グランベルム 6話 感想&考察!”人形劇”が指し示すものとアンナが絶望した描写の上手さ
第6話「魔石」
ーそうね…控えめに言って”親友”ってとこね。(寧々)
BパートからCパートで面白さが更に加速してきました。魔術師ではない道を託されたアンナ。彼女の選択は最悪の方向に…。
というわけで、グランベルム 第6話「魔石」の感想・考察になります。6話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
グランベルム 6話のあらすじ・ネタバレ
満月が寧々の過去を見たのは”魔力が流れ込んできたからだ”と新月は説明します。寧々は現実世界では無事で、世界で唯一の魔術師ザ・ウィッチの誕生を見たいと言います。
アンナは戦いに使うべく、フーゴ家の強力な魔石を使おうとしますが、母親に却下されます。アンナは過去に母親でも成功できなかった術を成功させていました。
満月と新月は、九音の姉・四翠の”呪い”の話を知ります。一方、フーゴ家では水晶がアンナに「弟子をやめる」と宣言します。アンナは地下にこもりっぱなしになり、クレアが新月の元に助けを求めにやってきます。
満月と話をした新月は意を決し、フーゴ家を訪問します。そこに、斧を持ったアンナが新月に襲い掛かり、新月は「フーゴ家の真実」を伝えようとします。
アンナの母親は魔術師として未熟なアンナには、家を任せられないと告げます。アンナが成功させてきた魔術の数々は、新月の力添えによってなされていました。
絶望したアンナはプリンセプスの魔術師となることを新月に託した…ように見えましたが、彼女は母親を襲い、フーゴ家の強大な魔石を手に入れてしまうのでしたー。
以上です。
6話の感想と考察
次回予告の「ストーキングという名のライフワーク」っていうフレーズが破壊力満点すぎるwさすがにアンナが不憫になってきたぞ…。
水晶の歌と「人形」のお話
具体的に明言はされていないものの、グランベルムの真相に近づくような描写がいくつか見られました。
まずは、水晶が口ずさんだ歌について。内容は以下の通りです。
・歌詞の出だしは「月夜に始まる人形劇 本物は1つの人形劇」
・その後の歌詞の内容は「最後に残った人形は手を合わせてお祈りした。人形劇が続きますように。人形劇は始まった、隣の村でまた始まった」
続いて、新月が満月に語った「魔術師」の話。内容は以下の通りです。
・マギアコナトスは、なぜたった1人の魔術師を求めるのか?
・魔力を手に入れるために、我々魔術師は人形を操っていますが、操られているのは我々の方なのでは?
共通するのは「人形」というフレーズです。この「人形」をグランベルムに当てはめると、意味合いとしては「魔法」もしくは「アルマノクス」となりそうです。
2人の話を総合すると
①最後に残った人物は、まだグランベルムを続けるべく、別の場所で戦いを始める。
②術者が魔法を扱うわけではなく、マギアコナトスに人が操られている。
という2つのことが言えます。この2つにぴったり適合する人物は…満月でしょうか。
満月は6話の中でホワイトリリーに搭乗して戦うのが楽しい、というような発言をしていました。
更に、魔術師の家系ではない彼女が戦えているのは、マギアコナトスから何らかの力を得ていると考えると辻褄が合います。
…満月が無意識に何度もグランベルムに参加している、とかそんな感じでしょうか。
満月はグランベルムに参加することで、「自分」を見出し友人も出来ました。満月であれば、何度もグランベルムを続けようとする動機もあります。
もしくは、達観して物事を見ている水晶が、何度もグランベルムを開催し、”何か”を探そうとしているのかもしれません。
これまで唯一「希望・望み」が見えてこない水晶。
彼女こそが「裏の主人公」であり、何度も何度も人形劇(=グランベルム)を開催している、という可能性もありそうです。
唯一の魔術師ザ・ウィッチの正体
6話では世界で唯一の魔術師と呼ばれるザ・ウィッチという人物が登場しました。寧々もその人物の誕生を待ち望み、アンナもウィッチになるべく魔術を勉強します。
魔術の力が弱まり、魔術師となることは、魔術の家系に生まれた人間にとってステータスであることはこれまででも語られてきた通りです。
