ハッピーシュガーライフ 8話 感想&考察！不完全な世界の”花”と”バグ”
第８話「1208号室」
ーあっ♡ミルクの匂いがする…（太陽）
前半でハラハラさせると思ったら後半は笑いが止まらない展開…。”子供体温”に続き、”ポケットに入れて”と”ミルクの匂い”。流行語大賞はどれだ！？
というわけで、ハッピーシュガーライフ（ハピシュガ）第８話「1208号室」の感想と考察を書いていきます。８話までのネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を！
ハピシュガ８話のあらすじ・ネタバレ
さとうがしおと出会う前。雨の中さとうを家に招いた青年はさとうに絵のモデルになってくれるよう依頼します。
穏やかな時間が続きますが、さとうが雨に濡れたしおを連れてきたことで物語が動きます。しおを見るさとうの目が輝いていることに気づいたお兄さんはしおの首を締めようとします。
首絞めをさとうに目撃され、お兄さんは殺害されてしまいます。はじめて「誰かのためにここまでした」さとうは”愛”の意味を知り、1208号室に住むこととなります。
場面は変わり、現在の太陽。まともな人間になろうと決心したのも束の間、しおのポスターをスーハ―する変態っぷりです。そして、さとうは太陽に接触します。
さとうを傷つけてしまったしょうこの元にあさひがやって来ます。自分を責めるしょうこをあさひは励まします。しょうこもあさひの頑張りに胸を打たれます。
さとうは太陽に「しおに危害を加える人間を遠ざけることに成功したら、しおに会わせてあげる」と告げます。しおの靴下の匂いに太陽は陥落し、条件を飲みます。
太陽とさとうのやり取りの後、あさひの携帯に非通知の電話がかかってきました。
以上です。
８話の感想と考察
前後半の物語の緩急がすごかったお話でした。全員鉢合わせフラグがちゃくちゃくと立っているような…。
８話の演出について
まずは８話の演出についてまとめておきます。前半の演出は、画家のお兄さん目線でさとうとの会話が描かれました。
お兄さんのセリフは一切聞くことができず、彼が何を言ったのかはノイズ音で消されてしまっています。
台詞が聞こえなくても何と言っているか分かるのはすごいですね。
物語中、カメラが上下に動いているように見えた場面はお兄さんが頷いたことによるものです。また、彼の心情は文字で明かされていました。
以下は、この演出を踏まえた上での感想と考察になります。
お兄さんが見た松坂さとうと神戸しお
お兄さんが求めたモノとは
お兄さんは画家というより芸術家です。レプリカ（＝複製品）を描き、造る毎日を送っています。
彼は作中で「どこか欠落している彼女が好き」と語っています。
このことから、彼は欠落している”モノ”に自分が手を加えることで完成形とする、ことに喜びを感じていた人間であると推察されます。
もしくは、不完全なものを不完全なままにしておくことに喜びを感じているのかもしれません。
憂いた表情、愛とは何かを問うさとうは、人間として大事な１ピースが欠けた人間です。しかし、しおの登場により彼女の顔は晴れやかなものと変わりました。
しおを連れてきた際、お兄さんが何かを言い（ノイズが入っています）、さとうは「え？私の顔？」と言っています。いつもとは違う澄んだ目をした彼女にお兄さんは驚き、その原因が抱いているしおであることを瞬時に理解しました。
その後、彼はしおを殺害しようとしますが、このときのお兄さんの感情は「嫉妬」ではなく、さとうが「完成」してしまう恐怖心です。
自分が求めた１ピースが欠けているさとうが「愛」によって完成品となり、自分の世界から去ってしまうー。世界が壊れる恐怖心から無我夢中でしおの首を締めようとしたように映りました。
しおの顔色が悪い&ノイズがかかった理由
お兄さんの目線から見たずぶ濡れのしおは、非常に顔色が悪くなっています。更に、電脳キャラクターのようにところどころノイズがかかかっている姿が描かれています。
お兄さん視点から見える世界はどこかモノクロな世界で。その中で、さとうの姿だけがカラフルに見えている、そんな印象を受けます。部屋の中も非常に単調な色合いです。
更に、お兄さんはこれまで「人を描いたことがなかった」ことがさとうとのやり取りの中で明かされました。レプリカを造り、人を描かない彼にとって周囲の人間は興味を持つに値しなかった存在だったのかもしれません。
しかし、さとうが現れます。お兄さんにとってさとうは
モノクロな世界の中に現れた「花」のような存在
