魔法少女特殊戦あすか 10話 感想&考察!魔法少女の割り振りと前を向く強さ
第10話「それぞれの死闘」
ー選ばれたから、強くなった。人は誰もが自分だけの仕事を背負って生まれてくる。(ミア)
今期のアニメの中でもトップクラスに面白いエピソードでした!タイトルに恥じない”それぞれの”戦闘。それは決して武力によるものだけでは無くて。
というわけで、魔法少女特殊戦あすか 第10話「それぞれの死闘」の感想・考察になります。10話までのネタバレが含まれているので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
特殊戦あすか 10話のあらすじ・ネタバレ
那覇市内は冥獣により、壊滅的な状況になります。一方、本部は防衛ラインがうまく機能し、第一波の攻撃を防ぐことに成功します。
市内を逃げる沙綾子・希美は希美が怪我をし、動けなくなります。それでも沙綾子が希美を支え2人で逃げ続けます。陸軍は切り札の魔法弾でハロウィン級を一掃します。
しかし、ここからギースたちの猛攻が始まります。ミアとタマラは不得手な近距離戦を強いられ苦戦し、おびただしい量の冥獣に核シェルターを突破されます。
多数の死者が出る中で、あすかは精神的に弱ります。そんな彼女をくるみは優しく抱きしめます。ミアもタマラも息を吹き返し、懸命に戦い続けます。
こうして、あすかとくるみはギース・ちさとと対峙します。ギースはあすかの苦手なセノバイト級の魔力で彼女の動きを封じ、ちさとはくるみとの一騎打ちを行います。
ギースはタビラ将軍に箱を渡すよう告げます。あすかはサッチュウの助けで魔力ワイヤーから抜けますが、既にタビラ将軍はギースに倒されてしまっていてー。
以上です。
10話の感想と考察
然るべき強敵と戦うアニメはやっぱり面白いです。多くのキャラに活躍の機会もあれば、ピンチも訪れていて緊張感のあるストーリー運びでしたね。
戦闘から見る「5人でいたことの強さ」
今回は大量の冥獣が登場したこともあり、マジカルファイブの面々が苦戦している描写が多くありました。
ただ、これは決して魔法少女が弱いというわけではなく、各々が苦手なタイプの戦闘をこなしているからでしょう。言い換えれば、マジカルファイブは5人でいることでその強さが発揮できる存在です。
近接戦闘のあすか、回復役のくるみ、援護射撃のミア、広範囲攻撃のタマラ。
今回は各魔法少女が不得手な戦いを強いられていた(例えばミアは大量の冥獣相手に近接戦闘を、あすかは”雑魚敵”相手に足止めを喰らっていました)のが、苦戦した要因です。
逆に、あえてマジカルファイブを各々の苦手な戦闘に割り当てることで、彼女らの強さのインフレを防ぐことができ、戦闘にいっそうの緊張感が生み出されています。
この辺りの「戦闘の魅せ方」は安定していて面白いですね。
ミアと一緒にくるみがいればミアの怪我はすぐに治ったでしょうし、あすかとタマラが一緒にいればセノバイト級の魔力ワイヤーはすぐに焼き払うことができたでしょう。
このような「〇〇がいれば」と想像できるのも面白い部分です。
もちろん、戦闘面だけでなく精神面での支えもあります。あすかとくるみの地下室での一件はその代表例です。
5人でいるから強く、誰かが欠ければ世界を救うことはできなかったんだなと強く感じる戦闘シーンの数々でした。ぜひディストニア戦争の様子を見てみたいです(原作では描写されているのかな?)
振り向かない強さと生み出した奇跡
戦闘シーンがよかったのもありますが、10話の見どころは沙綾子が希美を支えて逃げていた場面です。
2人の大ピンチを警官(マジカル☆パトカー)が助け、2人はその場を後にします。
路地裏に入る前に、助けに来た警官が倒された際、2人は一度足を止めます。足を止めた理由は多分
・自分を助けてくれた警官へのせめてもの誠意から
・振り向いてしまえば、恐怖心が強くなり先に進めなくなってしまうから
の2つだと思います。
いずれにしても、後ろを振り向いてしまえば終わってしまうから、沙綾子は後ろを見ずに前だけを見て進み続けました。
この部分は3話で沙綾子があすかに語った「怖くて動けないのは、もう嫌だから…」という台詞と見事に対応しています。
沙綾子が進んだから、ミアが助かったと言っても過言ではありません。沙綾子が”何か”をしたことで、ミアに出会い、ミアを救うという「奇跡」が起こりました。
「戦うことだけが強さではない」という言葉を体現した、素敵な一幕でした。
魔法少女の自己評価と周囲の評価
これまであまり語られてこなかった、世間一般の魔法少女への評価を知ることができました。ただ単にかっこいい救世主という存在なのかと思いきや、「冥獣と同じ化け物」と言う人もいるようで…。
それに呼応するように、ゴブリンに襲われていた女性をミアが助けた際に、女性がミアに対しても怯えた表情を浮かべていたのが何とも心苦しいところです。
結局はタマラの姿を見て、兵士は魔法少女への見方を改めましたが、戦争をきっかけに魔法少女への見方が変わったというのが何よりも皮肉です。
人類の平和のために行動しているのに、「もっとひどい戦争」で、助けた人間の自分達への意識がやっと変わるって…。
あすかがメンタルブレイクするのも仕方無いと感じます。こう考えると、割り切っているミアは本当に強いです。普通はあすかみたいな反応を取るのではないでしょうか。
また、ミアは魔法少女としての自分のあり方を沙綾子・希美に告げていました。
選ばれたから強くなったこと、自分だけの仕事と巡り合ったことは幸運でも不幸でもあったこと。望んでもいない「宿命」に立ち向かっているのは5人ともそうでしょう。
前述の兵士のセリフと合わせて考えるとまたブルーな気持ちになりますが、このミアの発言は「強くなりたい」と願う沙綾子、今は沙綾子に掴まっている希美に影響を与えたのは間違いありません。
感想:上げて下げて、いざ最終決戦へ!
ギースが言っていたように、10話は上がって下がっていった回でした。防衛圏をなかなか突破できないのに、冷静だったギースがやはり1枚上手でした。
状況としては、特にミアがくるみによる回復を必要としている状況です。
タマラも血を流していますが、肝心のくるみは不得手な一騎打ち(しかも格闘スキルが必要なちさと相手です)を強いられています。
あすかにも不安要素が。タビラ将軍の姿を見て、かっとなっていることに加え、ギースはマジカルアイテムを手にしてしまいました。
「魔法少女」ではないギースはこのアイテムを使用できないとは思いますが…。マジカル☆カラテなるものも見られるようで、本当に楽しみです。
アニメ「魔法少女特殊戦あすか」10話感想まとめと11話に向けて
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というわけで、魔法少女特殊戦あすか 第10話の感想・考察でした。
残すところあと2話。ペイペイがまだ出てきていませんが、最後の最後に助けに来てくれるパターンでしょうか。旅団長の正体もそろそろ明らかになる?
次回第11話は「魔法少女たちと美しきこの世界」です。予告からして相当にヘビーな回になることを覚悟する必要がありそう。それでは、この辺で。
【追記:11話の感想・考察はこちらから!】