多田くんは恋をしない 10話 感想&考察!お別れは笑顔とともに…
第10話「本物、じゃないよな」
ー多田くんに巡り合えたことに感謝します…。(テレサ)
とうとう、「この時」が来てしまいました。しかし、最後はテレサもアレクも笑顔のまま…。さあ、ここからの展開はどう転ぶのでしょうか。
というわけで、多田くんは恋をしない(多田恋)第10話「本物、じゃないよな」の感想と考察を書いていきます。10話までのネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!
10話の簡単なあらすじ
テレサの誘いに乗り、れいん坊将軍展へ来た光良。テレサはこれまでにないような笑顔を浮かべ、光良もテレサに引っ張られつつ将軍展を楽しみます。
食事中、光良はテレサから乳母のレイチェルのことを聞きます。レイチェルの本名は竜崎麗子といい、日本人でした。麗子はラルセンブルクに留学中、旦那と出会い結婚しました。
同時刻に、アレクがじっちゃんに麗子からの手紙を届けに来ました。その場に居合わせた薫はいつものノリでアレクに話しかけますが、いつもと違いアレクは穏やかな笑顔を浮かべます。
1日の締めに、テレサ・光良はスターツリーに登ることにします。光良は、「もし自分が両親に素直になり彼らの出発を遅らせていれば、両親は事故に遭わなかったのではないか」という後悔をテレサに告げます。
テレサ「素直に気持ちを伝えられなかったと多田くんが後悔しているのであれば、これからはきちんと伝えるようにする。それでいいんじゃないですか?」
8話と逆にテレサから光良に伝えられる言葉です。光良もこの言葉に救われます。
そして、やってきた別れの時間。テレサは光良にお礼を言い、その場を去ろうとします。対して、光良は”何か”を伝えようとしますが、言葉になりませんでした。翌日、テレサとアレクが家庭の事情によって帰国したことが学校で伝えられました。
以上です。
10話の考察と感想
回が進めば進むほど、EDの歌詞が心に染みわたります。9話ほどではありませんでしたが、10話も演出が素晴らしかったです。その部分の感想から書いていきます。
笑顔と憂いた表情と手の動き
10話を見て、誰もが思ったであろうことは
テレサ可愛すぎないか!?
ということではないでしょうか。はしゃぐテレサ、そして笑顔で光良と会話するテレサ…。特に、10話のテレサの笑顔には破壊力がありました。
では、どうして10話のテレサの笑顔に我々(含:光良)は惹かれるのでしょうか。多田恋の感想記事では圧倒的ナンバー1だと思っている「アニメと漫画と 連邦 こっそり日記」様のブログでは、1話の時点からこのように書いています。
ED歌詞にある、“彼女が綺麗な理由”は
彼が後で気付いたのに対し、彼女は最初から「今は今しかない!」と理解した上で全力で楽しもうとしてる姿が、彼女をより魅力的に見せてたそんな歌詞なのかなと
今は今しかない、言葉にすると当たり前ですが、そこにテーマを感じます。
(『多田くんは恋をしない 第1話 感想』彼女が綺麗すぎる訳を彼はまだ知らない : アニメと漫画と 連邦 こっそり日記 より記事引用。)
まさに、これこそが理由ですね。「今日で終わり」と決めたテレサだからこそ、”最後”を全力で楽しもうとしている。そんな笑顔です。
もちろん、テレサが見せていた表情は笑顔だけではありません。光良と目が合っていない場面では幾度となく憂いた表情を浮かべていました。将軍展を回っているとき、食事中、そして帰り道…。光良に気づかれないように、テレサはたった1人で自分の気持ちと戦っていました。
そして、1番の見どころは多田珈琲店の前で光良かられいん坊将軍グッズを貰う際のテレサの手の動きです。グッズを受け取る際、テレサは1度光良の手に触れるかどうか迷っています。でも、テレサは光良の手には触れません。
もし、光良の手に触れてしまえば
この恋を「終わらせる」ことができない
と分かっていたからでしょう。
この後、光良に「珈琲店に寄って行かないか?」と言われ、「ううん」と即答したことから、このタイミングで光良との別れを本当に受け入れたものだと思います。この手の動きはほんの1、2秒の描写ですが、多田恋の中でも屈指の名シーンです。
憂いた表情や、触れられなかった手の動き…。これらを踏まえた上で、10話のテレサの笑顔を見ていると、「やっぱり無理をしているんだな…」と本当にやるせない気持ちになります。ぜひ、10話をもう一度見直してみてほしいです。まさに10話は噛めば噛むほど味がでるお話になっています。
多田くんは恋をしたのか?
