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やがて君になる 7話 感想&考察!2人の想いとコーヒーの描写

第7話「秘密のたくさん/種火」

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ー飲み込んだ言葉は、育ち続けていつか胸を破るかもしれない。(沙弥香

 

内面描写のオンパレード。七海燈子、君はどうして自分から仕掛けといてプルプルしているんだ…!圧倒的沙弥香回でした。

というわけで、やがて君になる 第7話「秘密のたくさん/種火」の感想と考察になります。7話までのネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!

(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)

やが君 7話のあらすじ・ネタバレ

沙弥香の過去。それは中学時代に同性の先輩と付き合い、「気の迷い」と言われ振られたというものでした。そして、彼女は高校の代表挨拶で燈子と出会います。

沙弥香は燈子が侑と仲良くしていることが気になる様子です。「燈子は誰の物にもならない」と沙弥香は考えています。

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劇の顔合わせで、侑・燈子・沙弥香・こよみにて顔合わせをします。喫茶店の店長である都の元に現代文の教師の理子がやって来ます。実はこの2人も恋人関係で…。

燈子の決死の告白により、皆の前でも侑と燈子は互いに名前呼びすることになります。それに気が付いた生徒会メンバーは様々な反応を見せます。

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燈子と侑がどれだけ近くなっても特別な関係にはならないー。沙弥香はそんな思いを抱えたまま、都の店に1人で再訪します。沙弥香は都に理子との関係を問います。

都は理子と付き合っていることを認め、沙弥香に好きな女性がいることも見抜きます。沙弥香は”その子”の好きな部分がとめどなく言葉になって現れます。

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都は「今の関係が壊れるなら、彼女の一番の友人で」と語る沙弥香を”良い子”と評します。

燈子からは「沙弥香の前に立っているんだって考えると、理想の自分に近づける」という言葉を聞きます。沙弥香は、今はまだこのままで…という思いを胸にしました。

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以上です。

7話の感想と考察

6話は物語の起点であり、かつこれから沙弥香が作品にぐいぐい踏み込んでくることを示していた回でもあったのですね。本当にやが君の30分は短く感じて困ります(笑)

「完璧な私」と「一番の友人」

6話で燈子の内面が明かされましたが、7話では沙弥香が燈子のことを好きであることが明確にされました。

沙弥香と燈子の関係は完全にすれ違っているように見え、表面的には非常にバランスが取れたものになっています。

 

燈子沙弥香は踏み込まない。沙弥香が私に要求するのは完璧な私だけだから。私がそれを演じ切れている限り、その後ろに隠したものをのぞき込んだりしない」

沙弥香「あの子には人の好意を受け入れるだけの余裕がないんです。好きだと言っても今のあの子にはプレッシャーにしかならない。今の関係が壊れるぐらいなら…このままでいいです。あの子は一番の友人として私を必要としてくれるから」

 

沙弥香という存在があるから、燈子は「特別」を演じ切ることができています。

燈子が「特別」であることは、6話の燈子過去編でも明かされたように周囲の圧によって燈子が”そうしなければならない”と信じ切っている部分です。

沙弥香といることが心地よく、かつ自分が「完璧な私」を演じることができれば彼女は踏み込んでこない、というのが燈子の心の声です。

 

対して、沙弥香は究極に優しい人だという印象を自分は受けました。燈子は侑のことを「優しい」と評していますが、侑の優しさとはまた違った意味の優しさで。

燈子が”沙弥香は踏み込まない”と信じ切っている裏には、沙弥香が燈子の願い(=沙弥香とは友達のままでいたい)を叶えるべく行動しているという事実があります。

沙弥香の行動によって、今の燈子があるといっても過言ではありません。

 

今の2人は見た目上、とてもバランスが取れています。沙弥香を必要とする燈子、このままでいれば燈子に一番近い位置にいられる沙弥香。

EDの小テストの演出は個人的に印象深いシーンでした。沙弥香の気持ちに応えるべく、燈子は今日も”完璧”を演じ切っているんですね(彼女は満点です)。

その代わり、沙弥香も友人として燈子に寄り添うことを選択しました。

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EDの最後には、2人で歩くシーンが描かれています。2人の間には線が引かれているのが、何とも言えない気持ちにさせられます。

