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色づく世界の明日から 10話 感想&考察!色の好描写と瞳美の過去

第10話「モノクロのクレヨン」

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ー私、はじめて皆と同じ色を見られたんだって思うと嬉しくて…!(瞳美

 

ギスギス三角関係を引きずらなかったのは良かったです。ようやく母親との過去が明かされましたが、まだまだ着地点は見えません。

というわけで、色づく世界の明日から 第10話「モノクロのクレヨン」の感想と考察になります。10話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!

色せか 10話のあらすじ・ネタバレ

瞳美はあさぎと仲直りできず、あさぎも気にしている様子です。それでも、瞳美から声をかけたことをきっかけに、2人は涙を流しながら本音で語り合います。

こうして2人の仲は元通り。そして、琥珀は魔法部として”絵の中に人を招待する企画”を提案します。瞳美は魔法に苦戦しつつも、絵の中に入って出る魔法をマスターします。

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魔法美術部一同で、唯翔の絵に入る実験を行います。絵の中に入った瞳美は人以外のすべてが色づいた世界を目にしました。瞳美は唯翔と共に絵の中を歩いて回ります。

2人は例の金色の魚を目にし、後を追います。唯翔は暗い扉を見つけます。その中には無表情で絵を描き続ける幼い瞳美がいました。絵の中身は川で分断されて会えない姫と女王を描いたものでした。

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唯翔が川を渡すものを用意しますが、全てを瞳美は拒絶します。元の世界に戻った瞳美は涙を流していました。瞳美は自分の過去を唯翔に話します。

母親は魔法が使えず、自分は使えたこと。母親が1人で出ていったこと。出ていく母親に何も言えなかったこと。

唯翔に涙ながらに話すことを経て、瞳美は嫌いだった魔法に対して別の感情を抱きはじめました。

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以上です。

10話の感想と考察

瞳美の過去が明かされ、次は唯翔の過去…でしょうか。描写面で非常に優れた箇所があったのが印象的です。物語としては…もう少し起伏がほしい!

絵の中を歩く場面で「凪あす」っぽい部分がありましたね。

似ている2人を繋ぎとめるもの

瞳美の過去について整理しておきましょう。

 

瞳美は幼少期は魔法を使えたが、母親は使えなかった。
〇母親は瞳美を置いてどこかへ行ってしまった。父親は不明。
〇以上のことが原因で、瞳美は魔法が嫌いになってしまった

 

親がいないという点は唯翔と類似したものがあります。

唯翔の過去はまだ明確になっていませんが、画家になる夢を諦めて…という展開から母子家庭なのでは、と想定できます。

6話では瞳美が唯翔の絵に入り込み、黒く倒れた魚と謎の人影を目にしていました。今回は唯翔が金色の魚に誘われ、瞳美の心の奥底を目にするのが面白い対比ですね。

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やっぱり金色の魚は「今と昔、瞳美と唯翔を繋ぐもの」という解釈になりそうです。

ちなみに、幼少期の瞳美が描いていた絵の中の川は単なる川では無いですね。川よりももっと絶望に満ちた「2人を断絶する崖」ぐらいのイメージを持ちました。

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言うなれば、母親と自分を分離したきっかけである魔法を絵にしたものでしょう。

真黒なビジュアルと相まって、当時の瞳美がいかに魔法を嫌っていたかを知ることができます。

感情と魔法の話~サブタイトル「モノクロのクレヨン」から

10話では瞳美の涙が何度も見られました。あさぎと語らい合ったとき、唯翔の絵から戻ってきたとき、唯翔に自分の話を聞いてもらっていたとき。

徐々に笑顔が見られるようにはなってきていましたが、ここまで何度も涙を流すのははじめてです。60年前の世界で日々を過ごすことで、どんどんと感情が豊かになっているのを感じます。

そういった意味でも唯翔は瞳美に「怒っていい」と告げたのではないかと思います。

もっと感情豊かに、思うように過ごしていいんだよという彼のメッセージが聞こえてきそうです。

 

