多田くんは恋をしない 12話 感想&考察!四角関係の果てにあるものは
第12話「……突然、ごめん」
ーテレサ。僕は笑顔の君が…好きなんだけどな。(シャルル)
実は三角・四角関係の作品好きな自分としてはかなり楽しめましたが…。胃が痛くなる人も多かったと思います。雨が散々降った後にはきっと虹が出る…はず。
というわけで、多田くんは恋をしない(多田恋・ただこい)第12話「……突然、ごめん」の感想と考察を書いていきます。12話までのネタバレがあるのでご注意を!
12話の簡単なあらすじ
ラルセンブルクに降り立った光良。光良を追ってきた薫はひょんなことから光良とはぐれてしまいます。王宮の前まで行き、中に入れない光良でしたが通りかかった麗子の助けがあり中に入ることができました。一方、薫は別ルートでテレサが姫であることを知ります。
テレサは光良との最後の思い出である写真とキーホルダーを机に入れたままで、光良のことは忘れられない様子です。アレクはシャルルのスーツを抱きしめている場面をテレサに見つかり、テレサはアレクがシャルルに恋をしていることを知ってしまいます。
光良は麗子が大学時代に多田珈琲店でバイトをしていたことを聞きます。シャルルとも再会した光良はとうとうテレサと会います。「お世話になった光良にきちんと事情を伝えるべきだ」というシャルルの言葉に後押しされ、テレサと光良は2人になります。
光良もキーホルダーを付けていることに気が付いたテレサですが、光良に自分の素性を明かします。日本での楽しさから「逃げ帰った」こと、自分は国王の娘であること、18歳の誕生日にシャルルと結婚することが決まっていることー。
事実を伝えたテレサは1人涙に暮れます。そして、光良の頬にも涙が…。
以上です。
12話の考察と感想
印象的だったのは写真部一同の写真を見た際にテレサが笑顔になったこと。むしろ、12話の救いってそれぐらいしかなかったような…。ここにきて光良の涙を持ってくるスタッフの意地の悪さ(褒め言葉)に脱帽です。
蘇った光良の感情
5話の考察ぐらいから書き続けているように、光良は「自分のせいで両親の命を奪ってしまった」と考えているため、自信の感情にブレーキをかけている描写が多く見られました。それでも、テレサや薫といるときは自然な笑顔も映し出されていましたが…。
今回の話で光良は事実上の「失恋」を経験します。恋心にもストッパーをかけていた光良には衝撃的すぎる真実。12話ではじめにテレサに会った際には笑顔だった光良が、だんだん言葉尻を弱め自信を無くしていく描写は心が痛くなりました。
皮肉なことですが、失恋という大きな衝撃を受け、光良の心は動き出しました。感情が蘇ったからこその静かな涙です。両親が亡くなった際にも泣かなかった光良が泣いたことは衝撃的ですし、涙の演出をここまで引っ張ってきたことでより印象深い一場面となっています。
光良の固まっていた感情が動き出したとすれば、彼がこれまで取らなかった(視聴者に予想できない)行動を取り、サヨナラホームランがある…かも?
