色づく世界の明日から 9話 感想&考察!写真と言葉が突きつける残酷さ
第9話「さまよう言葉」
ー私ね…好きだったんです、将くんのこと。(あさぎ)
すーべーりーだーいー!前回の話で「将は瞳美を好きじゃない説」を翻しましたが、こんなに早く告白するとは。しかし、これぐらいの関係性では私はびくともしないぞ。
というわけで、色づく世界の明日から第9話「さまよう言葉」の感想と考察になります。9話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
色づく世界の明日から 9話のあらすじ・ネタバレ
将と瞳美は一緒に撮影スポットを巡り、写真撮影をすることになります。将は唯翔に瞳美と2人で出かけることを告げます。唯翔も2人のことは気にしているようで…。
そして、撮影会が始まります。2人の様子を胡桃と千草が目撃します。別れ際、将は瞳美に告白をしますが、瞳美は急な告白に動揺しその場を去ってしまいます。
心ここにあらずの瞳美は、琥珀に相談します。琥珀は事情を察し「(相手も)答えは欲しいんだと思う」というアドバイスをします。
将が瞳美と訪れたスポットの写真を並べていると、あさぎが登場します。このスポットは将とあさぎで訪れた場所でもありました。将は「同じ写真は2度と撮れない」という発言をします。
翌日、瞳美はあさぎに告白について問います。あさぎは瞳美のカメラの写真から全ての事情を察し、”その人”が可哀想だから相手のことを考えるべきだと言いました。
自分で考えた結果、瞳美は将に改めて告白に断りを入れます。合わせて、瞳美は「気になる人がいる」ということも将に伝えます。
振られた将は屋上で思いっきり叫びます。帰り際に瞳美とあさぎは偶然出会い、あさぎは瞳美に自分が将を好きだったことを伝えました。
以上です。
9話の感想と考察
魔法関係の話よりも先に恋愛関係に動きが出ました。…尺、足りるのでしょうか。
写真で察した将の想い
あさぎが完全に1人負けしてしまうような展開でしたが、その中でもあさぎが瞳美のカメラに保存されている写真からすべてを察したシーンがかなりキツイです。
将と瞳美は訪れた場所は、過去に将とあさぎでよく訪れていた場所でした。
将のことが好きなあさぎにとっては、思い出の場所のはずで。まさか、将が直前に好きな人と一緒にその地を訪れていたなんて知る由もありません。
将は「気が付いたら景色は変わるから、同じ写真は2度と撮れない」という趣旨の発言をしていました。
この発言は、瞳美に振られた将の心とリンクしている発言ですが、あさぎに対しても当てはまる言葉になっています。あさぎと将の”2人”の場所だったスポットは、既に2人のものではなくなっていたのですから。
そして、瞳美から相談を受けた際にあさぎは写真を見てしまいます。あさぎにとっては思い出深い景色が写真として残っていました。
あさぎは瞳美の”相手”が誰なのか聞くこともなく、その写真が将と一緒に撮られたものであることを理解しました。
瞳美とあさぎの対話で面白いのが、瞳美が「告白とかされたことある?」と先にあさぎに尋ねている点です。
この後にあさぎが写真を見ることで、
・瞳美と将が思い出の地に2人で出かけた
ことだけでなく
・その後、将に瞳美は告白をされた
という現実を、いや応なしにあさぎは突きつけられます。この時点であさぎに逃げ場はないわけです。こりゃああさぎを応援したくなりますわ…。
セリフだけでなく、写真という媒体を用いて展開されることで、このシーンの「残酷さ」が際立つものになっています。
あさぎの”過去形”のセリフ
更にあさぎの受難は続きます。屋上で男2人がいい感じになっている場面で、あさぎは瞳美と再会してしまいます。
あさぎ「私ね…好きだったんです、将くんのこと」
あさぎのセリフが過去形になってしまっています。
あさぎの心が将から動いてしまった…ということは無いと思いますが、無意識にそう感じさせる言葉が出てしまったことで、あさぎの辛さや悲しさがいっそう際立っているように思います。
あさぎは公園に走り抜け(滑り台やめろ!!)、誰に向けたか分からない「ごめんね」を発します。
いきなり去ってしまった瞳美に対して言ったとも考えられますし、ここまで自分の気持ちを告げられなかった自分の度胸みたいなものに対して言ったのかもしれません。
