青ブタ 10話 感想&考察!「表情」が物語るそれぞれの想い【青春ブタ野郎アニメ】
第10話「コンプレックスこんぐらっちゅれーしょん」
ーちょっとだけ分かった気がする。何でお姉ちゃんが咲太を選んだのか(のどか)
2話で綺麗にのどか編が完結しました。決して親を悪者にすることなく、うまくまとめたのは流石の一言です。感情のぶつけ合い、よかったなぁ…。
というわけで、青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)第10話「コンプレックスこんぐらっちゅれーしょん」の感想と考察になります。10話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
青ブタ 10話(豊浜のどか編②)のあらすじ・ネタバレ
咲太は自宅に戻りますが、戸棚を開けたことを麻衣には伝えません。かえでにも変化が見られ、中学校の制服を着用し「そろそろ頑張ろう」と咲太に告げます。
のどかのCM撮影が終わり、麻衣は自分のライブに咲太やのどかを招待します。咲太は父親と会い、父から「親の気持ちは親になってから考えればいい」と言われます。
のどか(麻衣)のライブが始まります。メンバーとのやり取りもそつなくこなし、公演を成功させ、更に次曲のシングルセンターも麻衣は勝ちとってしまいます。
母親にも「頑張ったわね」と言われる麻衣を見て、のどかは暗い気持ちになります。咲太は戸棚の”のどかが昔麻衣に送った手紙”を見せ、麻衣がのどかを大切に想っていたことを告げます。
その場に麻衣も居合わせます。麻衣は「のどかのお陰で仕事が好きになった」という過去を伝え、のどかも自分の内にあるもやもやを麻衣に大声で告げます。
麻衣はのどかを優しく抱きしめ、のどかは「お姉ちゃんみたいにならなくていいんだよね?」と問います。このタイミングで2人の身体は無事、元に戻りました。
かくして、麻衣とのどかは一緒に住むことになります。咲太は麻衣といちゃいちゃする毎日が訪れる…と思いきや、麻衣と咲太が並んで歩いていることをスキャンダルとしてスクープされてしまいます。
以上です。
10話の感想と考察
これまでの3エピソード同様、王道をきっちり描いてきました。親子を描いていたことで、どこかKey作品らしさを感じたのは自分だけではないはずです。
母の表情、姉の表情
「親子」「家族」にスポットが当てられたのどか回でしたが、言葉よりも表情が物語っているシーンが多く、自分としては大好物のエピソードとなりました。
道すがら麻衣(のどか)と咲太に会ったのどかの母親は厳しい顔つきで、2人にのどかの居場所を問いただします。
でも、それはのどかを本心から心配しているからで…。
ライブ前に最前列で祈るようにステージを見つめているのどかのお母さん。
麻衣が後に語った「手が震えていた」発言と合わせて、内心ではどれほどのどかを大切に想っているかが伝わってくる表情です。
表情という点でいえば、電話越しの麻衣の表情も印象的です。
のどかのCM撮影が終了した旨を聞き、「そう」とそっけなく返事をした麻衣ですが…。電話を切った後の柔らかな笑顔と猫を撫でる姿は反則級です。
戸棚の中に何が入っているかは何となく9話の時点で察することができますが、そういった「物的証拠」だけでなく、「その場で見せる表情」が何よりも麻衣がのどかのことを好きであることを示しています。
努力を認め、”自分らしい”ステップへ
結論としては9話の記事で自分が書いたものと近い形に収まりました。
「別々の道を歩む」という意味で同居はしないかな?と思っていましたが、麻衣とのどかはしばらく2人で住むようです。
のどかの麻衣への反論が「お姉ちゃんは才能があるから!」というもので無かったのが本当に良かったです。
誰よりも苦しい努力を積み重ねられる”才能”にのどかは嫉妬します。
のどかにこう思わせる仕掛けは色々ありました。
ダンスや歌は素人+αぐらいの能力しかなかった麻衣が公演を成功させたことも然り、更には別のメンバーのサポートに入ったことも然り。
一番はCM撮影に散々失敗した自分と比較した面が大きかったのでしょう。
自分もアイドルだから、練習無しで公演が成功しないことは、のどか自身が一番よく知っています。
自分も何度も何度も表情を作る練習をしてきて、やっと麻衣の仕事をこなしたのに、麻衣は自分の想像よりも数段上のクオリティでライブを終了させました。
