの 呼ばれたいの
もう一度あなたの声で
忘れないから 終わらないこの愛(LOST SONG ED「TEARS ECHO」歌詞)
EDの歌詞は
絶望の中で生きてきたフィーニスの生涯そのもの
です。9話の演出が苦しみ→涙→決意と表情が変わっていくのがまた…。
ヘンリーは未来へ転移した?
8話感想記事で「いつの間にかいなくなっていた」というインタビュー結果から、ヘンリーも命を落とす前に”どこか”へ飛ばされ、フィーニスと同じ時代をどこかで生きてきたのでは、と言う考察を立てました。
しかし、インタビュアーがヘンリーではないとすると、この考察はちょっと弱い気がします。
9話でのヘンリーの様子を見ると、やはりヘンリーはフィーニスのことを気にかけているようにしか思えません。太古のフィーニスの記憶があるようにも思います。
そこで考えられるのが、ヘンリーは火あぶりにされ、
命を落とす間際に「現代」へ転移されたのではないか
ということです。これであれば、現代のヘンリーがフィーニスを気にかけている理由も(記憶があるから)、兵士として生きている理由も(武術が身についている)説明がつきます。
それにしても…。フィーニスは何十万年もの間星歌祭が行われる時代を待っていたというのに、ヘンリーは一瞬で転移したと考えると、皮肉なものですね。
感想:もはやこのガバガバ感が癖になる。
安定の睡眠モニカ。謎の下僕呼ばわり。なんかがちゃがちゃやってるうちに、助かる。
この展開になるまでは、がっかりしていた演出の数々がなんだか懐かしくなってしまいました(笑)実家に帰ってきた感。
今となっては、話の根幹部分をより光らせるために、こういったガバガバ展開を用意しているのでは、と思うまであります。というか思ってます。
煽っているように見えますが、褒め言葉です(笑)
9話までの考察要素と展開予測
9話自体はリン視点で8話までをおさらいするような流れで、フィーニスが捨てた癒しの歌からリンが生まれたという「たった1つの真実」を除いては、新しい考察要素が多く出ていたわけではありませんでした。そこで、8話までで気になる箇所の更なる考察と、9話で見られた演出から歌の更なる力も合わせて考察してみます。
1話アバン:悲しそうな皆の表情の正体
1話アバンの星歌祭の様子。ここでは、全員が何かに憂うような表情を浮かべていたのが、ずっと気がかりでした。
フィーニスの癒しの歌の正体=リンであることが明かされた今、皆がこのような表情を浮かべている理由は1つしか考えられません。
上でも書いたように
星歌祭でリンとフィーニスが元の1つの姿に戻る
からだと思われます。フィーニスはリンと分離したままでいれば、「癒しの歌」を歌うことができず、「闇」の部分だけを抱えて生きていくことになります。
このことを理解したリンがフィーニスの元へ戻ることを決意した演出ではないでしょうか。そして、OPの「2人が1つになる」展開に繋がる、と…。しかし、これはリンが消えることに他なりません。
…考察しましたが、少しありきたりすぎるでしょうか。主人公が消える、というのは決してハッピーエンドではありません。何か工夫を凝らして、自分の考察を上回るラストに期待したいところです。
4話アバン:フィーニスの呟き
続いては、4話のアバン。フィーニスがなんと呟いたかが読み取れなかったシーンです。当初、僕は「もう1人の歌姫」の名を呟いたのでは、と考察しました。しかし、その「もう1人の歌姫」もフィーニス自身だったわけで…。
この呟きはとりあえず5文字。そして、3文字は口を横に広げる必要がある音、5文字目は歯が見えていることから「イ」系列の音であると考えられます。
ここまでのフィーニス置かれていた状況等を考えると
「(星歌祭まで)もう少し…」
というセリフなのかなぁと思いました。ゆっくり読めばフィーニスの口の動きに近づく…気がします。
ただ…。前髪がしっかり映し出されているわけではないので、太古フィーニスか、太古~現代までのフィーニスか、現代のフィーニスなのか特定できないのが辛いところです。ただ、現代に近いフィーニスであれば上記のようなセリフを発しているのではないでしょうか。
歌の力の限界は?~過去への干渉の度合い~
スルーしてしまいそうで、気に留めておきたいのは9話のリンが剣に触れた後の行動です。彼女は、過去のフィーニスの姿を見るだけでなく、周囲の人にインタビューしてフィーニスがどのような生涯を歩んだのかを理解していきます。
つまり、リンの力(≒歌の力)は、
過去の情景の再現力と過去への干渉力も持っている
といえそうです。(ただし、リンが過去のフィーニスを救えなかったことから、過去を改変するほどの干渉力は持たないものだと考えられます)
フィーニスがリンを取り込み、一体となったとき、この「過去への干渉」をうまく使うことができればハッピーエンドに近づくこともできそうですが…。
楽団×モニカ×フィーニス×リンで歌を奏でることで、歌の力を最大限まで強くすることができれば、過去を改変するほどの干渉力を持つことも可能になるかもしれません。
そして、この力が反響装置に含まれていると考えると、やはり反響装置による”過去の再現”は間違いなく可能となりそうです。
大穴で、全員が反響装置の「記憶」の中で暮らしていく、というエンドもありえますが、それだと狂気に満ちたバッドエンド、という印象がぬぐえません。
LOSTSONG(ロストソング)9話感想まとめと10話に向けて
というわけで、LOST SONG(ロストソング)9話の感想と考察でした。前回は複数コメントもいただき、ありがとうございます。「自分はこう思う!」というアイディアがありましたら、ぜひコメントに書いてほしいと思います。返信もさせていただきますよ~。
第10話は「覚悟の歌」です。あらすじも公開されています。リンが捕らえられ、再びバズラとヘンリーの決闘が…?
それでは、この辺で。
歌の力を躊躇なく戦いに使い、自身の権勢欲のみに従う男・バズラ。いまや将軍の座にまで登り詰めたかつての傭兵は、灰の街で歌う女・リンの姿をとらえ、勝利の歓喜に震える。
意識を失った少女の前には、あくまでも彼に立ちふさがる目障りなレオボルトがいるのみだ。若い騎士を片付けるのはたやすいだろう。抜け目なく繰り出されたバズラの一撃だったが…。
ぎりぎりのタイミングでリン楽団と傭兵仲間が駆けつけ、間一髪、絶体絶命の危機は回避された。
【追記】10話の感想記事を書きました!