 

それでも。自分にはどこまでいっても沙弥香が大きな負担を背負っているからこそ作られている関係に思えてなりません。

2人で持っている荷物のように見え、実は沙弥香1人が大きな力で荷物を支えているーそんな印象です。

 

EDで流れた沙弥香の「飲み込んだ言葉は、育ち続けていつか胸を破るかもしれない」という言葉。沙弥香が燈子への想いを告げた瞬間、2人の関係は完全に破たんします。

もし燈子が沙弥香の気持ちに気が付いていて今の状況を作っているのだとすれば…。燈子はどうしようもなくずるくて、残酷な女性です。

沙弥香とコーヒーの描写~波紋と2滴の液体

7話の演出といえばコーヒーを無しには語れません。自分が気になったシーンと考察を書いていきます。

①コーヒーの波紋と映る表情

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ぞくっとくる描写です。明らかに意図的に、Bパートにおいて喫茶店で沙弥香の表情が描かれていません。

足下や、背後や、口元だけは映し出されますが、意図的に沙弥香の表情がカットされています。それでも、セリフ運びから彼女がどんな表情をしているのかを想像するのは難しくありません。

サービスとして貰った2杯目のコーヒーカップに触れると、コーヒーは振動で揺れます。まるでここで描かれるコーヒーは心にもやがかかった沙弥香の内面を表現しているかのようです。

 

ー傍にいるために本当の気持ちを隠すのは卑怯でしょうか?

 

これが沙弥香が抱えている「心のもや」の正体でした。それでも、都は「本当の気持ちを飲み込むのは大変なこと」と沙弥香を肯定します。

都が拭いたテーブルの水は沙弥香が普段人前で見せない、彼女の心の涙でしょうか。

 

都の言葉を聞いて、心が晴れて、表情も晴れて。

その想いの変化はどんなセリフよりも澄み切ったコーヒーに現れていました。波紋で曇った彼女の心が、これまでよりもずっと晴れたものに切り替わっています。

ここで、7話でははじめて沙弥香はコーヒーに口を付けます。燈子への本当の想いを飲み込むかのように、吹っ切れたような表情で沙弥香はコーヒーを飲んだんですね。

②分かれて交わる2滴のコーヒー

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上でも書いた沙弥香の「今のままで」という発言の後に見られた描写です。沙弥香がカップを傾けることで、2滴のコーヒーが分かれ、下へ溜まります。

この部分は2つの解釈ができると思います。

 

A:コーヒーは「燈子」と「沙弥香」説

ストレートに考えるとこの考察になります。2人は永遠に交わらない存在として、別々の方向に向かって歩みだします。そういった状況を表しているのかな、と。

おいおい、2滴のコーヒーは同じ場所に溜まっているじゃないか、って?

 

考えられるのは、下に”溜まった”コーヒーは”溜まった”沙弥香の心の中なのではないか、と。

心の奥底では燈子と1つになりたいという沙弥香の思いの表れのように感じました。もしくは、最初の見出しで挙げた「一見するとバランスが取れているように見える2人の関係」を表現したものなのかもしれません。

 

B:コーヒーは「燈子」と「侑」説

この考察はカップを傾けている人物が沙弥香であることから挙げたい案です。沙弥香は既に”部外者”としてカップの中(=燈子の世界)にはいません。

液体が2つに分かれたのは、6話で見られた燈子から侑への拒絶。

もしくは、8話以降で侑と燈子が同じようなシチュエーションで分裂することを示したものなのかもしれません。

 

それでも、いったん2つに分かれた液体はやがて1つになります。もしかすると、今後沙弥香の後押しで侑と燈子が本当の意味で”特別”になるのかも…?

