荒ぶる季節の乙女どもよ(荒乙) 10話 感想&考察!泉の告白の真意とひと葉・新菜の”終着点”
第10話「穴」
ーはじめて同士じゃ上手くいかないよ、きっと。私で練習すればいいじゃない(新菜)
はあああ…ため息が出るほど面白くなってまいりましたよ!何となく収拾がつかずに終わる可能性もありそうだけど、それはそれでよいのかも?
というわけで、荒ぶる季節の乙女どもよ。(荒乙)第10話「穴」の感想・考察記事になります。10話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
荒乙 10話のあらすじ・ネタバレ
和紗が自宅で下着について悶絶している間、り香と駿はひと葉が山岸先生の車に乗り込むのを目撃します。新菜は泉に「私としたくない?」と尋ねますが、泉はそれを拒絶します。しかし、身体は…。
山岸先生とひと葉はホテルの一室に入り、り香たちもそれを知ります。連れられた駿は「曾根崎さんを大切にしたい」と伝え、場所を移すことを提案します。
ひと葉にどう対処するか悩む山岸先生に、ひと葉は自分の下半身を押し付け、ベルトを外します。それでも反応しない彼に、ひと葉は泣きながら「私には魅力が無いの!?」と尋ねますが山岸先生は「俺に意気地が無いだけだ」と答えます。
一方、百々子は杉本と会いますが、百々子は彼を拒絶します。1人になった百々子は新菜に「多分、好きなんだ」と電話し、一方的に電話を切ってその場で涙します。
新菜も泉に拒絶され、自身の”一人ぼっち”っぷりを噛み締めていました。泉は和紗に「好きだ」と電話をかけ、和紗は喜びますが泉の表情は浮きません。
翌日、手を繋いで登校しようと提案した和紗はやんわりと泉に断られます。そして、3年生の教室ではり香の友人・園絵が妊娠し退学したことが知らされるのでしたー。
以上です。
10話の感想と考察
登場人物が、野郎も乙女も皆合わせて荒ぶりまくっている…!駿を見た後に杉本を見ると、彼は流石にただのやばい奴ですね…。
泉の心情の移り変わりについて
色々と出来事が勃発した10話ですが、自分の中でぶっちぎりに面白かったのは泉の心情変化とその行動です。
「痴漢されている」と告げ、泉に守ってもらおうとした場面。泉は一度新菜のスカートから手を離そうとしますが、その後再び新菜のスカートに手をかけました。
新菜の証言からこのときの泉の下半身は”反応していた”ようです。いたって普通の正常な反応ですが、これが泉に「穴」を空けることになります。
逃げるように列車を降りて、言葉では反発してみて。「新菜としたくない」とは言いつつも、「勃ってたくせに」と言われ、何も反論ができません。
和紗が好きなはずなのに、新菜に自分は反応した。そのことで、泉は自分を責め、更に和紗に電話をかけます。
「好きだ」と伝えた電話は、和紗に伝えるためのものでもあり、自分自身に言い聞かせるためのものでもあるのでしょう。
「好きだ」とまだ言える自分に安心して、自分は和紗のことが好きな”はずだ”と刻みこんでいるように思えてなりません。
潤んだ瞳の泉は見るにたえません…。そこに、初めて告白したときの赤面っぷりも、恥ずかしがっている姿もありません。浮かれる和紗の表情と対比関係にあります。
1話から一貫していた泉の真面目さ。この部分が最大限に発揮された素晴らしいストーリー運びだったと思います。
新菜としては、もしかすると泉の全てを和紗から奪うつもりはないのかもしれません(前回も百々子に「奪うように見えるかもしれない」と発言していましたね)。
三枝の言う”少女から大人になる瞬間”は、彼の理論では、最初に身体を交えた時点で達成されます。であれば、最初の1回だけ、和紗から奪い取れば新菜は三枝の言ったことを理解できることになります。
「練習すればいいじゃない?」という発言は歪んだ物に見えますが、新菜に未だ眠る三枝の存在が見え隠れしている発言にもなっているように思えて、面白いです。
