多田くんは恋をしない 11話 感想&考察!想いを胸に、いざ彼女の元へ。
第11話「特には何も」
ーお前、テレサちゃんのこと…好きだったんだろ?
…じゃなきゃこんな写真撮れないよな。(薫)
中村さんverのED曲といい、OPのフレーズを最後にぶっこんできたり、と想像以上に11話は心に残る展開でした。杉田さんの声も違和感が無かったですね。
というわけで、多田くんは恋をしない(多田恋・ただこい)第11話「特には、何も」の感想と考察を書いていきます。11話までのネタバレがありますので未視聴の方はご注意を!
11話の簡単なあらすじ
突然日本を去ったテレサとアレク。家の中の荷物も全て整理されていました。
それから1か月。普段通り振る舞っていますが、無意識に行動の節々にミスが出ている光良です。好きだった写真も「何となく」撮らなくなってしまいました。その姿は無理やりテレサの話題から自らを避けようとしているようで…。
珈琲店には久しぶりに老夫婦がやってきます。おじいさんがおばあさんに「今までずっと一緒に居られてよかった」と伝えているのを光良は聞きます。
1人、テレサと来たスターツリーを訪れ、大掃除でテレサが撮影していた楽しかったころの写真・動画を見てしまう光良。光良は遠ざけていたテレサという存在を目の前にしてしまい、1人家へと帰ります。
家に戻り、ふさぎ込んでいる光良の元に来たのはやっぱり薫でした。薫に自分がテレサを好きだったことを見透かされ、こう話します。
光良「俺っていっつもそうだ。大切に想ってる人がいなくなる。だけど、いくら考えても仕方ない。答えはもう聞けない…。だから…心の中から全部締め出したんだ。…もう1回でいいからテレサに会いたい。伝えたい言葉があるんだ…!」
現れたじっちゃんに「ラルセンブルクに行け」と言われる光良。(ストーカーの)薫とともに、光良は苦手な飛行機に乗り込みます。
以上です。
11話の考察と感想
ストーリーとしてはザ・王道。1話をかけて光良が自分の気持ちに素直になる過程を描きました。OPもEDも光良の曲だったんだなぁ…。
強がりと感情の崩壊
とにかく目立ったのは光良の強がりの描写。単に「テレサ」の話題になると口を閉じますが、「テレサという存在」を消そうとする際は積極的に口を開くのがもう…。見ていてやるせない気持ちになりました。
例えば、テレサのマネキンを見た際の「もう会わない人間の話をしても仕方がないだろ」や、テレサの名前が書いてるホワイトボードを消す際の「もういらないだろ」など…。
黙って消すことは出来ない光良の心苦しさが上手に描かれています。
でも、こんなことを言っても2つの出来事の間で、光良は1人思い出の地であるスターツリーを訪れているわけで。光良の言い方に棘があるのは、光良自身が語っていた突然テレサたちがいなくなってしまった理不尽さへの憤りに加え、最後に会った際に何も伝えられなかった自分への憤りから来るものでした。
思えば幼少期も、父親に何も伝えずに両親が車で出先へ出発してしまい、結果事故に巻き込まれ命を落としています。光良からすると
いなくなってしまった人たちを最後に留まらせることができたのは自分だった
という思いが子供のころからあり、今回のテレサの一件でその思いがよりこじれてしましました。今回も自分の責任だ、と…。
そんな光良の心を溶かしたのは、やっぱりテレサの笑顔でした。年末大掃除の際にテレサが撮りためた写真や1話で描かれた鬼ごっこの様子が映像で流れ出してきた展開には思わず「すげえ…」と呟いてしまいました。まさに写真部という舞台だからこそできる演出です。
心や言葉ではテレサを遠ざけることはできても、写真や動画として残されている物からテレサという存在を思い出させるー。この演出を僕たちに魅せたいがために、多田恋の舞台が写真部になっているのではないか、と感じたほどでした。
「多田くんが恋をした」のはいつ?