少なくとも、あさぎは悪いことしてないのに何ともこれは…。
と、ここまで書いてきて見て思ったのが瞳美の役目の1つがあさぎと将のカンフル剤なのでは、ということです。
10話もあさぎが中心になりそうですし、瞳美の存在があるからあさぎは自分の気持ちに向き合う機会を得ています。
そう考えると、9話を丸々使ってあさぎ・瞳美・将の物語を描いたことにも納得です。9話をもって、あさぎが今までに無い方向に動き出す可能性が高いのですから。
加えて、あさぎは瞳美に対して1度たりとも悪口や嫌味を言っていません。そのため、魔法美術写真部が今回の件で壊れてしまう…ことはないと思います。
だからこそ、あさぎの”頑張り”が身に染みて辛いわけなんですけどね。
※滑り台ネタが気になる方は、僕のブログのアイコンになっている”ぱんにゃ”が出てくる作品をどうぞ。なお、原作には滑り台なんて出てこない模様()
分かりやすい唯翔の心情
結果的に、将は瞳美のことが好きで告白するに至りましたが、最初から書き続けているように将の瞳美への恋心は非常に読み取りにくかった印象です。
自分も前回のエピソードまでは将は瞳美を(女性としては)好きだと思っていないと思い込んでいましたから…。好きになったきっかけとかが不明なんですよね。
一方、唯翔の気持ちの変化は非常に分かりやすかったですね。
母親にいじられているときもそうでしたし、瞳美・琥珀が揃って部活を休んだ際には、バイト先で10万80円という衝撃的な金額を領収しようとしていましたw
あとは、瞳美がもう少し素直に唯翔に近づいていけば、2人の恋は成就しそうです。ただし、そのタイミングで琥珀の魔法切れ→60年後に強制送還となりそうですが。
こうして、瞳美・唯翔、あさぎ・将、胡桃・千草という関係性に向かうことになりそうですが、琥珀のお相手は…?
前回の記事でコメントをいただいた「通りすがり」さんがこのように考察していました。
個人的な考察ですが、琥珀と結婚するのは古本屋のお兄さんじゃないかと思ってます
現時点で琥珀は恋愛に興味はあっても瞳美の件があるからそれどころではない感じだし、異性として見てる相手が誰もいないからです
(引用:上記当ブログコメント欄より)
確かにモブにしては映る頻度が高い気がします!
残り4話という尺を考えても、部内に琥珀の恋愛が絡んでくると収集が付かなくなるので、妥当な展開のように感じます。
好演出と謎の演出紹介
最後に、9話の演出について触れておきます。
好演出:物語の切れ目で動く列車と信号
すっきり分かりやすかったのがこちら。Aパートで何度か見られた演出です。
例えば、唯翔と将の会話です。「瞳美と2人で出かける」と将が言ったタイミングでは、信号は赤になっています。
列車の中で将が「後悔だけはしたくない」と唯翔に告げると、青になった信号が映し出されます。
これから将が瞳美に向かって走り出すという意味合いで信号が赤→青と変わったように感じました。橋の名前が「思案橋」というのもまた良きです。
他にも、将と瞳美が列車から下りたシーンでわざわざ列車の「行き先」が切り替わる場面(これから展開が変わることの表現?)を映したりと、特にAパートで心に残る描写が多かった印象です。
よく分からなかった演出:瞳美が消えた?
自分が見逃しているだけかもしれませんが、将から逃げ出した瞳美の行動がよく分かりません。
瞳美は将から逃げ、グラバースカイロード(長崎に実在するエレベーターみたいです)を利用します。5階まで進むのですが…なぜかドアが開くと瞳美はいませんでした。
これはグラバースカイロードの仕様(出口は裏側にあるとか…)なのか、瞳美が自らにかけた無意識の魔法によるものなのかが分かりません。
どういうことなんだろう。何かを見逃している気もするので、時間を空けてもう一度見てみることにします。
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というわけで、色づく世界の明日から9話の感想・考察でした。
ようやく物語は動き出しましたが、上でも述べたように尺が足りるのかが不安です。色覚の話や、瞳美の過去の話などきちんと回収してくれれば何も文句はないのですが。
次回第10話は「モノクロのクレヨン」です。それでは、この辺で。
【追記:10話の感想と考察はこちらから!】