手紙の中身とサブタイトル
恐らく最終回でキーポイントになるのが麗子が最後に光良に持たせた手紙です。書きしたためたのは麗子でしょうか。光良はまったく気が付いていなかったようです。
中身は恐らく麗子と正造の過去の話でしょう。視聴者サイドにも過去に何があったのか正確には明かされていないですしね。
麗子と正造の過去の後悔を読み、光良が再び立ち上がりテレサに会いに行く…ストレートですが、最終回への掴みとしてはよい気がします。
手紙のくだりを踏まえた上で、13話のサブタイトル「俺も、一生、忘れない」がどのようにストーリーに組み込まれるのか予想してみます。
①テレサとの最後の会話で出た発言
手紙を読んだ後、テレサと再度会話をした際に出た発言。
2人は互いのことを好き、とは言っていません。吹っ切れた光良が告白し、テレサも告白する。それでも2人は決して結ばれることはありません。
テレサ「多田くん…私はこの恋を一生忘れません」
光良「俺も、一生、忘れない」
そのまま帰国し後日談。失恋エンドではありますが「初恋は叶わないもの」と言います。批判もあるかもしれませんが個人的には一番きれいな終わり方ではないでしょうか。
②手紙を読むシーンで出た発言
手紙を読んでいる最中に出た発言。
手紙には麗子・正造の過去が書いてあり、互いのことでどこか引っ掛かり、心残りがあることが書かれています。2人が互いを忘れられないことも。
光良「俺も、一生、忘れない」
うーん…。12話で光良の感情が動き出したことが描かれたのに、手紙を読むだけで再度テレサに会いにいかないのは弱い気がしますね。仮に手紙を読み帰国したとしてもモヤモヤが溜まりうまい終わり方にならない予感もします。
いずれにしても手紙の内容が光良を奮い立たせ、結果はどうであれ
もう一度テレサに会いに行く展開に期待
します。
悲哀エンドでも光良だけは救われる?
結局大方の予想通り
光良→テレサ
テレサ→光良
シャルル→テレサ
アレク→シャルル
という方向にベクトルが向いていることが明らかにされました。
上でも書いたように、自分は光良とテレサが結ばれないエンディングになると予想していますが、よく考えるとその展開で一番「救われる」のは光良かもしれません。
テレサ・光良が結ばれず、テレサとシャルルが結婚する場合
①光良
単に初恋が実らなかった。相手が姫で言ってしまえば「どうしようもない恋」だったといえる。日本に住む限りテレサと再び会う可能性も低い。
②テレサ
一番好きな人と結ばれず、結婚。更に親友が旦那のことをずっと想い続けていたことを知ってしまったため、気まずさも残りそう。
③シャルル
自分が好きな女性が過去に好きだった人をずっと引きずって生きることになる。もしかするとシャルルが大好きな「テレサの本当の笑顔」はもう見られないのかも。
④アレク
親友と自分の初恋の相手(かつ現在も好きな相手)が結婚し、自分は2人の姿を見続けて生きなければいけない。
文字に起こしてみるとかなりヘビーですね…。11話でアレクの気持ちをテレサが知ってしまったが故に、光良以外の3人はかなり複雑な想いを抱いてこれからの人生を歩むことになりそうです。
こう考えると、テレサと光良が結ばれないエンド(=テレサとシャルルが結婚するエンド)になると一層後味が悪くなるのかなぁとも思ったり。
視聴者の心苦しさはどこにあるのか
光良とテレサが結ばれるエンドの何に問題があるのか?
もちろん、12話までで積み上げてきたものが壊れる「ご都合主義」エンドになるからだ!という人もいるでしょうが、僕はシャルルがいい奴すぎるから光良とテレサは結ばれるべきではないと思っています。
シャルルがLOST SONGのルードのような「悪役」であればシャルルを押しのけて2人が駆け落ちでもなんでもすればいいと思いますが、シャルルは笑顔を絶やさない超・イケメンです。性格にも難が無く、かつテレサを幼少期からずっと大切にしています。
そこに光良が入り込む…。悪くはないですが、その場合シャルル1人だけが辛い思いをすることになり(シャルルを支えるであろうアレクも同様)、心からのハッピーエンドとは言えなくなってしまいます。
なぜ視聴者がここまで心苦しい思いをすることになるのか。それは、
シャルルという男が「いい男過ぎた」ことが原因
になっています。
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今春一番楽しみだったアニメもあと1話で最終回です。それぞれの人物がどのような選択をして、どのような表情・セリフを見せてくれるか今から楽しみです。
オリジナルノベライズ「テレサ・ワーグナーの事情」はアニメ終了後に感想を書こうかな、と思っています。
第13話(最終回・最終話)は「俺も、一生、忘れない」です。それでは、この辺で。
【追記】最終回の感想を書きました!