条件を満たせば、ザ・ウィッチが登場するのか、もしくはグランベルムの勝者がザ・ウィッチに近づく”権利”を手に入れられるのかは現時点では分かりませんが、この世界観に大きな影響を与える人物なのは間違いなさそうです。
ところで、1つ目の見出しで書いたように、満月が何度もグランベルムに参加しているとすれば、彼女こそがザ・ウィッチという可能性は無いでしょうか。
5話の記事で「リンフェンフェンの記憶が本当に消えている」とすれば、グランベルムの参加or敗北の代償として、記憶を無くすのでは?と書きました。
満月が見る夢は「真っ白な夢」。もし、グランベルムの代償が”記憶”に関わるものだとすれば、満月が何もない白い夢を見ることにも説明が付きますね…。
見ていて辛いアンナの「幻想の神童」と彼女に降り注ぐ「因果応報」
6話の見どころだった、アンナの怒り→絶望→反撃という流れ。
アンナ目線に立つと、怒り狂うのは無理もないことです。自分としては誰にも使うことができない魔術を成功させ「神童」だと自分のことを思っていたわけですから。
まるで「昔はすごかった!」と自分で語る「幻想の神童」のような姿です。
そんな彼女が新月と母親から真相を聞き、絶望するわけですが、”自分には才能が無い”という事実だけでアンナが絶望したわけではないと思います。
本当にこのアニメのスタッフは意地が悪い(褒め言葉)と感じたのは、この場面。
アンナが喜んで掴んだ、新月の右手。この右手から魔術は繰り広げられ、この右手こそがアンナが勘違いする原因を生み出した存在です。
その新月の右手をアンナは嬉しそうに握るのです。まるで、自分の手柄のように。何も真実を知らない無垢な少女だから。この上なく皮肉が効いた描写だと思います。
作中には出てきていませんが、こういった場面は何度もあったのでしょう。これらを思い出したことで、アンナは膝から崩れ落ちたのだと思います。
ちなみに、アンナのリアルファイトで相手に攻撃を与えられたのは、新月が自ら頬を差し出した3話だけです。魔術だけじゃなく、ここでもアンナに現実を突きつけます。
わざわざ水晶にも攻撃を仕掛けて、それを交わされる描写を6話で用意したっていう…
そして、アンナは暴走し、母親を手にかけます。
もっとも、ワインで眠らされただけのようにも見えます。滴っている液体が血だとすると、腕からしかこぼれていないのが不自然です。
…水晶が操って、リストカットさせたとかなら話は別ですが。
アンナの母親は、アンナがフーゴ家の魔石を使うことを禁じていましたし、九音は「魔力を使うと体調が悪くなることがある」という旨の発言をしていました。
アンナにとって強大な魔術を使うことで、アンナが次回とんでもないことになる未来しか見えません。ただ、それは母親を襲ったアンナへの「罰」なのかもしれません。
一歩引いた新月、料理で寄り添う満月
最後は新月、満月絡みで印象的だった描写をそれぞれご紹介します。
まずは、新月がアンナの母親と顔を合わせた場面。「戻ってきてくれたの?」という母親に対し、新月は一歩引いて会話をします。
3話では、新月はアンナの母親に抱きしめられました。今回は、アンナに真実を告げるためにやってきた新月。それは、アンナとの本当の決別に繋がる決断です。
彼女の「フーゴ家とはもう関われないかもしれない」という決意表明にも見えますし、言葉ではなく態度で母親に自分の意志を示した隠れた良シーンだったと思います。
もう1つは、単純ですが満月の九音・新月への寄り添い方。温かい料理を作って一緒に食べることで、満月は彼女らに寄り添います。
満月の料理を「普通」とは言いつつも、九音は美味しそうな表情で鍋を食べ、新月は満月の料理で笑顔になります。
既に満月は九音も新月も救っているんだなぁ、と感じた食事のシーンでした。
アニメ「グランベルム」6話感想まとめと7話に向けて
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というわけで、グランベルム 第6話の感想・考察記事でした。
次回はやはりアンナの退場回でしょうか。グランベルムには参加できなくなった林家の3姉妹や、満月の妹である希望の出方にも注目していきたいところです。
次回第7話は「ミス・ルサンチマン」です。それでは、この辺で。
【追記:7話の感想・考察記事はこちらから!】