最後に2つの液体が同じ場所にまとまることだけを考えると、この案の方が辻褄が合うようにも感じます。

 

その他にも沙弥香×コーヒーの演出で印象深かったのは、沙弥香が自分の部屋でコーヒーを飲まなかったことが挙げられます。

正直この部分の意図は掴み切れませんが、その後に沙弥香が何かに気が付いたような表情をしていたことから、単に都と理子の関係を確信した演出だったのかな、と思います。

もしくは、「気持ちを飲み込む」ことと掛け合わせて最後まで沙弥香にコーヒーを飲ませなくさせるための表現とも考えられますが。

 

沙弥香も昔は先輩女性と付き合っていて、彼女にしかわからない「感性」みたいなものが喫茶店で働いたのでしょう。コーヒーを飲もうとしたときに、同じように口を付けた理子のことを思い出して…ぐらいの演出のように感じます。

沙弥香が燈子を語った場面~あふれる言葉は、とめどなく。

個人的には沙弥香が燈子の魅力を語ったシーンにも目が離せません。

沙弥香は燈子を気に入った点として、はじめに「顔」と言い、その後彼女の内面に触れ魅力を矢継ぎ早に語りました。

おいおい、やっぱり顔なのかよ!なーんて言葉が聞こえてきそうですが、自分は沙弥香に対してはまったく逆の印象を持ちました。

 

アバンを見る限り、傷心の沙弥香に「すべてどうでもよくなった」と感じさせたのは、一目見た燈子の姿でした。これこそがいわゆる一目ぼれ…?

一目ぼれをするのに一番の要素になるものは何でしょうか。そう、顔です。

 

沙弥香が燈子の好きなところを聞かれ、最初に「顔」と言ったのは特別なことでもなんでもありません。

沙弥香にとって燈子はそれだけ好きな存在であり、どん底の自分を吸い出してくれたきっかけが燈子の「顔」や「雰囲気」に他ならないからです。

もっと言うと、沙弥香は無意識のうちに「沙弥香が燈子について好きになった順番」を語っていたのかもしれません。

はじめは顔で、内面を知りもっと好きになる…。絶え間なく話す沙弥香が1年生のときにどんどん燈子に惹かれていく彼女を表現しているかのようでもう、尊い。

「止まれ」が映ったあのシーン

Sな侑も最高だし、じたばたしてる燈子先輩は更に最高でした。

自分から話を振っておいていざ”燈子先輩”と言われると、プルプルし始める始末です。七海燈子、そういうとこやぞ!

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「燈子先輩」
燈子「うん(毅然とした態度で)」
「とうこ先輩」
燈子「はい…(か細い声で下を向きながら)」
「とうこ…せんぱい?」
燈子「…もぅ(無言で顔を背けながら)」

 

うわあああああああああああああああ!!なんだこのやばすぎるやり取りはあああああああああああああ!!!どぅおおおおおおおおおおおおおお!!!この気持ちを表現する言葉が見当たらないのでとりあえず「尊い」とだけ言っておきます(語彙力)

 

尊すぎたこのシーンで1つ好演出を挙げておくと、燈子が「もうちょっとだけ踏み込みたくなる」と感じた次のシーンでミラーに映る「止まれ」の文字が映っています

これは七海燈子がやり込められることを示唆した表現…?

こういうところも細かく表現されているのが大変に良きです。

それにしても、侑が燈子のことを好きにならないぎりぎりのところを計算して踏み込んでいる燈子はどこまでいってもずるいです。

アニメ「やがて君になる」7話感想まとめと8話に向けて

やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

 

↑これ死ぬほど読みたいんですけど、今後の原作の展開へのネタバレがあるのかな…と思い、やきもきしています。とりあえずアニメ終わってからが無難…でしょうか。

 

というわけで、やがて君になる 第7話の感想と考察でした。金曜のこの時間が至福過ぎて1週間頑張れています。本当に。

そして、何と前回はTwitterでかなりの数のRT,いいねをいただきました。ありがとうございます!ブログでのコメントも多数いただき、本当にうれしく思います。

…しかし、今回の記事は自分でもうまく文章に落とし込めていない感があります。

 

既読者の方からも素敵なコメントを多くいただき、「本当に色々な人に愛されている作品だんだなぁ」と強く感じます。

是非、気軽にコメントしていってくださいね!(原作のネタバレだけは避けて頂くようお願いします)

次回の8話も楽しみです。それでは、この辺で。

 

【追記:8話の感想・考察記事はこちら!】

www.anime-kousatsu.com