グランベルム 11話 感想&考察!満月と新月のネーミング、通じ合った謝罪と感謝
第11話「たとえさよならが届かなくても」
ー何もないように見えて、世界にはすごい素敵なことがたくさんあるって。(満月)
思っていたよりも格段に、丁寧に最終決戦直前の様子を描いてくれました。勝負の先に何が見えるのか、まだまだ楽しみな部分がいっぱいです。
というわけで、グランベルム 第11話「たとえさよならが届かなくても」の感想・考察記事になります。11話までのネタバレが含まれているので、未視聴の方はご注意を!
グランベルム 11話のあらすじ・ネタバレ
満月の前に現れた四翠は九音のことを覚えていませんでしたが、その名を聞き、涙します。新月は満月に電話をかけ、満月の「私が居ない方がよかった?」という発言を聞き、家を飛び出します。
心の弱さにマギアコナトスが反応し、満月が産まれたと涙し、謝る新月。でも満月は「ありがとう」と答え「何もないわけじゃないし無くならない」と答えます。
魔力が無い方が、世界の素敵なことに気が付けるはずだと語る満月。満月は自分が消えることを顧みず「新月ちゃんに魔力を消してほしい」とお願いします。
最後の勝負の直前、四翠・林3姉妹・希望も一緒にキャンプへ行きます。やはり希望は満月を忘れていましたが、それにも満月は笑顔で対処します。
アンナの料理の上手さを思い出し「私には何もない」と言う新月を、満月は励まします。楽しい時間は料理と四翠の弾き語り、そして花火で幕を閉じようとします。
満月は1人、花火の火で「バイバイ」の文字を描き姿を消します。追いかける新月。まだ新月だけは満月を観測することができました。
満月は改めて魔力を無くすべきだと説き、新月と共に最後のグランベルムへ臨みます。水晶は2人の登場を「試練よ」と呟き待っているのでしたー。
以上です。
11話の感想と考察
新月と満月のやり取りががっつり描かれて大満足の「日常回」でした。最後に手を取り合った2人が尊すぎる…。本当に素晴らしいエピソードでした!!
シンプルで最高すぎた「ごめんなさい」「ありがとう」
新月が涙を流しながら満月の元へ走っていく場面。新月は満月に「ごめんなさい」と言い彼女を抱きしめ、満月はそれに「ありがとう」と答えました。
視聴者サイドから見れば、新月が何を考えて、どこまで苦しんで走っていったのかが分かりますが、満月にはそれを知る由がありません。
「ごめんなさい」に「いいんだよ」(普段の満月ならこのように返すのではないでしょうか?)とかそういう肯定する言葉ではなく、「ありがとう」と彼女は答えたのです。
何となくの相槌じゃない。明確な自分の意志で「ありがとう」と伝えています。
新月がいたから自分はこの世に存在出来て、なんてことの無い日常のすばらしさを知ることができたんだよ、と。
それも、新月が自分の孤独に耐えきれない心の弱さを悔いて「ごめんなさい」と言ったことを全て理解した上で感謝の意を述べています。
満月が新月の想いを汲み取ることができたのは、満月が新月の「心」だからなのか、それとも真の意味で心が通じ合っているからなのか…。
涙を流す新月に対して、11話の中で1度も、1度たりとも涙を流さなかった満月。四翠とのやり取りもあり、満月がどこまで強い少女なのか驚かされます。
見えていないのに見える、いなくなってはいない存在~”新月””満月”の名前に込められた意味とは~
「見えていないはずの満月」の空気を感じ取る一般人の姿が2度描かれました。
1つめは、ファミレスでのシーン。クラスメイトと共に座る満月は、存在が薄くなっていることから気が付いてもらえません。
前回の記事でも書いたように、今回も窓ガラスに満月の姿だけが映し出されていない演出が、グランベルムの残酷さを際立たせています。
このシーンって本当に満月にとっては残酷だったと思います。満月が1人で食事をしている最中に、彼女のことに気が付かず2人が座り込んできたわけですから。
それでも、彼女らは満月のことに触れます。笑顔で満月の方を向いた少女は2話で満月からお弁当を貰った女の子でした。
2つめは、コンビニの前での新月との会話です。店員からは満月を見ることができず、新月が1人でベンチに座っていると勘違いしています。
