やがて君になる 1話 感想&考察!燈子が侑に魅かれた理由と抜群の風景描写
第1話「わたしは星に届かない」
ーだって…君のこと、好きになりそう。(燈子)
非常に重厚な作品です。単なる「百合アニメ」ではなく、男子キャラもしっかり登場しているのが好印象でした。
というわけで、やがて君になる第1話「わたしは星に届かない」の感想と考察を書いていきます。1話のネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
やがて君になる 1話のあらすじ・ネタバレ
優柔不断で入る部活も決めかねている少女、小糸侑。教師の勧めもあり、生徒会の見学をすることになります。
生徒会室に向かう途中、2年生である七海燈子が男子に告白され、断っているシーンを目撃します。燈子は生徒会の役員でした。
侑は中学時代に告白された相手への返事をしないまま高校生活を迎えていました。生徒会室で燈子は「今まで好きと言われてドキドキしたことがない」と言います。
その日の夜。侑は告白の返事をすることを決めます。返事をする直前に侑は燈子を探しに生徒会室へ向かいます。侑の様子から燈子は「侑が何かを伝えたがっている」ことを察し、話を促します。
侑は告白されても”ふわふわした気分”にならなかったこと、そして「特別という気持ちがわからない」と燈子に伝えます。燈子ならその気持ちを分かってくれると思って。
燈子は侑に同意し、侑が告白を断る際の電話では侑の手を握ってエールを送ります。告白を断ることに成功し、燈子に感謝を告げますが燈子の手が汗ばんでいるのに気が付きます。
燈子は「君のこと、好きになりそう」と侑に伝えます。彼女の名前を呼んでから。
それから日が経ち、生徒会も代替わりの時期となります。新生徒会長候補の燈子は、自分と一緒に選挙活動をする人物として侑を指名しました。
以上です。
1話の感想と考察
美しい作品だなぁというのが第一印象です。この雰囲気のまま最後まで突っ走ればとんでもない作品になるのでは…?
抜群の雰囲気・風景描写
なんといっても作品内の見どころの1つはこれでしょう。人物の表情やセリフ回しだけでなく、それらを彩る風景描写が素晴らしかったです。
自分が気に入った描写をいくつか紹介しておきます。
①燈子の自己紹介時の葉っぱの舞い散り
侑が、燈子が告白されるシーンを目撃してしまい、生徒会室の前で燈子に自己紹介をされる場面です。
燈子の自己紹介と同時に、新緑の葉っぱが2人の周りで舞い散ります。
風に吹かれ、スカートがなびいている燈子はやけに大人びて見えます。少し距離感があり、ぎこちなく立っている侑には緊張感が漂っています。
なんとも文章だけで表現するには難しいので、ぜひこの場面はアニメでもう一度見てほしいシーンです。まさに2人の出会いを歓迎するかのように風と葉が舞い散っています。
②告白時の桜舞い散る描写
続いては中学の卒業式の後に侑が男子生徒に告白された場面です。
一般的に桜は春の色=出会いの色というように解釈され、使われる場面が多いように感じます。アニメや映画のハッピーエンドでも桜が舞い散るシーンで物語が締められるものって多いですよね。
ですが、この作品では桜を別の捉え方で描写しているように感じます。侑が告白され、戸惑っているシーンで絶え間なく桜の花びらが彼女の周囲を舞い散ります。
自分にはこの桜の花びらの1つ1つが”侑の期待”を表しているように思いました。本や歌で聞いた恋はきらきらしていて、侑にとっては憧れの存在でした。
しかし、実際侑は告白されても、”ふわふわした気分”にはなりませんでした。それは時間がたっても変わらず、高校に入っても彼女は「特別」を感じられないまま生活を送っています。
期待していた恋は「特別」ではなかったー。そんな侑の思いを代弁しているのが散っていき、地面に落ちていく桜の花びらだったのではないでしょうか。
③侑と燈子の会話と夕暮れの風景
燈子が侑の話を聞くよ、と告げた次の瞬間、窓の外の風景は夕方の空に切り替わっていました。
このことから、数時間が経過したことが読み取れますが、その間2人は何をしていたのでしょう。侑が相談を言い出せずに燈子が待っていたのか、それともじっくりと2人で侑の過去について語っていたのか。
いずれにしても自然な描写で時間の経過を示しているシーンになっています。
時間は過ぎたけど、その間にどのような会話がされていたのかはあえてぼかすことで、視聴者すら踏み込めない「侑と燈子の2人の空間」が出来上がっているのですね。
燈子が侑に「特別」を感じた理由は?
