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【ネタバレ有】実写版がっこうぐらし!感想&考察&評価!映画とアニメ・原作の違いは?

見てきましたよ、公開初日に…!

ネット上でも様々な議論を巻き起こしている「映画がっこうぐらし」。そもそもアニメを実写版として映画化することに反対する人が多いのが実情です。

当ブログでも、アニメが放送された3年半前、考察記事をあげていました。いただいたコメントは多い時で50超。それだけ注目度の高いアニメでした。

そんな「アニオタ」の私が実写版のがっこうぐらし!を見てきた感想をお伝えします!

はじまり

「実写版がっこうぐらし」キャラとキャスト、監督紹介・公開日など

まずはキャラの紹介を中心に、映画の基本情報を整理していきます。以下、使用画像は映画『がっこうぐらし!』公式サイトより引用しております。

監督は柴田一成さん。柴田さん(プロデューサー)の作品で面白かったのは「生贄のジレンマ」という作品。それ以外にも、「リアル鬼ごっこ」「監禁探偵」などを手掛けています。

公開日は2019年1月25日(金)となっています。全国で上映です。

 

では、メインキャラクターと出演者の紹介です。学園生活部の4人についてはラストアイドルというグループの方が演じているようです。

それぞれ、左上から恵飛須沢胡桃(出演:阿部菜々実さん)、丈槍由紀(出演:長月翠さん)、若狭悠里(出演:間島和奏さん)、直樹美紀(出演:清原梨央さん)、佐倉慈(出演:おのののかさん)となっています。

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髪の色はともかく、意外に原作・アニメに準拠している雰囲気になっている…!以下、くるみ、ゆき、りーさん、みーくん、めぐねぇという表記をします。

 

くるみは「ショベルが好きな運動系女子」、ゆきは「学園生活部のムードメーカー」、りーさんは「料理上手で優しい部長」、みーくんは「クールな下級生」、めぐねぇは「皆を見守る先生」です。

これは見る人を和ませる素敵な作品になっているに違いありません(白目) 

映画「がっこうぐらし!」のあらすじ(ネタバレなし)

公式HP(映画『がっこうぐらし!』公式サイト)の引用になります。

シャベルを愛する胡桃、ムードメーカーの由紀、みんなのリーダー的存在の悠里は、私立巡ヶ丘学院高等学校・学園生活部に所属する女子高生。

 

学校で寝泊まりし、24時間共同生活を送る学園生活部で“がっこうぐらし”を満喫中だ。

 

みんなと一緒にご飯を食べて、みんなと一緒におしゃべりをして。屋上に作られた園芸部の菜園では、野菜だって収穫できる。

 

「学校ってすごいよね。電気も水も野菜も作れるし、音楽室、図書室、放送室…。なんでもそろってる!」と由紀もご機嫌だ。学校には友だちもいるし、大好きな保健の先生・めぐねえの授業だって受けられる。

 

そんな学校が本当に大好き。しかし元気いっぱいの由紀を、教室の外から胡桃と悠里が心配そうに見つめている。この学校は何かがおかしい…

要するに、女子高生がきゃっきゃうふふするタイプの作品です。

映画「がっこうぐらし!」のあらすじ(ネタバレあり)

茶番はここまでにして。以下、ネタバレ全開でいきます。

①物語の「始まり」~見えた”現実”とサバイバルホラー

アバンに映されるのは、くるみと先輩の様子。くるみは先輩のことを気になっているようで、先輩の姿を見るだけで転んでしまう程恋をしている陸上部員です。

場面は変わり、とある日の朝。学校で寝泊まりするくるみ、ゆき、りーさんは今日も朝食を摂ることから1日をはじめます。顧問のめぐねぇも一緒です。

 

屋上の野菜を収穫したり、授業を受けたり楽しい毎日。

しかし、現実はゾンビがはびこる世界でした。現実を直視できているくるみ、りーさんに対し、ゆきは平穏な生活が続いていると思い込んでいるのでした

今日も生きるために、くるみはシャベルを振るい、りーさんはバットで戦います。

②物語の「進展」~もう1人の仲間との出会い、仲違い、そして…

ゾンビを倒す中で、彼女らは生きている女の子に出会います。彼女の名前は直樹美樹。みーくんは1人様子のおかしいゆきを見て、くるみたちとも喧嘩をします。

ゆきは喧嘩をする一同に不安がりますが、ゆきをめぐねぇが励まします。

 

