魔法少女特殊戦あすか 12話(最終回) 感想&考察&評価!「終わらない」戦いが示す未来と不穏さ
第12話「もしもこの戦いが終わったら」
ー沙綾子や希美のお陰で、皆で守ったものがようやく理解できた…(あすか)
前回の記事で書いたように、まさに「お祭り」感のあるフィニッシュでした。これは原作で続きが読みたくなるような終わり方。”第一章・完”ですね。
というわけで、魔法少女特殊戦あすか 第12話(最終回)「もしもこの戦いが終わったら」の感想・考察です。作品全体を通したネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
特殊戦あすか 12話のあらすじ・ネタバレ
3年前、魔法少女たちは戦争が終わった後のことについて話していました。一方、現代。あすかとくるみは戦後の報告書を作成し、ミアはバベル旅団が”何か”を計算していることを知ります。
ロシアでは、タマラが姉に戦いから戻ったことを報告しますが、タマラが”姉”と思い込んでいるのはぬいぐるみでした。ペイペイはフリーの傭兵として生きていました。
くるみはちさとの拷問を始めますが、魔法少女であるちさとは生かされます。ナーズィニーはくるみに調教されており、くるみは魔法少女は簡単に死ねないと説きます。
希美の誘いで、あすかたちはM班のメイド喫茶に行きます。従業員としてちさととナーズィニーも働いています。「魔法少女のお陰で日常が維持できている」という沙綾子の言葉に、あすかとくるみは救われた気持ちになりました。
マジカルアイテムを得た旅団は、「もっと大きな戦争」を計画します。日本では、あすかがくるみに「守ってきたものがようやく理解できた」と伝えました。
3年前、目標が無かったあすかはフランシーヌから”色々試してみればいい”と言われていました。そして、今日もあすかは飯塚からの電話で任務に赴くのでしたー。
以上です。
12話の感想と考察
気持ちのいいエンディングのようにも見えましたが、後味の悪い部分もちらほらと…。とりあえずナーズィニーさん、その格好で「良い話」って言わないで()
救われなかった”あの子”とその予兆
最終回で明かされた衝撃の真実。タマラが姉だと思い込んでいたのは、ぬいぐるみであり、ロシア軍もそのことを把握している様子でした。
タマラの姉については、7話で考察していました。その際は「故人ではないだろう」と書きましたが想像の斜め上に真実がありました。このアニメをなめてた…。
時系列的に、どこで”姉”が”ぬいぐるみ”にすり替わったのかは分かりません。
ただ、ロシア軍が隠していることから、3年前の戦争で亡くなったか、ロシア軍によって軟禁されているか(狙いは分かりませんが)のいずれかでしょうか。
12話では、冒頭と最後に3年前のマジカルファイブ+フランシーヌの会話が描かれました。その中で、戦いが終わったらどうするかという話題となり、ミアとペイペイ・くるみはそれぞれ自分のやりたいことを自分の口で語っていました。
おまけに、3人とも自分たちのやりたいこと(くるみさんの恋愛は…まあ、うん)を実現させ、今を生きています。
一方、タマラはミアから「当然ロシア軍か」と言われ、それに肯定するだけでした。あすかを除けば、タマラだけは自分の口からやりたいことを語っていないんですね。
もちろん、ミアに悪気があったわけではないでしょうが、こういう「自分自身としてのやりたいこと」を見つけられなかったことが、精神的な辛さに繋がったのかもしれません。あくまでも、タマラは決められたレールに沿って進んでいっているだけです。
そう考えると、同じ立場だったあすかはくるみ・沙綾子・希美という「日常」を見つけられて本当に良かったと思います。
…ところで、冒頭にミアが言っていたバーチャルのくだり。
あの部分の発言は「バーチャル(仮想的)な姉」を追い求めるタマラの未来を表しているように思えてなりません。
ちさととくるみのやり取り、そしてその後
最終回まできっちり拷問シーンを描くこのアニメ、パないっす…。
くるみはその中で「99個の苦しいことと1つの宝物」の話をしています。もちろん、彼女にとっての宝物はあすかに他なりません。
くるみの「魔法少女はそう簡単には死ねない」という台詞はとても重たいです。
仲間が失われていく中、くるみだけでなく、他のマジカルファイブのメンバーも自分ももう戦いたくない(=命を絶ちたい)と思ったことは何度も何度もあると思います。
そして致命傷を受けても、怪我は治ってしまうわけで。その怪我を治すのはくるみ自身で。苦しい自分、苦しい仲間の命を”無理やり”繋ぎ止めてきた彼女だから言えるセリフです。
くるみと話したちさとがどういう心情になったのかは分かりません。
