Fairy gone(フェアリーゴーン)8話 感想&考察!2人の五公の行動と未だ残る戦争の影
第8話「そでの下の笛吹き」
ー許せなくていいさ。ただ受け入れろ。戦争は終わったんだ…(フリー)
確かに人工妖精暴走の種明かしは面白かったんだけど、7話までで「エディーの息子=テッド」の真相を匂わせるヒントが少なすぎやしないかい…?
というわけで、Fairy gone(フェアリーゴーン)第8話「そでの下の笛吹き」の感想と考察になります。8話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
フェアリーゴーン 8話のあらすじ・ネタバレ
クラーラの妖精の反応を聞き、フリーたちがギルバートの家へ向かい、ビターは武力行使でギルバートを捕えます。一方、妖精技師のハンスは保安局に捕えられます。
ビターはマーリヤ・クラーラも出し抜き、”黒の四”がある隠し通路に入ります。裏口からフリーとマーリヤが追うと、妖精書は放置され、ビターの姿は消えていました。
ハンスは口を割らず、調査によって人工妖精に細工の跡があることが見つかります。これを受け、首相は終戦記念日の式典で旧型人工妖精を使うことを指示します。
アクセルは調査の中で旧型を設計していたエディーの息子が、ハンスの右腕として働く技師のテッドであることを突き止めます。
ハンスはテッドを庇っており、旧型は笛の音で好きに動かすことができる機能があることを明かし、アクセルに「テッドを止めてくれ」と涙ながらに語ります。
テッドの狙い通り、人々の前で旧型妖精が首相のゴルバーンを刺そうとします。しかし、間一髪でドロテアが間に合い、テッドは捕えられます。
彼の動機は父が排除されたことへの”復讐”でした。フリーはテッドに「受け入れろ、戦争は終わったんだ」と説きます。そして、マーリヤの加入で少しづつドロテアの空気がいい方向に変わっていくのでした。
以上です。
8話の感想と考察
前回ビターの交渉術のうまさについて書きましたが、普通に武力行使になるとは…。この微妙な肩透かし感が無ければもっと楽しめる気がするのは自分だけでしょうか。
人工妖精事件の真相と消えたビターの謎
人工妖精事件の真相は「国に父親を奪われた息子の復讐劇」というものでした。
テッドの狙いは、新型妖精を暴走させることではなく、意のままに操れる旧型妖精を式典に使わせてクーデターを狙うことでしたね。
ここまでトントン進むのも出来すぎな気もしますが、裏をかいた良い作戦だったように思います。よく考えると、テッドはアーケイムのウルフランに接触していました。
前回の考察で
例えば、エディーが「人工妖精の不都合な真実」を知ってしまい、国に消されたのだとすれば。
それを友人のハンスが知り、その報復のために弟子のテッドと共に人工妖精に細工をし、終戦記念日にクーデター的なものを起こそうとしているのであれば。
と書きましたが、結果の部分は大正解でした。
アーケイムと接触+父は旧型の作製に当たっていた→旧型を引きずり出すのがテッドの目的というところまで前回で突っ込めていればかっこよかったですが…w
まだ分からないのは、ウルフランの狙い。単純に首相をテッドが殺すことだけを狙って彼に接触したのか、それ以外の目的があったのかは今後を楽しみに待ちましょう。
ところで、前回から引き継がれた”黒の四”の争奪戦。結果的に、本書はドロテアの手に渡りましたが、ビターはあの閉鎖空間からどうやって逃げ出したんだ…?