結論から言ってしまうと、わかりません(笑)
侑が告白を断る電話のシーンから、燈子の「好きになりそう」までのシーンを10回は見直しましたが(これのせいで更新が遅れたといっても過言ではない)、燈子が侑のどこに惹かれたのかが全く読めません。
考えられるのは侑が自分と同じような思考の持ち主であり、そんな人物に出会ったのがはじめてだったから侑に心を奪われた…ぐらいでしょうか。
そうだとしても、電話が終わったタイミングで「好きになりそう」と告げるのは違う気がします。
じっくり考えてみると、このシーンでは燈子の内面描写がカットされていることに気が付きます。
漫画の一目惚れの代表的な(?)心の叫びとして挙がるのが「なに…この気持ち」だと思います。
今回の「好きになりそう」はまさに
燈子の一目惚れ
だったのではないでしょうか。そこに特に理由はありません。ただ単に、侑の表情・言葉に燈子は惹かれてしまいました。
あくまで作品の主人公は侑であり、今回は偶然にも”一目惚れされる側”でした。そんな侑の視点で物語が進んでいる以上、視聴者が「なぜ燈子は侑を好きになったのだろう」という問いに答えを出すのは不可能なのかもしれないですね。
”未知”の侑と”既知”の燈子の対比が見られそう
1話では侑の過去はある程度明かされたものの、燈子周りの情報はほぼ知ることができませんでした。
侑に関しては、単に「特別」をこれまでの人生で知る機会がないまま現状に至っていることが示されています。侑と一緒にいた友人2人組も侑の恋愛話は聞いたことがないと発言しています。
一方、燈子は…。
作中気になったのは何度も侑と燈子の足元が映されていたことです。まるで侑と燈子の上履きの色の違いを見せつけるかのごとく描かれています。(=侑が1年生であり、燈子は2年生である)
燈子は侑よりも1年長く生きているからこそ知っていることも多いでしょう。
燈子が誰とも付き合わない理由は、過去に何か大きなトラウマを抱えたからでは…?と思っています。それこそ、彼女が感じた「特別」を裏切られる何かがあったのかな…と。
「そのままでいい」と語る燈子の心情がいつか明かされることに期待です。
これから侑は「特別」を知っていくお話になると思いますが、同時に燈子にとっては過去の苦しい経験を乗りこえていく物語になるのかもしれません。
人を好きになることを”知らない”侑と、人を好きに”ならない”燈子の物語、と言い換えることもできますね。
百合を超えた「恋愛物語」としての作品展開に期待!
冒頭でも書いたように、この手の作品で男子がここまで描かれることは異例といってもいいでしょう。
1話から男子からの告白シーンが2度も描かれました。侑と燈子が惹かれあう中で、今後も男子からのアプローチはあるものだと思われます。
個人的には女性だけの作品よりも、男性も出てくる作品は大歓迎です。物語の幅も増えるでしょうし、何よりキャラクターの抱える葛藤も大きいものになると思われます。
異性を選ぶのか、同性を選ぶのか、友人でいることを選ぶのか、「特別」になることを選ぶのか…。今から楽しみでなりません…!
あとは第2の先輩キャラの声が茅野さんというのがパンチ力ありますね(笑)
三角関係、さらには聖司を加えての四角関係も見られるかも。
アニメ「やがて君になる」1話感想まとめと2話に向けて
TVアニメ「 やがて君になる 」オープニングテーマ「 タイトル未定 」
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というわけで、アニメ「やがて君になる」1話の感想記事でした。期待度をはるかに上回る発進で今後がとても楽しみになりました。
アニメならではの美しい風景描写はこのまま続けてほしいですね。
また、冒頭にも書いた通り自分は原作未読者です。未読者ならではの考察を書いていく予定です。そのため、既読者の方は「読んでない奴はこういう考え方をするのか」という気持ちで当ブログの記事を楽しんでいただければ幸いです!
未読者の方も既読者の方も3か月間よろしくお願いします!
それでは、この辺で。
【追記:2話の感想記事を書きました!以下からどうぞ!】