11話のラストではがっつりとテレサに恋をしていた光良ですが、厳密に彼がテレサに恋に落ちたのはいつでしょうか。10話の感想記事では、コンクール用の写真を選んでいる最中に恋を自覚したのでは?と書きましたが、ますますその思いは強くなりました。
11話でも”写真”を存分にストーリーに絡めてきた作品です。改めて10話を見直してみると、もうあのタイミングしかない!という瞬間です。
光良はテレサとれいん坊将軍展に行った日の夜、「今度会ったら…」と思っていたに違いありません。11話を見た後で、10話のテレサ宅の前で髪をセッティングし直している光良を見ると、心苦しい気持ちでいっぱいになります。
でも、11話の様子と見ていると自分の気持ちを完全に理解したのは部室で過去のテレサの映像を見た瞬間だったかもしれないですね。何となくの「好きかも」が「恋」に変わったのは、
決められた期間で目いっぱい楽しもうとしているテレサの美しさを映像で見て理解した
あの瞬間だったのかもしれません。
「全て知ってる」ニャンコビッグの行動
もう1つ11話で印象深いのがニャンコビッグの描き方です。10話までのニャンコビッグは光良相手にはじゃれているだけの猫でしたが、11話では大きく異なっていました。
ニャンコビッグは唯一、テレサが光良にキスをした場面を見ていた存在です。ニャンコビッグだけ(厳密にはアレク・シャルルもですが)はテレサも光良のことが好きであることを知っています。
そのため、ニャンコビッグは光良をジト目で見つめたり、テレサとの思い出のグッズを引っ張り出してきたりと、とにかく光良の心に火を点けるべく奮闘しています。
大塚さんボイスで言えば
おい光良!テレサもお前のことが好きなんだからとっとと行動しろ!
と考えているのでしょうか。ニャンコビッグが登場した際の演出を全て大塚さんボイスにした「ニャンコビッグから見た多田恋全集」なんて作ってくれないかなぁ。
思えば、10話で光良が恋に落ちた(と思われる)タイミングでも、光良の部屋にニャンコビッグは居座っていました。光良・テレサが互いを想うタイミングではいつもニャンコビッグの姿が…。
12話・13話とラルセンブルクでの行動が主となるはずなので、ニャンコビッグが多く登場するのは今回まででしょう。最後まで、彼は光良のことを案じ続けたベスト・マスコットキャラクターです。
OPとEDの歌詞は11話の光良のために。
当ブログの感想記事でも何度かEDの歌詞の考察は扱ってきました。EDはテレサ目線だと書いたこともあれば、いやいやシャルルの立場に立った歌詞だ…など書くたびに言うことが異なっていた気がします(笑)
しかし、11話で明かされたのはOPもEDも「多田くん」の歌だったということ。
テレサが撮影した映像を見る際に流れたのは「いつまでも続いてゆくと 僕はずっと思ってたんだよ」から始まる多田くんボイス(cv:中村さん)のラブソング。薫に告白した「伝えたい言葉がある」というフレーズは、まさにOPのサビの部分に呼応しています。
ねえ君に 君にひとつ伝えときたいんだ
もう止まらない 隠しきれない 想いがここにあんだよ
ベイベー 思い出というフィルムの中へ
君が解けてしまう前に 届けたい言葉があんだよ(多田くんは恋をしないOP「オトモダチフィルム」より
「思い出」の存在からテレサを呼び戻したのは、彼が大好きな写真。彼が伝えたいことはたった1つ…。11話を見てからOPを聞き直すとポップ調の歌ではありながらも、光良の想いが十分に込められていることが分かります。
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OPのCDは買いました!フルで聴くとまたいい歌詞なので、ぜひ。
展開の考察がほぼ不要だったため、11話の記事はほぼ個人的な感想だらけになってしまいました。終え方は光良がテレサと結ばれるか、否かの2通りしかないと思います。どちらになるにしても満足できる終え方になると思うので、心配していません。
第12話は「……突然、ごめん」です。レイチェルの力を借りてテレサに光良は会えるのでしょうか。それでは、この辺で。
【追記】12話の感想記事を書きました!