でした。こう考えると、しおの顔色が極めて悪く、しおの顔にノイズがかかっていた理由にもたどり着けます。
結局、お兄さんにとってしおもモノクロな世界の一部でしかなく、自分とさとうの世界を邪魔する存在でしかありませんでした。
自分とさとうという世界に現れた「バグ」。これを表現するためにしおの姿にノイズがかかっていたのではないでしょうか。
文章にすると回りくどいものになりますが、それを一瞬のノイズで表現するのだからやっぱりこのアニメはすごいです。
太陽の暴走発言&行動集
我らがアイドル三星太陽くんの発言をまとめます。いやー笑いましたｗｗ
彼の発言を聞いているときの視聴者のリアクション↓
①「ダメ、危険だよ飛騨さん！行っちゃだめだ！君までしおちゃんに魅了されたら…！」
普通にスルーしてしまいそうな発言ですが、これってしょうこの身を案じて発している台詞じゃないですよね…。
しおと出会った人間は皆しおに惚れ、自分のライバルとなってしまうことを恐れての発言です。そりゃあ恋敵は少ない方がいいよね、うん。
②「僕はまともになる」→お姉さんから逃げ出し、しおのポスターをスーハ―
しおのポスターをスーハ―している太陽にぜひ自分の１分前の決意を聞かせてあげたいシーンです。立ち向かえてもいないし、暴走するし…。
ちなみに、ポスターの匂いを一生懸命嗅いでるけどしおの匂いはしないですよね。太陽さんはインクの匂いの中毒者になってしまったに違いない。
③「ポケットに入れて…」
個人的にはこのセリフが相当ツボです。学校に行くのも、働くのもしおのポスターがあれば彼は乗り越えられる、そんな決意です。
「まともになって、働いて、立派な社会人になるんだ、これをポケットに入れて！」
…あなた、そのポスターをポケットに入れている時点でまともになっていないですよ。
④「あっ…ミルクの匂いがする」
これが世界に誇れる、JAPANESE HENTAI。この人におっさんの脱ぎたての靴下を渡して「しおちゃんのだよ」って言っても信じそう（）
靴下からミルクの匂いを感じ、天使姿のしおの姿が彼を誘います。さとうに抵抗しようとしたのも一瞬で、靴下の匂いただ１つで彼は屈服してしまいました。
太陽はこの作品の癒しなんじゃないかと最近は思ってきましたよ。
あさひにかかってきた電話の正体は…？
ラストではあさひの携帯電話に非通知で電話がかかってきました。タイミング的には、太陽からの入電である可能性が高そうです。
さとうと太陽の狙いは「邪魔な人間を県外まで連れて行くこと」。邪魔者が誰かは語られはしませんでしたが、おそらくあさひのことかな、と思います。
恐らく、太陽は電話口で「しおを隣の県で見かけた」とでも言うつもりなのでしょう。そう言われればあさひは隣の県までしおを探しに行き、さとうの狙いは成功します。
ただ、以前に会ったことがある太陽が突然こんなことを言いだせば、あさひはより警戒しそうなものですが…。
うまくあさひを隣県に誘導できるか、ナイト太陽の腕の見せ所です。
ゆり戻されたしょうこの運命
嫌な予感がするのは、あさひに励まされたしょうこの次の一手です。非通知電話の正体が太陽であれば、彼女も一緒に太陽の話を聞くことになるでしょうし、再びさとうの元を訪れる可能性もあります。
前回（ハッピーシュガーライフ 7話 感想&考察！叔母の”目”とさとうのしょうこに対する「期待」 - アニメのおすすめなどを語るブログ）も書いたように、さとうはしょうこに対し、もう何も期待をしていない状態です。
しょうこは「ただのその他大勢」に分類分けされてしまっています。
今後、太陽の不審な行動に気が付き、さとうと太陽が密談しているのを見てしまったら…。下手にさとうの行動を注視してしまうと、さとうは北埋川同様しょうこのことも「排除」してしまうかもしれません。
もしくは、あさひと協力しうまくたち回るか…。どちらにしてもさとうに行動がばれればしょうこも危険な目に遭うことは間違いなさそうですね。
もうしょうことあさひ２人でこっそりと幸せに暮らしてくれよ…。
アニメ「ハッピーシュガーライフ」８話感想まとめと９話に向けて
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ジャケットのさとうとしおの姿がいいですね。というわけで、重要な過去が明かされたハピシュガ８話の感想記事でした。
太陽としょうこの次の一手で話が大きく動きそうです。北埋川やすーちゃんが、再度お話をかき回してくれることにも期待です。
次回第９話は「融解レイン」です。それでは、この辺で。
【追記：９話の感想記事を書きました！】