7話の記事等で触れているように、瞳美の感情は彼女の魔法に影響を与えている可能性が高いです。ここまでくるともう確定的、といってもよさそうです。

幼少期の瞳美は感情が乏しい子供に見えました。その点、今は笑ったり、泣いたり(TARITARI感)。この面でも感情の成長と魔法には関連性がありそうです。

 

ふと思ったのですが、PVで書いてあった「少女はむかし、自分に魔法をかけた。”わたしは幸せになってはいけない”」という部分は本編で触れられていなかったんですね。

母親が出ていった後、自分を責めた瞳美は自分に無意識で?魔法をかけ、魔法の力も色を見る力も失ったという展開で間違いなさそうです。

しかし、PV見ていない人にとっては急展開に見えるよな、これ…。

 

瞳美が自らの意志で(自分にかけた魔法で)色が見えなくなっていることは、10話のタイトル「モノクロのクレヨン」からも考察することができます。

唯翔が迷い込んだ瞳美の世界は、てっきり色が失われている世界かと思っていましたが、花瓶やタンスに色があったので決してモノクロの世界ではありません。

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つまり、あの世界では色があるのに瞳美が用意したクレヨンが全部モノクロなだけなのではないかという解釈ができます。

瞳美の意志で、わざわざ白黒の絵を描いていたわけです。自分の意志で自分の中から色を排除した瞳美の思いが反映されていた場面のように感じます。

「ちょっと暗い」前半と「とてもカラフルな」後半の対比

10話の最大の見どころはここです。

あさぎとぎくしゃくしている場面では暗い風景が描かれ、仲直りをしてからは非常にカラフルな情景が広がります

 

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例えばこの場面。あさぎが「バカみたい…」と自分を責めるシーンですが、白黒映画かと思うぐらいの描写です。

それ以外にも、学校の中や部室の中も非常に暗く(というか曇天の中にいるようなイメージです)描かれています。

彼女らの心が「曇っている」ことを言葉を使わずに表現しています

 

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一方、あさぎと瞳美が仲直りした広場のシーン。

前半数分間の暗い風景が嘘かのようなカラフルさです。言うまでもなく瞳美とあさぎの心が「晴れた」ことを表現しています。本当にこういう描写は心を奪われます。

ちなみに、話し始める寸前に2人を背後から映したシーンでは、うまく2人を陰に入れることで、晴れている中でも少し暗い部分に居るカットが見られます(2人で石のベンチに腰掛けているところです)。

 

是非、これらのシーンはチェックしてほしいので気になった方は10話を見直してみてください!

キービジュアルと傘・紙飛行機

唯翔の絵の中で傘に乗って飛んでいくシーンがありました。

実はこのとき一同が使っていた傘の色は、公式HPにあるキービジュアルで各キャラが持っている傘の色と一致しています。うーん、芸が細かくてよいです…!

ちなみに、各キャラの名前には”色”が入っています(琥珀色、山吹色…etc)。残念ながら名前の色と傘の色は一致していませんでした。

カップリング相手の色にも関係がありませんでした。

 

もう1つ芸が細かいなと感じたのは、瞳美が魔法の練習で使っていた紙飛行機の色です。この色もキャラクターが持っている傘の色と同一になっています。

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例えば、水色はあさぎの色です。

そのため、水色の紙飛行機に書かれていたメッセージは、たとえウサギの絵が描いていなかったとしてもあさぎのものだと分かる仕組みになっているんですね。

タイトルに「色」があるように、本当に色を大切にしている作品であることを再実感できる10話でした。

アニメ「色づく世界の明日から」10話感想まとめと11話に向けて

というわけで、色づく世界の明日から10話の感想・考察記事でした。

本当に投げ出さずに尺の中で色々語られるのかどうかが一番の懸念事項です(笑)

そして、次回予告が不穏で仕方ありません。「いなくなっちゃった」発言に、琥珀の「大事な話」…。これは次回で琥珀の魔法切れ→瞳美強制送還の流れになる予感。

この辺りの考察は8話の記事をどうぞ。

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不安でいっぱいの第11話は「欠けていく月」です。それでは、この辺で。

【追記:11話の感想・考察はこちらからどうぞ!】

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