しかし、この店員も「良い空気ね」と新月に語り掛けました。ファミレスでも、コンビニでもいないはずの満月の存在を感じ取って、一般人が反応しています。
満月は「見えてはいないけど」無くなっていない、と言います。
吹っ切れたように見える満月の言動。満月が過去にお弁当を渡していなければ、クラスメイトの女の子は気が付いてくれなかったかもしれません。
過去の彼女の行動が今に繋がる素敵な描写でした。
ちなみに、満月はコンビニの前で日常の感情や行動を”すごい”と語り、世界にはたくさん素敵なことが溢れていると言います。
その中でも特に印象的だった言動はこちらです。
満月「満月が無くなって新月になる。夜空を照らしていた真っ白な光が無くなると、真っ暗闇になるような気がするけどそうじゃない。星はある。新月だから見える星。満月だった時には見えなかった星が…。だから満月が無くてもきっと大丈夫」
自分は、10話を見た時点で新月の満たされない空っぽの心(=新月)を満たすのが満月だから2人の名前が決まったのだと思っていました。
でも、実際にはそれだけじゃなくて。あくまでも新月にも、満月にも優れた部分がある、というように満月は語っています。
何もない空っぽな心や風景だからこそ見えるものもあるんだ、と語る満月の発言には重みがあります。
魔力が空っぽになった世界でも生きられる=新月(人間)
魔力で構築されている存在=満月(魔力でいっぱいの人形)
というように、その人物の存在が魔力で満たされているかどうかという部分も2人の名前を分ける大事なポイントになっているんですね。
満月と「魔術師」の違いとは
満月とそれ以外の魔術師の違いが決定的になったのがこの11話です。
「人形」である満月と、あくまでも「人間」である魔術師たちの違い。それは苦手・得意なものの有無だと思います。
人間には誰しも、苦手なもの、得意なものがあります。
完璧に見えた新月も料理は苦手で、普通の勉強の成績はアンナよりも劣っていました。寧々は高いところが苦手であり、四翠は歌を歌うのが得意でした。
それと対比されるように、満月はどこまでも「普通」の”人間”として表現されています。満月のお弁当を食べた新月はやっぱり「普通」とその味を評しました。
「普通」であること「何もないこと」こそが、満月が人形であることの証明になっています。言われてみると、ここまで満月に得意・不得意な物は一切描かれていなかったような気がします。
そういう客観的な事実を乗り越えて、満月は自分に「何もないわけじゃない」という結論に達しました。…繰り返しになりますが、満月は強い女の子です。
満月の決死の誓いと2人の誓い
最後に皆の前を離れる際に満月が描いた花火の「バイバイ」の文字。文字が消えて、満月が消えるまでの無音の時間はとても長く感じました。
言葉で言うだけでなく、ここにいたことを証明するかのように空中に文字を描いた辺り、満月の「もう誰とも会わない」という誓いを感じることができます。
満月の凄いところは、新月が水晶に負けるなんてことは一切考えていないことです。まだ迷う新月に、満月は魔力を消してと再度お願いします。
一応は手を取り合った2人ですが…新月が決断する「その時」になったら、どういう判断をするのかが楽しみすぎます。
一応、前回考察したように「マギアコナトスの破壊」まで至ればアンナや九音は戻ってくるような気がしなくもないですが…
何とか満月も助け、魔力も消し去る方法は無いのでしょうか。この手のアニメではまだ見たことがない結末が見られることに期待しています!
アニメ「グランベルム」11話感想まとめと12話に向けて
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というわけで、グランベルム 第11話の感想・考察でした。
いつもよりも、まとまりのない文章になってしまったような気がして反省しています。ただ、それぐらい素晴らしいエピソードでした。
次回第12話は「グランベルム」です。さあ、正念場。それではこの辺で。
【追記:12話の感想・考察はこちらから!】