翌日。放送室から騒音を流し、ゾンビの注意を引き付けたみーくんが1人で学校を脱出しようとします。

ゆきがみーくんを追い、みーくんは脱走に失敗しゆき共々ゾンビに囲まれます。

そこにくるみが駆けつけ、りーさんも彼女らを援護します。みーくんの手を引き、学校へ走って戻っていくゆき。

みーくんはこの姿を体育祭に重ね合わせ、「ゆきのお陰でみんなが笑顔でいられる」という言葉の真意を知り、学園生活部に入部することを決めました。

③物語の「展開点」~大規模火災と絶望を目の前に。

みーくんが仲間になったことで地下の貯蔵庫に入れるようになった一同。

道中、みーくんの親友やくるみの親友が変わり果てた姿で襲ってきますが、互いが互いをカバーし、難所を突破していきます。

食料も手に入り、秋には学校祭を執り行います。しかし、チャッカマンを手にしたゾンビが地下のガソリンに火をつけ、学校に火が回ります

 

鳴り響く警報に、ゾンビもバリケードを突破し、彼女らに襲い掛かります。

くるみは完全にゾンビに囲まれ。りーさんとみーくんは逃げ場を失い。ゆきは、全員とはぐれ、火が付いたゾンビと対峙します。

どうあがいても逃げ場がない絶望的な状況。すべてを諦めようとしたくるみに、先輩が「転んでも立ち上がるくるみが好きだった」と心に訴えかけます

先輩はゾンビ化する直前、屋上でくるみに想いを告げていたのでした。くるみは立ち上がり、シャベルを武器にゾンビをなぎ倒します。

④物語の「結末」~”そつぎょう”と彼女らに射した光

部室に向かうくるみは、間一髪でりーさんとみーくんを救い出します。一方で、くるみは隙を付かれゾンビに噛まれてしまいます。

不安がる2人。しかし、くるみは先輩のパワーバランスブレスレットによって九死に一生を得ていました。3人はゆきを探しに向かいます。

 

ゆきは保健室にいました。彼女が向かい合うのはゾンビ化しためぐねぇ。めぐねぇは騒動の最初期に3人を守り、自らゾンビとなっていたのでした

くるみはめぐねぇを「楽にし」、ゆきも現実を直視するようになります。食料が尽きた学校を「卒業」することを一同は決めます。

 

卒業式を行い、めぐねぇが遺した車で次なる場所へ向かいます。涙の卒業式から一転、空からは太陽の光が射しこんでくるのでしたーー

当作品の感想と考察、評価・レビュー

結論から申し上げると、

とても面白い映画

でした。「どんな物語か」を知っているのに普通に引き込まれてしまいました。レビューとして点を付けるとすれば80点は付けられる作品でした!

 

アニメ・原作と一致している部分もしていない部分もあり、それらがいい方向にも悪い方向にも出ているように感じます。

まだ見ていない方で気になった方は今からでも映画館に向かうべきです。

アニメ版・原作版との相違点を整理

自分自身の「がっこうぐらし!」の履修状況は

〇アニメ全話視聴&3話以降当ブログにて考察
〇原作は5巻(=アニメの最終回と同じ)まで読了。6~10巻は購入済み、未読。
〇アニメBDは通常版は1巻のみ購入、BDBOX購入済み

といったところです。6巻以降はアニメ2期に託してまだ読んでいません。

 

以下、アニメ版・原作5巻までのネタバレを含みます。

 

 

では、まずはアニメ版・原作との相違点を整理します。なお、原作とアニメ版でも違いがある箇所については「アニメ版」を基準に話を進めます。

全部書いていくとキリが無いので、要点に絞っていきます。

一致している点

①大まかなストーリー構成

ここが守られていて本当に良かったです。

ストーリーがまるっきり変わってしまえば、それは「ただのパニックホラー」であり、「がっこうぐらし!」ではなくなってしまいます。

上記のあらすじを読んでいただければ分かりますが、おおむね原作やアニメに沿って物語が進んでいきます。みーくんと出会った場所などは異なりますが、それぐらいは特に気にならないレベルでした。

 

②心に残る印象的なセリフの再現

一番よかった部分はここです!