叶ったはずのひと葉の妄想、山岸先生のどっちつかずの「逃げ」
続いては、ひと葉と山岸先生のカップリング。とうとう山岸先生が動揺するレベルでひと葉は「奇襲」をかけました。
面白かったのは、ひと葉の妄想と現実が地味にリンクしていたことです。どちらの中でも、先生は声をやや震わせて「ひ、ひととさん…!」と発言しています。
ひと葉の狙いは確かに叶ったはず…なのですが、最後の部分だけうまくいかなかったのも、また彼女らしい部分です。
そして、彼女の叫びは前回の記事で書いた「自分と富多先生の違い」に波及していきます。性格も体型も、全てが違う”大人”にひと葉は嫉妬します。
なだめる風に山岸先生は「僕に意気地がないからだ」と伝え、ひと葉の頭をぽんぽんしますが、これは山岸先生の”逃げ”ではないでしょうか。
確かにこれは好きというわけでも、拒絶するわけでもない、「大人の対応」です。
それでも、泉も、和紗も、百々子も、駿も伝えた「好き」や「大切」という言葉、もしくは拒絶する言葉を使わず、彼はさらっとひと葉をかわしてその場を鎮めました。
これこそが自分が山岸先生に魅力を感じている部分ではあるのですが…うん、やっぱり彼は「ずるい」と感じます。
真逆の位置にいたひと葉、新菜の共通した「終着点」
ひと葉の山岸先生を落とそうとする手口と、新菜の泉を落とそうとする手口がまるで「子供と大人」のように、対照的な位置にあることは前話の記事で述べた通りです。
10話でも、ひと葉は何の考えもなく自分の身体を山岸先生に押し付け、新菜は狡猾な手段で泉の手を自分の下半身に誘いました。
と、”手段”だけを見ればまるで正反対の行動をしているように見える2人。しかし、2人が得た”結末”は全く同じものでした。
ひと葉「(山岸先生に対して)そんなに私、魅力ないですか!?」
新菜「(泉にフラれ、誰からも声をかけられず)私には…魅力がない」
「自分には魅力が無い」と同じ結論に達する2人。個人的には鳥肌が立つレベルで素晴らしかったシーンでした。
あの常に達観して物事を見ている新菜が、ひと葉と同じレベルまで(こう書くとひと葉さんに失礼な気がしますが許してくださいw)下がったわけです。
弱り果てた新菜は、百々子の告白にも何も答えられません。自分の内に想いを秘めた百々子より、声に出して叫んだひと葉の方がまだ楽になったのではないでしょうか。
全てのキャラと対照的なり香・駿ペア
園絵の問題はあるものの、割と順調に物事が進んでいるように見えるり香・駿。この2人の行動(主に駿ですが)が残り4ペアの現状と対比される状況にあります。
・駿の「曾根崎さんが大切だから…」発言
→新菜が泉に言われたいこと、ひと葉が山岸先生に言われたいこと
・夜中のバス停で手を繋ぐ駿とり香
→和紗が繋げなかった手、百々子が新菜に触ってほしかった”穢れた部分”との対比
自分たちの知らない部分で色々起こっているのに「天城マジック!」とか「キューーーーン!」とか言っているり香さん、そろそろ文芸部メンバーに殴られませんか…?
いや、まあ幸せそうで何よりなんですが(笑)
一つ不安なのが、次回予告で山岸先生が「処分するなら僕を」という風な発言をしていたことです。もしかして、り香はひと葉のことを誰かに告げるのか…?
アニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」10話感想まとめと11話に向けて
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というわけで、荒ぶる季節の乙女どもよ。10話の感想・考察記事でした。
残り3話で、それぞれの関係がどこまでまとまるでしょうか。そして、次回のタイトルを見るとり香・駿カップルにも、もう1つ壁が訪れそうです。
そんな第11話は「男女交際禁止令」です。それでは、この辺で。
【追記:11話の感想・考察はこちらから!】