Fate/Zero再放送中!アニメと比べた原作小説の魅力を紹介
みなさん、こんにちは。
さて10月からアニメ「Fate/Zero」の再放送が放映されていますね。素晴らしい作画とストーリー展開で僕も大好きなアニメの1つです。
つい最近、この「Fate/Zero」の原作小説を全て読破したんですが(超今更)…
かなり面白いです!
というわけでZeroの小説版の魅力について書き綴ってみたいと思います!(作品に対する大きなネタバレはしていないので、未視聴&未読の方もどうぞ!)
そもそもFate/Zeroとは?
ニトロプラスの虚淵玄さんによる作品です。
TYPE-MOONのゲームである「Fate/stay night」の前日譚になっていて、stay nightで登場人物が時折語っていた「10年前の出来事」について詳細に語られています。
ちなみに表題にも書きましたが、原作小説の他、ufotableによって2011年と2012年にアニメ化もされています。stay nightとzeroの見る順番、アニメと原作の見る順番のおすすめは下に書いてあるのでまだ見たことが無い人は参考にしてみてください!
作品としての面白さは間違いなくトップクラスです。アニメ版では素晴らしい作画にも驚かされること請け合いです。
Fate/Zero小説版の魅力
では、実際に小説を読んだ者として、原作小説の魅力を書けるだけ書いてみます。
地の文による心情描写
小説の特権と言えばこれでしょう。とにかくこの作品は地の文で心情が多く描写されています。
例えばライダーのマスターとなったウェイバー君。アニメ版では「少し自信のある学生」というイメージでしたが、小説を読むことで想像よりも自分の魔術の実力に自信があることが分かりました。(実力は残念ながら、ですが…)
その他、すでに11話の時点で切嗣とセイバーの関係性はひどいものになりつつありますが、そうなっていった経緯が詳細に地の文で描かれています。
アニメ版もでしたが、この作品は各陣営に目が向けられ、各陣営の動きが詳細に描かれています。例えば雁夜おじさんが主役のチャプターであれば彼の「想い」や「行動」が描かれることになります。
アニメでは描くのに限界のある部分も小説ではしっかりと書かれているのがおすすめできる第一のポイントです。
各キャラの心理状況の変化
上で書いた話と少し似ていますが、キャラの心情がしっかり描かれていることでアニメ版のいい意味で補完的な役割を担っています。
BS再放送ではすでに10話「凜の冒険」まで放送されたと思うので、それよりも前のエピソードから例を引っ張ってきます。例えば切嗣vsケイネスの闘い(8話でしたっけ?)の裏で行われていた綺礼vsアイリ&舞弥での一コマ。
僕が理解に乏しいだけか分かりませんが、アニメ版を見た限りではアイリと舞弥は互いに信頼しているような関係なのか、と思っていました。
勿論、アイリは舞弥のことを信頼はしていますが、この場面では少なくともアイリは舞弥に対して嫉妬心のようなものを感じています。
以下はFate/Zero3巻P.78より。
彼女が知らない衛宮切嗣を久宇舞弥は知っているのだ。もし舞弥の口から出た返答が、アイリスフィールの中の夫の像を打ち砕いてしまうほどショッキングなものだったらー
(中略)
ーやっぱり、この女(ヒト)は苦手だー
と、「自分の知らない切嗣」を知っている舞弥に嫉妬しています。かわいい。
しかし、その後綺礼の気配を察知し、アイリは舞弥が自分と同様、切嗣の為なら自分の命でさえも賭けれる存在であるということを知ります。
だからこそのアニメ版のあのセリフに繋がるのです。
「人間の心って不思議よね」(アイリスフィール)
と、まあ”あのシーンであのキャラがした言動”が色々と分かります。
他にも例をあげておくと、時臣の綺礼への第一印象、綺麗が酒を集めている理由、キャスターが工房を破壊されて怒らなかった理由(これはアニメではまだかな?)など…
勿論後半にいくほどこういうシーンは増えてくるんですが、書きすぎるとネタバレになってしまうのでこの辺で。
「カット」された部分がキャラを引き立てる!
当然アニメでは時間の制約上、原作小説と比べると「カット」された部分が非常に多く存在しています。
第11話で放送される「聖杯問答」はその最たる例でしょう。BD版では5分エピソードが追加されたバージョンでしたが、放映版では原作と比べるとかなり端折られています。小説版で読むと11話のイメージもだいぶ変わります。
原作を読むと、アニメ版よりもギル様がよりセイバーを小馬鹿にしている感じが伝わってきます(笑)
そして、ライダーはセイバーに「突っかかる」というよりはセイバーを「諫めよう」という雰囲気が原作にはありました。
そして、一番は非常に重要な意味合いを持つであろう、ギルガメッシュのこのセリフがカットされているんですよね。
決めたぞ。- ライダー、貴様はこの我が手ずから殺す。
(Fate/Zero 第3巻P.231より)
ライダーの話を聞き、ギルガメッシュがライダーのことを自分の敵だと認識した瞬間です。ここに至る経緯を読んで鳥肌が立ちました。
あとは地上波という意味合いで放映できなかったのはキャスター&龍之介の「人間オルガン」のくだりでしょうか。嫌な予感がしたあなた、大正解。
確かに見ていて「うっ」となるシーンではありますが、このシーンでより龍之介の異常性みたいなものが浮かび上がってきます。
と、このようにカットされている部分にこそ、深い意味合いを持つシーンがたくさんあるので「アニメと同じじゃん」と読み飛ばさないことをおすすめします!
Fateシリーズは何から見るべき?
というわけでFate/Zeroの原作小説は強くおすすめしますが、まだ作品に手を付けていない人は何から見ればいいのか分からないと思います。
私見ですが、以下の順で見るのが一番物語にどっぷり浸かれるかと。
(①Fate/stay night ufo版アニメ)
②Fate/stay night 原作ゲーム3ルート
③Fate/Zero アニメ版
④Fate/Zero 小説版
いきなりこの小説を読んでもいいと思いますが、Fateシリーズに初めて触れるのに、この小説から始めるのはよくないと思います。多分世界観が想像がつかないまま終わってしまうかな、と…。世界観を手っ取り早く知るのはやはりアニメ版だと思います。
上ではstay nightからのプレイをお勧めしていますが、実際はZeroから入っても問題はないと思います。なので、この記事で興味を持ってくれたり、今再放送版のZeroを見ている人はいきなりZeroアニメ→Zero小説と繋いでしまって大丈夫です。
要するにFateシリーズにある程度のイメージさえ持っていればZeroの小説を読んでも十分に楽しめると思います。なので
最低限①か②か③をこなした後小説版に入る(その上でZeroのアニメ版は先に見ておいた方がより楽しめる)
のがおすすめ、と言えます。
既にZeroアニメ版を見た方で、小説を読んでいない方は本当にもったいないです!
おわりに
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また、ゲーム版もやったことが無い方はぜひゲームにも手を付けてみてください。アニメになっていない桜ルートも非常に面白いです!
Zeroの記事を書いていたらアニメ版が懐かしくなったので、年末年始で全部見返そうかな、と思う今日この頃です。
それでは、この辺で失礼します。