色づく世界の明日から 12話 感想&考察!手と花火の描写解説と最終回予測
第12話「光る光る この一日が光る」
ー嬉しいの…花火を…みんなと一緒に見られて…!(瞳美)
花火がすっげえ…。まだあと1話残されています。最後の1話で何を見せてくれるのか、それによって大きく作品全体の評価が変わってきそうです。
というわけで、色づく世界の明日から 第12話「光る光る この一日が光る」の感想と考察になります。12話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
色せか 12話のあらすじ・ネタバレ
唯翔は瞳美が「魔法使いで良かった」と告げます。瞳美も”自分がここに来た意味を見つけよう”と前向きにとらえ、文化祭が始まります。
魔法写真美術部は、「絵に入る」企画が受け大繁盛です。その中でも、あさぎはうさぎのポストカードを売ることができ、唯翔の絵を気に入ったという生徒も現れます。
1日目が終わり、月白家の面々も瞳美を気持ちよく送り出せるよう、豪華なご馳走を用意します。星砂時計も無事に一柳から届き、出発の手筈が整います。
文化祭2日目。あさぎの提案で、休憩時間に瞳美と唯翔で文化祭を自由に回ることになります。2人はお化け屋敷に入り、手を繋ぎますがそれ以上の進展はありません。
文化祭が終了し、後夜祭が始まります。「最後のサプライズ」ということで、瞳美と琥珀は魔法で花火を打ち上げます。瞳美が”幸せ”を実感したとき、花火が色づきます。
とうとう、瞳美に時間魔法をかける時間になります。しかし、唯翔と瞳美は互いに想いを「言葉で」伝えていません。瞳美にもそれが心残りのようで…?
以上です。
12話の感想と考察
言い出したいけど言えない、そんなもどかしさが伝わってくるエピソードでした。花火の美しさはもちろん、それ以外にも素晴らしい描写がありました。
前回の記事はこちらからどうぞ。
お化け屋敷の「手つなぎ」描写が最高!
美しい花火と同じぐらい印象的だったのが、唯翔と瞳美のお化け屋敷のシーンです。あさぎの提案によって2人は楽しく文化祭を回ることになります。
そして、お化け屋敷に入るのですが…。唯翔は瞳美の手を握って先導します。
このシーンの何がいいってゴールに向かうその時まで、唯翔の表情が一切見えないんですね。
しっかり手を握るわけでもなく、触れる程度で唯翔は瞳美を引っ張ります。
照れていたことを隠す描写でしょうし、こういう描写があるからこそ、「最後まで告白に踏み切れない葵唯翔」という存在にも説得力が出てきます。
そして、何よりぐっと来たのが教室外に出た場面です。
2人はそっと手を離しますが、一気に離すわけではなく少しづつ手が離れ、最後は小指だけが触れ合っているような描写が施されています。
楽しかった時が終わることを惜しむように離されていく手の描写…。良きです。
お化け屋敷を出た後の瞳美のセリフは「楽しかったから、戻らなくちゃ」というものでした。楽しかったからまだどこかに行こう、ではなく楽しい思い出を最後にするためにここで戻ろうという提案です。
唯翔は彼女に「何か」を告げようとしますが、それは言葉になりません。
瞳美が帰ってしまうまでの時間が無いからこそ告げられない想いは、唯翔の性格と相まって彼の心に閉ざされてしまいました。
花火の魅せ方の秀逸さ
美しさという観点でいえば、やはりBパート最後の花火のシーンは圧巻の一言です。
もちろん、花火自体が美しいというのもありますが、瞳美目線で見た花火の変化がとにかく素晴らしいです。
最初はモノクロでしか彼女の目には映りません。
それでも、友人と花火を見ている瞳美の表情は非常に柔らかいです。これは、1話で1人でモノクロの花火を見ていた瞳美と比べると180度表情が違うことが分かります。
続いて、瞳美が自身の感情を「幸せ」だと実感したとき花火が色づいていきます。瞳美目線でモノクロの花火が少しづつ色づいていき、カラーになる様子は本当に素敵です。
