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グランベルム 10話 感想&考察!水晶の秘密とハッピーエンドに向けた”唯一の道”とは?

第10話「もの思う人形」

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ー生きてもないのに…何で…痛い…(満月

 

覚悟はしていたけれど、とても重たい、辛いエピソードでした。残り3話の組み立て方がとても気になる引きとなっています。

というわけで、グランベルム 第10話「もの思う人形」の感想・考察記事になります。10話までのネタバレが含まれているので、未視聴の方はご注意を!

グランベルム 10話のあらすじ・ネタバレ

満月は水晶から自分が「ただの作られた人形」であることを告げられます。更に、新月の孤独に応える形でマギアコナトスが作ったものであることも明かします。

九音は水晶の中の四翠に導かれるよう攻撃を続け、とうとう水晶の中から四翠の魂を救い出します。しかし、痛みを感じない水晶は突きつけられた刃を九音に突き返し、雪月梅花ごと四翠を飲み込んでしまいました。

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戦いの後、満月は寧々から自身の正体について伝えられます。全てが作られたもので、彼女は小日向家からも忘れられ、魔力が弱まり透明人間のようになっていました。

更に満月が存在するためには魔力が必要であることを知ります。プリンセプスの魔術師に魔力を供給してもらう必要があること、九音の存在が「消えた」ことも合わせて知ります。

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新月は水晶と相対し、グランベルムが”試練”であると伝えられます。

新月は両親がいないこと、アンナの暴走、満月が人形であること全てが魔力による「祝福」であることを知ってしまいます。

新月の葛藤、生きていないのに痛みを感じる身体、死ぬのは怖いという心。全てに苦しみ、1人たたずむ満月に近づいたのは九音の姉・四翠でしたー。

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以上です。

10話の感想と考察

このアニメの癒し枠がもう寧々ねえしかいない…。ここ数話で一気に展開が動いたので、内容の整理から入っていきたいと思います。

各キャラクターの動き・結末を整理する

キャラごとに起こったこと・現在の状況をまとめてみます。

 

①小日向満月(2つめの見出しで詳しく考察)

・自身の正体は新月の願いでマギアコナトスが作った「人形」であった。
・「人形」であるが故、プリンセプスの魔術師にはなれない。
魔力の供給が無ければ存在は消える。存在を周囲から忘れられた。

 

②新月エルネスタ深見

・アンナとの激闘で、ヴィオラカッツェに大損害を受ける。
・事実上「グランベルムに唯一勝利できる資格」を持つ(3つめの見出しで考察)

 

③林寧々

・グランベルムに敗北後、満月のサポート役になる。
・希望は満月を忘れてしまったが、寧々と希望の関係性に満月は入り込んでいないため、寧々のことは覚えていると思われる。

 

④土御門九音(5つめの見出しで詳しく考察)

・水晶の中に眠る姉・四翠に導かれ、水晶を撃墜するが返り討ちに遭う。
・寧々たちが存在を忘れたことから”亡くなった”ものだと思われる
・逃がした魂によって、四翠がこの世に復活した。

 

⑤袴田水晶(2つめの見出しで詳しく考察)

・爆発的な火力を持ち、グランベルムの過去や正体を知っている様子。
「痛み」を感じない存在。
・九音の短刀に何も付いていないことから、身体の中に血も流れていない

 

その他、アンナは”死亡”し、アンナが存在の代わりにロサが入っています。以下では、上記の内容に補足しながら更なる整理・考察をしていきます。

満月の正体、水晶の正体の”答え合わせ”

前回の第9話でも考察してみた満月、水晶、(希望)の正体。核心に迫る内容までは考察しきれませんでしたが、満月の正体の考察等は当たっていました。

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満月の正体は、水晶が嘘をついていない限り(寧々の帖佐に間違いがない限り)、マギアコナトスによって造られた「人形」でした。

更に言うと、新月の孤独を癒すために造られた存在です。ネーミング的に”新月”という月の無い暗闇が満たされて「満月」という名前になるのが面白い部分です。

 

今回、新月の願いと自分自身の存在の矛盾に満月は絶望していました。この辺りは前回書いた内容とドンピシャでした!

満月が魔力で作られた存在であるとすれば、それは新月にとってはとっても、とっても残酷なことで。

自分の目標である「この世から魔術を消す」ことを達成してしまえば、小日向満月という存在も一緒に消えてしまうわけですから。

(上記当ブログ9話記事より)

満月が消えないためには魔力が必要、でもそれは新月の「魔力を消す」という願いとは真逆の位置に位置することになります。

新月は自分の願いか、満月という存在かのいずれを選択しなければいけません。

 

水晶についても、前回の考察内容に近いものが正解だったようです。九音の攻撃で魔力が蓄積されていく中で、ホラー映画に出てきそうな人形のような姿になっていました。

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更に、九音の攻撃を受けても血が出なかったこと(九音は出ています)、数々の言動などから少なくとも人間ではない、むしろ満月と同じ「人形」である可能性が高いです。

 

水晶はグランベルムの開催者というよりは、何度も何度もグランベルムに勝利しているプレイヤーと見るのが正しいのかもしれません。

水晶は幾度となく勝利していますが「人形」であるため、プリンセプスの魔術師にはなれず、毎回毎回グランベルムは勝者無しの「ノーカウント」が計上され続けてきた…。

 