ぱっと思いついたのは、みーくんの「おいしい…(なお、目は明けていた模様)」、ゆきの「ごみん」、りーさんの「どうして!なんでこうなるのよ!」です。

特に、ゆきの「ごみん」はゆき役の長月さんがうまく階段下へフェードアウトしていく姿と非常にマッチしていた気がします。

 

一方、「どうして!」については、セリフやシチュエーション自体は再現してくれていましたが、少し残念。

あのシーンの良さって「これまでしっかりしていたりーさんが少しづつ壊れていって、感情を爆発させたところをゆきが助ける」という一連の流れにあるんですよ…。尺の問題だとは思うのですがその部分が描かれていませんでした。

 

③めぐねぇが「遺した言葉」

アニメ版で印象に残っている展開として、めぐねぇがゆきに遺した「あなたの笑顔は皆に元気を与えている」という台詞があります。

これによって、ゆきは皆の前で笑顔でいようと努めた(それは彼女自身の”意識”が消えた状況でも続いた)わけですが、映画版ではこれをパワーアップさせてくれました。

 

ゆきに遺した言葉に加え、くるみとりーさんにも彼女は言葉を遺していました。くるみには皆を守ることを託し、りーさんには部長でいることを託して。

その上で、学園生活部が生まれているわけですから、めぐねぇの想いは全員に受け継がれていることを感じられるシーンでした。好改変の1つだと思います!

…実はめぐねぇと別れるあのシーンでうるっときたなんて絶対に言えない

異なる点

①登場しない人物(動物)がいる

チョーカーさんと太郎丸…。太郎丸は学園生活部で飼っている犬です(原作とアニメでは扱いが大きく異なります。詳細は割愛)

特に、アニメ版においては太郎丸が良い役割を演じていたため、出てこなかったのは少し残念でした。

 

②めぐねぇに引導を渡した人物

映画があまりに自然な流れだったため、「あれ?めぐねぇはくるみが倒すんだっけか?」と思い込んでしまいましたw

アニメ・原作ではくるみがめぐねぇに噛まれ、みーくんがめぐねぇに「お礼」を伝え、みーくんがめぐねぇを倒します

ここについては、尺も考えるとくるみがめぐねぇを倒すという構図でも問題ありませんでした。むしろ、流れが自然で好改変だったと思います。

 

③くるみの襲撃の結末

上で書いたように、くるみが噛まれなかったのが大きな変更点です。

理由は何点かあると思いますが

・先輩との関わりをクローズアップさせるため
・あくまで映画版の「主人公」はくるみであるため

の2点が主な理由でしょう。

 

前者は実写版の宿命ですね…。男女の俳優さんを起用するために仕方がない部分です。

後者については、映画を通して引っかかっていた部分です。アニメではふんだんに描かれたゆきの活躍シーンがほとんどありませんでした。

一方で、くるみと先輩の関係が深く描かれるなど、くるみを中心に物語が進んでいった感があります。

ゆき視点で進める難しさがあるのは重々承知です。それでも、もう少し、もう少しだけゆきに活躍の場を与えてくれれば…と思わずにはいられません。

 

④ゾンビ襲来までの流れ

原作:ヘリ墜落→火災→ゾンビ襲来
アニメ:ゾンビ襲来→雷による火災
映画:ゾンビによる火災→サイレンが鳴り響きゾンビ襲来

どれも違ってどれもいいという感じです。むしろ、映画の中で完結させるのであれば、これしかない!といういい改変だったとも感じます。

満足した点①:あなどれない演技の数々

自分はアイドルという存在は好きでも嫌いでもありません。フラットな立場から見ても、十分に原作・アニメをトレースしてくれていたと思います。

特に、みーくん役の清原さんの演技が印象的です。現実を見ていないゆきを見たときの「こいつ何言ってんだ?」という表情と声色。それ以外にも、りーさんと一緒に逃走するシーンの動きも迫力満点だったと思います。

上で挙げたりーさんの「どうして!」のセリフも鬼気迫るものがあってよかったです。

サイレンによって襲い掛かってくるゾンビと闘うシーンは迫力的で、本当にスクリーンに没頭していました。切羽詰まった感が最高でした。

 

原作・アニメを知っている者からすれば、「ゆきはもっと”狂っている”だろう」と思いますが、大衆的な映画と考えればちょうどいい線だったのかもしれません。

アニメ版のゆきはガチガチのガチでやばいと思う。それがいいんだけどね!