ビターの記憶力は、本を読めば全て内容が頭に入るぐらいハイレベルなものです。だからといって、わざわざ黒の四を置いてその場を去る必要はない気がします。
ドロテアが押収した妖精書は、ビターにすり替えられた偽物という可能性もありそうですね。
動いたシュヴァルツ、留まったレイ
あまりにも不可解なことが多かった式典。
特に、旧型妖精にゴルバーン首相が囲まれた際のシュヴァルツとレイの行動です。ゴルバーンについては、例によって公式Twitterのツイートをどうぞ。
【ゴルバーン・ヘルワイズ】(CV:樫井笙人)
— TVアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』 (@fairygone) May 26, 2019
統一ゼスキアの首相であり恐るべき知謀の士。イースタルドを統一し、戦後処理を終えるとゼスキア帝室に王位を返上した。自己顕示欲や自負心が非常に強い現実主義者で、従わぬ者を徹底的に排除したため彼に恨みを持つ者も少なくない。#フェアリーゴーン pic.twitter.com/wc0erGPIi7
シュヴァルツはゴルバーンを庇おうとして、レイは不敵な笑みを浮かべてその場で立ち尽くしていただけでした。
6話でまとめましたが、シュヴァルツはウルフランと接触しています。
更に、暴走人工妖精の話を聞いた際に嫌な笑顔を浮かべていたので、彼は今回の騒動を知っている可能性が極めて高いです。
つまり、”首相を守る”ポーズを取ることで、人々や首相の株を上げようとした…と考えるのが自然です。
となると、不可解なのはレイの行動。レイはシュヴァルツと接触しているので、彼も今回の事件の真相を知っている可能性が高いと思われます。
”株を上げる”にはまたとないチャンスだったと思うのですが、笑みを浮かべて行動は起こしませんでした。ヴェロニカもレイの様子を不思議がっています。
また、妖精学者のダミアンとヴェロニカ、ウルフランも式典に出席しています。
ダミアンが「今はその時じゃないと思うよ」とヴェロニカに言っています。この発言の真意は「今はレイに攻撃を仕掛ける時じゃないと思うよ」という意味でしょうが…。
妖精書絡みでダミアンに協力する代わりに、ダミアンの協力を得てヴェロニカはレイを暗殺しようとしているでしょうか。
名前呼びと無口なオズの発言
Cパートで、フリーが「マーリヤが入ってドロテアが変わった」と言う場面がありました。象徴されるのは、ロバートの呼び方とオズの変化です。
ロバートは元々保安局あがりの人間ということもあり、周囲から疎まれ気味の人間でした。まあ内部調査とかをやっていたんだから仕方ないと言えばそれまでですが。
それを壊したのが、マーリヤの「ロバートさん」呼びです。
ファーストネームで呼ぶことが多い外国で、1人だけラストネームで呼ばれていたロバートなので、マーリヤから呼ばれた際は驚いた表情をしていました。
不満を挙げるとすれば、ロバートが1人だけ”チェイス”と呼ばれていたことへの反応(=マーリヤが入る前のドロテアの雰囲気)を見せてくれると、今回の描写もより映えたような気がしました。
もう1つは、オズが職務以外で声を出したことです。
ここは5話のマーリヤの歓迎会と上手く対比されていました。極めて無口なオズが声を出したことは、きっとマーリヤが来たことで変わった雰囲気を快く思っているからで。
オズの声を聞き、少し驚いてから笑顔を浮かべたマーリヤが印象的です。
未だ残る戦争の爪痕~フリーの”あの行動”と合わせて
結局、今回の「首相暗殺未遂事件」も戦争の遺恨が引き起こしたものでした。
登場人物は、皆戦争で何かを抱えています。故郷を失ったマーリヤ、仲間を失ったフリー、妻と子供を失ったウルフラン…。
そんなフリーが、テッドに対して「良い時代だろ?」と言っています。殺してしまえば、また前のような戦争が起きる。相手も人だ、だから殺すのは無しだーと。
フリーの本心であるかは分かりませんが、フリーも色々と飲み込んで生活していることが読み取れるセリフです。
2話で狂ったように笑うフリーに対して「フリーも戦争でダメージを受けた人間だ」と書きましたが、やはりその通りです。
ところで、フリーがよくやる首を触るという行為。
これは無意識のストレスから来る行動のようです。ここからも、フリーも戦争に対して割り切れていない部分があることが伺えますね。
アニメ「Fairy gone(フェアリーゴーン)」8話感想まとめと9話に向けて
というわけで、Fairy gone(フェアリーゴーン)第8話の感想・考察でした。
毎回思っていることですが、EDへの導入が完璧だと思います!EDのイントロの入り方が何とも言えず、素敵です。
次回第9話は「転がる石と七人の騎士」です。それでは、この辺で。
【追記:9話の感想記事はこちらから!】