こう考えると、水晶がグランベルムに詳しいのは何回も参戦しているからですし、水晶が満月に「鏡になってあげる」と伝えた理由にも”自分も人形だから”ということで、諸々の内容に説明が付きます。

この辺りは、彼女の中にいた四翠の口から語られるはずなので楽しみです。

 

希望については、ただの一般人でした。小日向家の魔力が大きかったのは、”家族を1人増やす”という特に強大な魔力介入が行われていたからだったんですね。

マギアコナトスの悪意と、最終回に向けすべてを解決しうる「たった1つの方法」

アンナに続き、九音も犠牲になってしまったグランベルム。グランベルムの「敗北の代償」については、アニメ開始当初から書き続けていた内容でした。

www.anime-kousatsu.com

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このアニメのたちの悪い所(褒め言葉です)は、プレイヤーが命を落としても、誰もそのことを知る由が無いということです。

いくらでも魔力介入によって世界のあり方が変わる世界です。

もしかすると、これまでの戦いの中でも何人も魔力を暴走させることで命を落としてきた魔術師候補がいたのかもしれません。

表向きには”いないはず”の死者、しかし、その実は知らぬ間に闇に葬られてきた魔術師候補が山ほどいる…。マギアコナトスの明確な「悪意」を感じられる設定です。

 

ただし、逆の視点で見ればアンナが亡くなったこと、九音の存在が消えたことは、あくまでも「グランベルム」の中で行われただけの事実に過ぎません。

つまり、「グランベルム」を開催しているマギアコナトスさえぶっ壊せば、この中で行われた全ての事象がキャンセルされ、この戦いでの死者が現実世界に戻ってくる…という可能性は無いでしょうか。

 

きっとそれだけが、物語をハッピーエンドに終わらすことのできる「たった1つの方法」だと思います。そのためには水晶も倒す必要がありますが…。

そして、それが出来るのはここまでの仮説が正しければ、新月ただ1人です。彼女だけは唯一人形ではない、普通の人間のはずなのですから。

 

ただし、ネックになるのは魔力の供給が終わってしまうことで、やはり満月が消えてしまうであろう、ということ。

魔力を人形である満月に注入し、その後にマギアコナトスを破壊する…という順でいけば…いや、それでも後味の悪い結末にはなってしまいそうです。

ガラスに映る表情、水面に映った表情

難しい考察のブレイクタイムということで、優れた演出をご紹介!今回は、自分が人形であることを知り、絶望する満月を映し出した”モノ”についてです。

満月の姿が映し出された場面は

①女性にぶつかって倒れ込んだ際の「影」

②コンビニの窓ガラスに映し出された姿

③林家を出て、水面に自分の表情を映した姿

の3つです。

 

<①の場面について>

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ここでは影が映し出されています。

女性しか歩いていないからわざわざ影は映したのか(他に人がいれば陰で満月を”観測”出来てしまうので、何も映らなかったのだと思われます)、満月という存在が暗いモノ(=影)になっていく姿を現しているのかとどちらでも取れる演出です。

 

<②について>

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車の姿は映っているのに、満月の姿は映っていません。①の場面とは逆に、お店の中に人がいる場面なので、満月の姿が映し出されるわけがないのです。

周囲の人間は満月を「透明人間」同様に見ていて、彼女の姿は見えないのですから。

 

<③について>

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1人で水面を見つめる満月。ここでは、林家で貰ったお札で存在がいったん確立されたことから、表情までしっかり映し出されています。

1人のキャラの映し出され方にも違いがある、面白い描写でした。

九音の最期と四翠が復活した理由とは

最後に九音と四翠について書いてみます。

アンナのときと同じように?、九音の身体はマギアコナトスに吸い込まれるように消えていき、その存在を外部の人は覚えていませんでした。

 

で、彼女と入れ替わるように、四翠が満月の前に現れるわけですが…。これはご都合主義でも何でもなく、九音はしっかりと最期の瞬間に四翠を逃がしています

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赤い光が、水晶から抜き取った四翠の魂のようなものです。

確かに、九音はこの光を逃がし、マギアコナトスに吸収される直前、赤い光が逃げるように宙をさまよっています。

 

四翠が渡した短刀を手に、九音が水晶に眠る四翠の魂を取り戻し、結局九音は四翠の代わりになるような形で姿を消しました。

四翠はこうなることまで見越して九音に短刀を渡したのでしょうか。姉→妹→姉の復活という流れを感じ取ることができる、美しい姉妹愛だったと思います。

何としてでも、四翠が九音のことを覚えていますように…。

アニメ「グランベルム」10話感想まとめと11話に向けて

月を追う真夜中 (期間生産限定盤) (DVD付) (特典なし)

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というわけで、グランベルム第10話の感想・考察記事でした。

激動の展開で何が起こったのか掴み切れなかった方もいらっしゃったと思います。ぜひ、当記事を読んだ後にもう一度見直してみてください~!

次回第11話は「たとえさよならが届かなくても」です。それでは、この辺で。

 

【追記:11話の感想・考察はこちらです!】

www.anime-kousatsu.com