その裏の壮絶な努力、麻衣の人柄を感じ取ったのがライブ後のシーンと表情です。
結果として、のどかは麻衣に縛られず、かつ麻衣を認め、自分らしい一歩を歩みだしました。
思春期症候群は、「周囲と合わせないと」という気持ちや「周囲と比べられること」といった中高時代に誰もが抱く感情が引き金になっている症状なのでしょう。
麻衣にあった「のどかを羨ましがる気持ち」とは
のどかが麻衣の姿になったことは、大方の予想通り「お姉ちゃんのようになりたい、ならなくちゃいけない」という思いが元になったものでした。
逆に麻衣がのどかの姿になった理由が少し意外でした。
自分はてっきり深い意味が無いと思っていましたが、理央は「桜島先輩にも、妹さんを羨ましいと思う気持ちが少なからずあった…って考えたらいいんじゃない?」と述べていました。
のどかにあって、麻衣に無いもの…。無いという言葉は少し違いますが、のどか編のテーマ性から考えても”親がいること”という解釈で間違いなさそうです。
少なくとも、父親はのどかの母親と再婚し自分の元にはいません。
実の母親ものどかの母親とは少し違い…。クールに見え、その実、麻衣はのどか以上に親の愛情を求めていたのかもしれません。
それを裏付けるのがライブ後のこのシーン。
ここでも「表情」が肝になりますが、麻衣も泣きだしそうな顔でのどかの母親の手を握っています。このときに、麻衣は母親ののどかへの愛情を感じ取ったのでしょうし、これが麻衣がのどかに対して羨む部分だったのでしょう。
咲太がのどかとかえでに伝えたこと
感想・考察編の最後としてイケメン咲太の発言を紹介します。
のどかには「できないことまで無理にしなくていい」という言葉を告げます。
麻衣のように笑うのどかを嘘くさいと語った咲太(@9話)と同様、”お前にできることをやれ”という咲太の温かいメッセージが聞こえてくるようです。
一方、制服を着たかえでには「ほどほどに頑張れ」と告げます。
2人へのメッセージは根底では同じだけど、少し違って。
のどかは自分なりに既に頑張って行き詰っている状態で、逆にかえではこれから自分の意志で頑張ろうとしています。
咲太は「変に頑張るな」とのどかに告げ、「無理せず頑張ってみろ」とかえでに告げました。同じ”頑張る”でも意味合いが少し違い、それを上手く汲み取っている咲太はかっこいいと感じます。
10話の「青ブタここが好演出」~尺を限界まで切り詰めた構成に脱帽!
今回の好演出は全体の構成で感じたことを書いてみます。
原作未読の身からしても、10話は明らかに尺が足りていないのを感じ取りました。
それでも、嫌な感じで駆け足になっている感はなく、むしろテンポよく進んでいるようにさえ感じます。
10話では随所に工夫がありました。
例えばBパートのはじまりをアイキャッチ画像だけでなく既に音楽を鳴らしていたり、EDに少しかかりながら理央のセリフを流したり…。限られた時間で少しでも多く表情・セリフを見せてくれようとする構成に、ただただすごいと感じるばかりです。
予告が数秒しかないのも、1話の時点から尺を見越してのことだったのでしょうか。こういった面でも非常に完成度が高いアニメだなぁという感想です。
アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)」10話感想まとめと11話に向けて
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2018/12/19
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 『青春ブタ野郎』シリーズ (電撃文庫)
- 作者: 鴨志田一
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/09/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
というわけで、 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)第10話の感想・考察記事でした。
安定度でいえば、自分が見ている今期アニメの中でもトップです。次回はとうとうかえでの謎に迫っていくのでしょうか。スキャンダルの行方にも目が離せません。
そんな第11話は「かえでクエスト」です。それでは、この辺で。
【追記:11話の記事を書きました!】