更に、そこで終わらず涙を流した瞳美目線での花火も描かれます。ここでは、涙の影響でぼやけた花火が映し出されています。
2枚目のキャプチャは瞳美の涙によるぼやけが表現されています。
12話は他のエピソードに比べると、瞳美目線のモノクロのシーンが多く映っていたように思います。
あえて作中でモノクロの情景を数多く映すことで、最後の花火の美しさを際立たせる(もしくは、視聴者に「瞳美目線」を多く味わわせることで、色が戻った彼女と同じような感情にさせる)狙いを感じ取ることができます。
将・あさぎと唯翔の対比
「人」に注目すると、あさぎと将の吹っ切れ方が好印象です。
あさぎは勇気を出し、ポストカードを売ることができ、唯翔と瞳美2人の時間を過ごしてほしいと将にお願いします。
対して、将もシンプルにあさぎを褒め、「悪かった」と謝ります。
いきなり2人が接近することなく、かといって変に遠ざかることもなく。将とあさぎが互いの距離感を自然に取り戻していった様子が見られました。
そんな2人だからでしょうか。琥珀が時間魔法を使おうとする場面で、「協力してくれる?」と琥珀が尋ねた際、真っ先に返答したのは将とあさぎでした。
一方、何も話すことすらできないのが唯翔です。
自分の気持ちを整理し、その上で瞳美を気持ちよく送り出そうとする将・あさぎ(特にあさぎは本当は泣きたくて仕方ないはずなのに)と、まだ大事なことを伝えられていないために未練が全身から感じられる唯翔が上手に対比されています。
最終回で「何」を見せるのか~13話の予測
そんなわけで、12話は十分に最終回のお膳立てがなされた回でした。将やあさぎの問題も解決したということは、残りはすべて瞳美・唯翔に時間を費やせます。
12話で新しく登場した要素としては、Aパートの最後で唯翔が描いていた絵です。
てっきり唯翔が最後のシーンで持ってくると思っていましたが、手には持っていない様子で…。となれば、あれが「絵本描き」としての最初の一歩になるのでしょうか。
最終回で見せてくれそうなものは大きく2パターン考えられ、
①「現代」を最後まで映し、「未来」で余韻を残すエンド
②すぐに「未来」に戻り、「現代」を懐かしむエンド
のどちらかが濃厚でしょうか。
①パターンであれば、冒頭で時間魔法にバグが生じ(瞳美の帰りたくない想いが彼女を2018年に留まらせる)、唯翔が告白することで吹っ切れて未来へ…みたいな?
これだと「現代」を中心に描くことになるので、「未来」に戻った瞳美は何となく60年前とのつながりを感じる(唯翔の絵を見つけるなど)終わり方かな、と。
言い方を変えると、詳細な伏線回収はされない流れになると思われます。
逆にスムーズに未来に戻る②パターンであれば、まだ解決していない母親との確執や琥珀が瞳美を過去に送った詳細な理由が語られそうです。
きっちりした終わり方を望む人は、辻褄が合わない場所の説明がほしいと思いますが、自分としてはいくつかの事項がふわっとしたまま終わる①パターンを推したいです。
せっかく「恋」が作品の大切な要素なので、そこを優先して描いてほしいですね。
未来で絵本だけではなく、唯翔に似た人物を見つけるシーンで終わったりした日にはもう…!最後に見せてくれるもの。全身全霊で期待しましょう!
アニメ「色づく世界の明日から」12話感想まとめと13話(最終回)に向けて
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というわけで、色づく世界の明日から12話の感想と考察でした。
来期はPAさんの作品が無い…ということは来週でしばらく見納めになってしまいます。心して見ていきます。それにしても、放送時間が27時からっていうのは流石に…。
第13話(最終回)は「色づく世界の明日から」です。最終回でタイトルを回収するアニメは…!それでは、この辺で。
【追記:13話(最終回)の感想・考察はこちら!】