はるかなレシーブ 12話(最終回)感想&考察&評価!感謝を告げ、未来へ走りだす!
第12話「だから私たちは、かけがえのない一人を選ぶ」
ー私のブロックは、クレアが教えてくれたブロックだから。(遥)
王道を貫き通したアニメは本当に美しい作品となりました。締め方も展開もトップクラスの作品だったように思います。
というわけで、はるかなレシーブ第12話(最終回)「だから私たちは、かけがえのない一人を選ぶ」の感想と考察を書いていきます。作品を通したネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
はるかなレシーブ12話(最終回)のあらすじ・ネタバレ
試合は一進一退の攻防が続きます。2度目のデュースを経て、かなたのポーキーによりはるかながあと1点で勝利する場面までこぎつけます。
遥は沖縄に来てからの自分たちのことを思い出します。いつも自分たちにはビーチバレーがあったー。そんな想いが通じたのか、クレアのスパイクを遥が見事にブロックし、はるかなペアの勝利が決まります。
試合が終わり、あのクレアが涙を流しました。遥やかなたには見られないよう、エミリの前でだけ…。
一方、勝ったのに表情が沈んでいたはるかなは「勝利を喜んで」という成美からのメールを読みます。再度、互いに抱き合い、2人は成美に感謝を告げます。
ビーチバレー部一同でBBQ打ち上げを行います。はしゃいで、食べて。そんな折、遥に成美から電話が来ます。改めて成美から遥へ感謝を告げ、全国で会うことを約束します。
裏ではかなたとエミリがあかりに感謝を告げます。2人になったクレアと遥は試合の「最後の場面」を振り返ります。
「クレアが教えてくれたブロックだから」と遥はまっすぐな目でクレアに伝えました。その言葉を聞いたクレアはエミリの物と合わせてシュシュを遥に託します。
最後の締めは5人で円陣を行うことにします。2人でしかできないビーチバレーだからこそ、かけがえのない1人を選ぶー。はるかなの挑戦はまだまだ続きます。
以上です。
12話の感想と考察
尊さ満点の作品でした。正直なところ、考察要素はほぼありません。描写で気に入った部分や感想を中心に書いていこうと思います。
互いが告げたのは、感謝。
試合は真剣勝負。その試合が終わり、とにかく互いが互いに感謝を告げるシーンが多く目立ちました。感想とともにまとめてみます。
①遥→成美:「ありがとう、成美さん」
試合に勝利したものの、笑顔になれないはるかなにあかりが見せてくれたメール。そこには「勝利を喜んで。クレアとエミリのために」という文面がつづられていました。
遥もかなたも「ここで決める」とずっと言っていましたが、やはり自分たちが勝つということは敗者を作り、なんといってもエクレアとの試合が終わってしまうことを意味します。
実は12話で唯一自分が不満に思いかけた部分が、勝ったのに喜びを表現しなかったはるかななんですね。この部分は個人の好みもあると思いますが、真剣勝負で勝ったんだからもっと喜ばないのは失礼じゃないか…と感じてしまいました。
成美のメールはそういった視聴者の想いも全て代弁するような内容です。
「クレアとエミリのためにも喜んでほしい」
はるかなに大事なことを思い出させてくれた、最高のメールです。だからこそ、その場にいない成美に遥は感謝を告げずにはいられなかったのでしょうか。
②成美→遥:「ありがとう、大空さんがいてくれてよかった」
BBQパーティー最中に成美から遥にかかってきた電話の一幕です。まさに元カノから今カノへのお電話ですね。
成美のこのセリフに彼女の想いのすべてが詰まっているように感じます。
遥は「かなたは昔より強くなった」と語っています。クレアは試合中、”昔のようなかなたと戦いたい”と願っていました。このことから遥以外の人にとって、かなたは小学生のころの彼女こそが最も強い存在だったと考えていることが分かります。
でも、遥は違います。「昔」を超えた「今」のかなたが一番強いと感じ、ストレートにそのことを成美に伝えています。1年で一番かなたと過ごした時間が長い遥だからこそ言えるセリフです。
遥がいなければ、かなたと仲直りも出来なかったし、かなたが再び自分の足で立ち上がることは難しかったでしょう。成美もそのことを理解しているからこその、「ありがとう」です。
③かなた&エミリ→あかり:「私たちがいま一緒にいられるのって、きっとこれのおかげだと思う」
あかりの存在の大きさに2人が感謝を告げる場面です。あかりは「どちらかが敗者になる」という現実に目を背けることなく、両チームを応援し続けました。
あかりが作ってくれた5つのシュシュは5人がチームメイトであり、大切な友達であることの象徴です。シュシュを身に付けることで、遥、かなた、クレア、エミリはそのことを忘れることなく試合に臨むことができました。
はるかなレシーブという作品が気持ちよく見られる要因は、ギスギス感が無いことに尽きます。そのギスギス感を無くすための役割を担っていたのがあかりです。
少し雰囲気が読めない発言や言動。それでいて、だれよりもビーチバレー部が大好きな存在です。
あかりがいたからこそ、すっきりした気持ちのいい作品になっている、と言っても過言ではないでしょう。
「ここまで」と「これから」の捉え方
試合ではめちゃくちゃ熱かった4人ですが、試合後は遥・クレアとかなた・エミリの性格がやっぱり違うんだなぁと感じさせる場面がありました。
BBQ最中の海での会話のシーンです。
かなた「遥が、うちに来てくれてよかった」
遥「かなた…」
かなた「きっと、遥とじゃなかったら、ここまで来れなかったから。だから…」
遥「ここまでじゃないよ。これからもだよ!」
かなたの性格が後ろ向きというわけでは決してありませんが、遥が常に前を見続ける強い存在であることを理解できる1シーンです。
直接描かれてはいませんが、エクレアでも似たようなやり取りがありました。
それは、シュシュの受け渡しです。おそらくクレアは「これから」を見据え、エミリのシュシュを預かり、それを遥に渡しています。
クレアもひたすらに前を向くような存在であるがために、自然に2人分のシュシュを遥に渡したのではないでしょうか。”未来の戦い”のために…。
ふとしたシーンですが、遥・クレアとかなた・エミリの性格の違いを感じられる描写でした。
エミリのこの行動と言動にしびれた!