満足した点②:精一杯見せてくれた「ミスリード」

アニメという媒体と、実写という媒体で決定的に違うのがミスリードのさせ方の難易度だと思います。

この作品でいうと、「ゆきだけが見ている世界が違う」ことと「めぐねぇが実在していないこと」をいかにうまく見せるかということです。

 

特に後者はカメラワークでうまくめぐねぇの存在をグレーにしてくれていました

ゆきと2人で話すときはゆき・めぐねぇの姿が一緒に映りますが、りーさんが「めぐねぇの部屋」に行くときは、2人の姿が交互にしか映りません。

結末(ネタバレ)を知っている私達にはニヤニヤできる演出ですし、初見の方も多少の不自然さは感じるかもしれませんが、スルーできるように作られていました。

 

前者については、特段印象的な描写が多くなかった気がします(ネタばらし自体が早かったからね)が、それでも屋上のシーンで背後に映る窓がよく見ると荒れていたり、と工夫は施されていたように思います。

やっぱりゆきが1人で授業を受けるあのシーンは身構えてしまいますよね…。

満足した点③:4人にスポットが当たる”心の弱さ”

いい感じに百合百合しさが出ていました。と、同時にほぼ均等に4人の心の弱さを描いてくれたことが好印象です。

特に、みーくん絡みです。

圭(友人です)のゾンビ姿を見て腰を抜かす姿、車の上でトラウマがフラッシュバックする姿…とクールさとのギャップがあり、リアリティがあったと思います。

最初は手をゆきの手を払いのけるのに、「体育祭」の後は手を握る描写、GOODです。

りーさんは「日常の不安」でくるみに抱き付くシーンがあり、そこは良かったのですがアニメ同様”少しづつ壊れていく面”をより前面にしてくれれば言うことなしでした。

 

もちろん、くるみも弱い面が描かれたのですが、ゆきは全体に支える側というようなイメージで、彼女の心の闇は深くクローズアップされませんでした。

こういうイメージもあって、ゆきが主人公枠ではなくなったのかな…?

不満だった点①:もっと「グロさ」を出しても…

呪怨スタッフが参加したということもあり、もっと「ホラー映画っぽさ」を期待していましたが、案外でした(ホラー映画好きな自分の視聴経験比です)。

火事によって黒くなったゾンビが横たわっているシーンはおお!と思いましたが、基本的には血しぶき等もありません。

 

いっそ、全年齢対象でなくしてもよかったのかなぁ…とも思いましたが、「誰もが見られる」というのも大切な要素なので難しいですね。

アニメに比べ、実写の方が「グロさ」は出しやすかったと思うので、少し残念です。

それでも、教室から腕だけ出ているシーンなどでカバーはされていたと思います。逆にホラー耐性が無い方でも見られるのは良い点と言えるのかも。

不満だった点②:卒業式いいいいいいいい!!!

これは短すぎる…。

自分は「真っ白い答辞を読むゆき」が大好きなので、それが描かれなかったのも…。何も書いていない答辞を読むからこそ、ゆきが本心で語っていることを感じられる屈指の名シーンです。

この辺がカットされたのは、良くも悪くもくるみを主人公にした弊害でしょう。

 

どうしてもくるみと先輩の関係性にクローズアップした結果、卒業式がややないがしろにされた感が否めません。

結局、色々書いてきましたが自分はこの作品に対し、かなり好意的です。ただし、1つだけ苦言を呈するとすれば「ゆきが主人公として描かれなかったこと」になります。

映画を見た方へ、まだ見ていない方へ

というわけで、長々と感想を書いてきました。

映画を見て、アニメを見ていない方にはぜひアニメ版も見てほしいと思います。大まかなストーリーこそ同じですが、細かな部分は違う部分もあります。

ラストアイドルの皆さんの演技がよかったように、水瀬さんをはじめとした声優さんの演技もとても素晴らしく、考察要素も多いアニメです。

あ、3話からはこのブログの考察を参考にしながら見ると100倍楽しめますよ(宣伝)

www.anime-kousatsu.com

 

アニメ・原作を見たけれど映画を見ていない方へ。実写版というと「えぇぇ…」となりそうですが、原作の良い部分も受け継ぎつつ楽しめる映画になっていました!

ぜひ、土日にでも映画館に足を運んでみてはどうでしょう。批判するのはそれからでも遅くないですよ!

もっとも、Fate/HFもあれば「あした世界が終わるとしても」も公開されるので、時間的な制約はあると思いますが…。

 

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映画「実写版 がっこうぐらし!」の感想・評価・レビューまとめ

がっこうぐらし! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

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というわけで、映画がっこうぐらし!の感想でした。書きたいことは書いてきたので、特に追記することもありません。

この作品を機に、アニメが好きな方が1人でも増えると嬉しいですね。そして、2期の発表はまだですかー?

それでは、この辺で。