ですが、メイド喫茶でくるみに一瞥を与えただけでその場を去ったちさとの姿を見ると、それなりに過去のことに整理が付いたのかな…?とは感じます。
それにしても、やっぱりその格好で良い話って言うのは反則だと思うんだw
「終わりが無い」コンセプトと構成の上手さ
エンディングとしては「俺たちの戦いはこれからだ!」を地でいくような終わり方でしたが、不思議と嫌な感じは残りませんでした。
まずは、11話の戦闘が「最終戦」にふさわしい素晴らしい出来だったこと。前回が最終回ぐらいの印象を持ったので、こういう締め方でも何ら違和感はありません。
もう1点は、この作品のコンセプト(題材)である「魔法少女の戦いは終わらないー」が成立しているという点です。
戦争後の「新たな戦い」を描くのが、魔法少女特殊戦あすかという作品でした。
だから、沖縄戦の後も人知れず彼女らの戦いは続きます。魔法少女として年齢制限がかかるか、命を落とす瞬間まで彼女らの戦いは続いていくでしょう。
この前提があるからこそ、12話のような終わり方でも違和感がありません。戦いは終わらないのだから、最後の最後まで描くことなんてできません。
決して”ぶつ切りエンド”ではなく、この作品のコンセプトに沿った締め方になっているのではないでしょうか。
残ったバベル旅団の謎
とはいえ、バベル旅団についてはもう少し色々明かしてほしかったなというのが本音です。原作を買えと、そういうことですね、はい。
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残った謎として
・結局旅団の狙いは何さ?
・マジカルアイテムを使って何をしたかったのさ?
・女王様って誰さ?
・アビゲイルさん何で夜の相手要員になってるのさ?
あたりが挙げられます。一応、3話・5話・9話で考察している内容ですね。
前回は目の色が違う=女王様はフランシーヌではないのでは?と書きましたが、最終話でも回想で度々登場していることから、やはり正体はフランシーヌでしょうか。
それよりも、謎が深まったのはバベル旅団の狙いです。
てっきり、旅団を中心とした世界の構築を狙っているのかと思いきや、女王様とアビゲイルの話を聞く限り「もっと大きな戦争」を起こそうとしているようで…?
ただ世界を自分の手に入れるだけなら、魔法少女に強くなってもらう必要はないはずです。旅団の狙いは原作では明かされているのでしょうか。
…「器」が必要ってどこの聖杯戦争?前回女王様が言っていた”特別な女の子”を「器」にするとかそういうことじゃないよね…?
魔法少女特殊戦あすか 最終話まで見た上での感想・評価・レビュー
一言。とっても面白かったです!
要因としては、当ブログで度々書いてきた「きついシーンとソフトなシーンの使い分け」と「人知れぬ部分で起こっている描写の上手さ」が挙げられます。
前者により、ジェットコースターのような作品の起伏を味わうことができました。
後者は最後の最後まで活かされましたね(あすか・くるみ・ミア・ペイペイはタマラの姉のことを知らないです。後で問題が起こりそうでなりません)。
もちろん、戦闘自体が容赦の無い描写で描かれていたのも高評価。それでも、希美の拷問とギースの最期だけはきつかったなぁ…。
何といっても、ウォーナース☆くるみさんの役割は非常に大きかったです。
ギャグ要員(またの名をクレイジーサイコレズ)として貴重だったのはもちろん、精神的に脆いあすかの何よりの支えになっています。
「きついシーンとソフトなシーンの使い分け」が成し遂げられたのは、くるみというキャラがあってのことでした。
構成面も、キャラの立ち具合も、大きく平均点を超える良作だったと思います!
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というわけで、魔法少女特殊戦あすか 最終回の感想・考察でした。
最初は考察要素も少ないしなぁ…と思っていましたが、最後まで記事を書いてこられて本当によかったと思います。
ハード(であろう)原作をアニメに落とし込むのは本当に難しいことだったと思います。
原作者の深見真さん・刻夜セイゴさん、監督様をはじめとしたアニメスタッフの皆さん、ありがとうございました!
また、コメントをくれた皆さん、当ブログに足を運んでいただいた方の全てに感謝申し上げます。ありがとうございました!
「特殊戦あすか」の1話からの記事、ならびに今クールの他作品(「エガオノダイカ」「ケムリクサ」「コトブキ」)については、以下からご覧ください!
また、まもなく始まる春アニメ。気になる作品はこちらからチェック!
3か月間ありがとうございました!また別のアニメの記事やTwitterでお会いしましょう!それでは、この辺で。