今回もエミリはいい味を出していました。
まずは試合中のカットです。11話の感想でも書いた叫びながらボールに向かうエミリを再び見ることができました。
前回はボールに届かなかったエミリですが、今回は遥のカットドライブショットを止めます。アングルも状況も前回と一緒。おまけに体力は以前よりも落ちているはずなのに、エミリはボールを止めクレアに託しました。
まさに勝負は実力もあるけど、時の運もあるんだな、と感じたシーンです。
もう1つは試合後のシーンです。最後の最後にクレアをお姉ちゃん呼ばわりするのは反則でしょう…!激闘の末、悔しがっているのは間違いなく負けず嫌いのクレアです。
それでもクレアは泣かぬよう、気持ちのいい笑顔を見せます。しかし、頬には涙が…。クレアはいつまでもエミリにとっての「強い姉」でいようとしたわけですね。
エミリはそんなクレアの気持ちや行動もすべて見抜いていて。試合に負けた今ぐらいは、昔のような「お姉ちゃん」呼びで寄りかかってみよう。
他に誰もいない2人きりの空間だからこそ見られた美しく、尊すぎる姉妹愛です。
師匠から師匠へ、エンディングからアバンへ
最後に12話の演出で気に入ったものを2つほど挙げておきます。
1つめはクレアのスパイクを遥がブロックしたシーンです。勝利を確信したクレアのスパイクは、クレアが教えたブロックにより行く手を阻まれます。
遥「私のブロックは、クレアが教えてくれたブロックだから」
教えた側からすると、これほどにも嬉しい言葉はあるでしょうか。自分が教えた技を信じて、使ってくれる。師が放ったスパイクを師直伝のブロックで止める、クレアの思いのすべてが遥に伝わったと感じられる描写です。
もう1つはラストの遥の回想です。この回想は1話アバンのものとまったく一緒です。ラストからアバンへ繋がり、EDでは1話からの彼女らの毎日を流します。
きっと彼女らの行く先は、アバンで映されたなるあやペアとの試合です。まだまだうまる高校ビーチバレー部の戦いは続きます。…原作で続きが読みたすぎる!
作品総括・評価
難癖をつけるのが難しいぐらいの作品でした。ストーリーも王道ですし、アニメをあまり見たことがない人にも自信をもっておすすめできる作品です。
作品で一番好きだったのは、遥とかなたが互いに互いを高め合っていく部分です。はじめこそ、遥がかなたを引っ張っていく場面が多かったですが、試合中に自信を無くす遥をかなたが励ますシーンなどもありました。
主人公は遥でもかなたでもなく、はるかなだと言える描写が多々ありましたね。
遥は試合の中で成長していく選手であることを念頭に物語が進むため、試合ではるかなが強豪を倒していくのも自然な流れです。
試合中の砂が飛び散る描写、2カットのネット際のせめぎ合い、BGMや風景音の使い方などまだまだ語りつくせない部分は多いです。1話から書いてきたことが何個もあるので、よければ過去記事を読んでみてください。
アニメ感想(2018夏)-はるかなレシーブ カテゴリーの記事一覧 - アニメのおすすめなどを語るブログ
では最後に。
3か月間にわたり、楽しませてくれたスタッフさん、声優さん、原作者の如意自在さん。本当にありがとうございました!!
アニメ「はるかなレシーブ」12話(最終回)感想まとめとご挨拶
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終わってしまったという喪失感も大きいですが、彼女らの「これから」は原作で追いかけようと思います。今期で円盤を買うならこの作品かな…。
原作がある作品ということで、感想も書くのが難しい部分がありましたが何とか最後まで走りぬくことができました。
これまで読んでいただいたみなさん、スターを付けてくれたはてなブロガー様、当ブログに言及して頂いた皆さまにもこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました!!
また、今季は「ハピシュガ」「天狼」「すのはら荘」の感想記事も書いています。よければ覗いていってください!
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来期はオリアニの祭典です。感想記事も多く書く予定ですので、またブログに来ていただければ幸いです。それでは、次の作品でお会いしましょう!!