10話で多田くんは恋をしたのか?
この部分に関しては、見た人によって解釈が分かれるポイントだと思います。個人的には、デート中ではまだ恋をしていなかったと考えています。「かわいい彼女ですね!」と言われ顔を赤らめるなど、テレサを意識してはいますが、それでもいつもの光良という感じです。
その「意識」が「恋」に変わりかけたのが、コンクールに出す写真でテレサの写真を見ていたときではないでしょうか。思えば、1話でも光良は同じアングルでパソコンに保存したテレサの写真を見ていました。その際は、ニャンコビッグに話しかけながら。
しかし、10話では誰に語ることもなく、テレサの写真をコンクールに提出する写真にすることを心に決めます。とにかく風景画が大好きな光良が、です。
”許可”を取る、という口実で翌朝、光良はテレサたちの宿泊場所に訪れます。そこで髪型をセッティングしている様子は微笑ましくて仕方ありません。9話までは見られなかった、光良がはじめて自分を意識したシーン。
8話でテレサが恋に落ちたときのような大胆な演出はありませんでしたが、光良らしく「恋」に気が付いたのはやはりこのタイミングでしょう。
そして、その恋がより強くなるのはきっと11話。薫の後押しに期待です。
8話との対比~光良がテレサの手を引く展開の暗示?
8話で光良はテレサに対し、「一度後悔したことを二度と繰り返さないようにすることが、後悔した意味だ」とテレサの”後悔”に意味を持たせる発言をします。
10話のスターツリーでの2人の会話は、まさに立場が逆転していました。「自分が素直になれば両親は死なずに済んだかもしれない」という後悔を、テレサは「次からはきちんと伝えるようにすればいい」と優しく告げます。
雨が上がり、虹が出たのは光良の心が救われたことによる描写に他ならない
でしょう。
と、10話では8話の描写の対比として、2人の会話が描かれましたが…。10話で気になったのは、れいん坊将軍の劇で敵将軍に追われ、テレサが光良の手を引き逃げたシーンです。実はこのシーンはこれから起こることの暗示なのではないかなぁ、と。
敵将軍はテレサと光良の交際に反対する者。れいん坊将軍は賛成してくれる人たち。果てしなくベタな展開だと、光良が結婚式会場に乗り込んで、テレサの手を引いて逃げるというシーンが思い浮かびますが…。
いずれにしても、11話で(恐らく)テレサへの恋心に気が付くであろう
光良が、テレサの手を引いて走りだすー
こんな展開が今後見られると思います。いや、見られることに期待します。
じっちゃんの”後悔”を晴らすのは光良
10話で明かされたのは、レイチェルが日本人だった、ということ。加えて、麗子もじっちゃんもどこか過去の想いを引きずって今を生きています。
日本人の麗子が留学し、留学先で結婚した、ということで6話の感想記事で書いていた「じっちゃんも昔後悔をした」という見立てはほぼ正解と言えそうです。
今回、光良はほぼ同じような状況に居ます。11話の予告を見る限り、次回の主役は光良、薫、じっちゃん。こちらもベタベタな展開になりますが、光良の姿を見たじっちゃんが
光良、お前は後悔するなよ?
なんて言ってくれたら最高ですね。加えて、薫の後押しもあり12話でいざラルセンブルクへ!という。ベタだけど、たまにはドストレートな恋愛コメディがあってもいいじゃない。
多田恋10話の感想まとめと11話に向けて
多田くんは恋をしない 1(イベントチケット優先販売申込券) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: KADOKAWA メディアファクトリー
- 発売日: 2018/06/27
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
多田くんは恋をしない テレサ・ワーグナーの事情 (角川ビーンズ文庫)
- 作者: 中村能子,谷口淳一郎,加々見絵里
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/06/01
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
というわけで、多田くんは恋をしない10話の感想でした。本節で考察するほどのことではないですが、ゴルゴとれいん坊将軍の声はどちらも小山さんなんですね。
実はゴルゴ=れいん坊将軍だったり…?(実際にれいん坊将軍の劇をやっている最中はゴルゴの姿が見えなかったですしね)
次回、第11話は「特には何も」です。光良がふさぎ込んでいるのが気がかりですが、そこは薫&じっちゃんが何とかしてくれるでしょう!
それでは、この辺で。
【追記】第11話の感想を書きました!