【ネタバレほぼなし】心が叫びたがってるんだ 感想とレビュー!言葉に出来る勇気がありますか?
みなさん、こんにちは。記事タイトルを見て「いや…今更?笑」と思われた方も多いと思います。僕は先週この映画を見に行きました。
ざっくり一言で言うと「非常に面白かった」です。
間もなく公開が終わってしまうこの作品。週末を控えたこの時期に、再度「心が叫びたがってるんだ(ここさけ)」の魅力を紹介して多くの人に興味をもってほしいと思います。
この映画を見て感じたこと
あらすじなんかも載せないでおきます。感じたことを出来る限りネタバレなしで思うがままに。シナリオの核心に迫る部分はネタバレをしないよう努力します。
リアルな高校生活
作品を見ていてまず感じたことは
これこそが高校生活だよなー
ということです。
例えばクラスで何かやるための委員を決めるときになかなか決まらないクラス。例えばうまくしゃべることができない主人公・順をおかしな目で見るクラスの雰囲気。例えば発表当日に”言い出しっぺ”がその場に現れずざわつくクラスー。
いやー本当に中学・高校生活をかなりリアルに描いていると思いました。
何度映画を見ているときに頷いたか分かりません。
この「超リアル」な高校生活に追加して「しゃべれない魔法をかけた卵」というメルヘンチックな(というにはほど遠い存在ですが…w)存在が重なることであの重厚なストーリーの基礎が出来上がっていると思います。
中高生活をもう一度味わってみたい方はぜひ見るべきです。
”言葉にできる勇気”があるかないか
本作の骨格の中心を担っているともいえる「言葉」や「会話」。
やはりここに触れていきたいところですが、その前にこちらのブログ記事を紹介させていただきます。ぱんさんの「徒然もの書きぱん」です。
作中の「言葉」が占める意味のようなものは既にぱんさんが書いていらっしゃるので、僕からは上の話と関連した話を少し書いておこうと思います。
あえて一言で言うなら「一言踏み出す勇気」について書きたいです。
皆さんもほぼ間違いなく経験があると思いますが、中学・高校生活において間違いなく
言いたかったけど心に留めてしまったこと
はあると思います。その結果、自分の望まない結果になってしまったことも。
それもすべて含めての「リアルな生活」だと僕は思いますが…。
では、この作品でその”勇気”を一番持っていて、行動に移せて「自分の望む結果(であろう展開)」に持ち込んだのは誰でしょうか。
それは間違いなくキーパーソンの1人、野球部の田崎でしょう。
ーーーここからややネタバレ有りーーー
彼はいわゆる野球バカで、クラスの中の素行も良くないであろう存在です。そして、案の定、怪我をしているのに野球部に出てきては後輩に怒鳴り散らす姿を見て後輩たちは反発し、陰口をたたくようになります。
更にクラスの中で順に対して暴言も吐き散らします。
前半において田崎の周りは順の言葉を借りるなら
人を傷つける言葉であふれかえっている環境
と言えそうです。
しかし、彼はそのままでは終わりません。田崎は野球部のメンバーにも、そして順にも頭を下げて謝罪します。
ここで普通の人なら…
謝罪をせずに有耶無耶になった状態でなあなあと生活し、ほとぼりが冷めた頃に交流会メンバーに参加して…
という展開になるのではないでしょうか。これでは自分の望む結果なんか生まれるわけがない。なあなあの展開にしたのは自分なんだから、その後もなんとなく交流会が始まってなんとなく会が終わってしまうのは間違いありません。
でも、田崎には「謝る」勇気がありました。こんな風に面と向かって何回も謝罪できるのは本当にすごいと思います。
そんな彼だからこそ、最後の最後で”彼女”に想いを告げる機会を与えられたのではないでしょうか。おそらくメインキャラだと思われる人物ですら与えられなかった告白の機会をー。
随所にして、肝心な場面で言葉を紡ぎ、それを相手にかけることが出来た田崎の姿は見ていて本当にかっこいいなと感じました。
一番最後のシーン。あれがハッピーエンドなのかどうなのかは分かりません。でも、そんな田崎がつかみ取った展開なんだからそれだけでもうハッピーエンドなんじゃないか、と僕は思うわけです。
逆に…その勇気が最後まで無かったのは拓実と菜月かな…と。
これ以上書くと本格的なネタバレになるので書きませんが、とにかく田崎はかっこいい男だ、と覚えておいてください!笑
さすがと言える水瀬さんの演技
演技については水瀬いのりさんの演技がすごかったです。
この話については「アニメについて考えるブログ」のかりんちゃこさんも同様の意見をあげておられます。
僕はクラスで一番最初に順が発言するときの演技が一番好きです。
とにかく言いたいことはあるけど声に出せない。その結果、自分で落胆し、腹痛の結果トイレに駆け込んでしまうまでの一連のシーン。あのときのクラスでの声の出し方が本当にすごいと思いました。
あとは時折順から聞こえる息が漏れるような音。ああいう部分も細かに演技されていて本当にすごいなーと感じました。
その他のはてなブロガーさんの感想記事
自分が読んでおお!となったものをコメントと共に紹介しておきます。ちなみに上のぱんさんの記事はネタバレ有り、カリンちゃこさんの記事はネタバレなしです。
「大友おもちゃ箱」さん
nariyainspiredby.hatenablog.com
ネタバレ有りです。「強引な成長と泥臭い成長パート」の部分の順に対する考察がすごくよかったです。ちなみにエンドについては上で書いたように少なくとも田崎にとっての良いエンディングだったので僕はハッピーエンドだったと思ってます。この辺の解釈の違いも面白い。
KOROKOさんの「臨床心理士のうたたね日記」さん
心理士さんの立場から順の様子を考察。非常に興味深く読ませていただきました。順と拓実のシーンは本当に「山場」ですよね。ネタバレ有りなのでこちらも注意。
「おとぎ話~本当の自分へ戻る旅~」さん
玉子の歌の「割れちゃったものはしょーがないんです」の部分にすごく共感しました。僕のブログではこの玉子を割ることを「勇気」として表現しているわけですが…。こちらもネタバレ注意だと思います。
おわりに
というわけで「ここさけ」の紹介記事になりました。
うーん、とっちらかった記事になってしまったような。まあいいか。面白いので少しでも興味を持たれた方はぜひ劇場に足を運んでみてください!
ちなみに、ノベル版も読んだんですが、最後のシーンの結果らしき描写がされているのでぜひ映画を見た方は小説版も読んでみてください!
- アーティスト: サントラ,コトリンゴ,仁藤菜月(雨宮天),相沢基紀(大山鎬則),成瀬順(水瀬いのり),坂上拓実(内山昴輝),清浦夏実,ミト,横山克,岡田麿里,岩木寿則(古川慎)
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まだ映画館でもらったスペシャルボイスドラマを使っていないので、聞いてみようと思います。驚くべき内容だったらこれも記事にするかもです。
それではこの辺で失礼いたします。