色づく世界の明日から 6話 感想&考察!戻った色覚と唯翔の心情
第6話「金色のサカナ」
ー俺、描くから。今描いてる絵、出来上がったら月白に見てほしい!(唯翔)
ここで一気に色が戻る…だと!?次回予告のやり取りを聞くと一過性のものでもないようです。こうなると今後は恋愛物語へと発展していくのかな?
というわけで、色づく世界の明日から 第6話「金色のサカナ」の感想と考察です。6話までのネタバレがあるので未視聴の方はご注意を!
色づく世界の明日から 6話のあらすじ・ネタバレ
唯翔は瞳美に、星砂を使うと「金色の魚」が見えたことを告げます。この魚は唯翔が幼いころ描いたもので、この絵をきっかけに唯翔は絵描きを始めていました。
将と瞳美が一緒に帰っているシーンをあさぎが目撃してしまい、またしても微妙な空気に…。そんな中グラバー園での撮影会が行われます。
瞳美はうまく絵が描けない唯翔を見つめます。すると、唯翔の絵から金色の魚が飛び出してきて彼女を”絵の中”へ誘いました。
綺麗な絵の中を進むと、荒廃した世界と茶色く朽ち果てた魚が現れました。中心地にいたのは謎の網を持った黒い人影でした。
元の世界に戻ってきた瞳美は見てきたことを唯翔に告げます。琥珀に相談してみては、と提案もしますが唯翔の心の何かに触れてしまったようで唯翔は怒ってしまいます。
唯翔は浅川砂波という先輩の個展へ足を運びます。唯翔は「好きだから絵を描く」という砂波の思いに触れますが、会場から出てきた2人をタイミング悪く瞳美が目撃してしまいます。
瞳美はその場から逃げ、唯翔は彼女を追います。瞳美に追いついた唯翔は「自分の描いた絵を月白に見てほしい」と告げます。
唯翔の言葉を聞き、金色の魚が町中を泳ぎます。同時に瞳美の色覚が戻ってきます。色が戻ったことを瞳美は琥珀に告げるのでした。
以上です。
6話の感想と考察
キーとなる動きはいくつかありましたが、物語の真相にはまだ迫っていません。恋の色を知って、色が見えて…と流れとしてはこの上なく丁寧なお話でした。
瞳美と唯翔の共通点
6話では瞳美が唯翔の絵の世界に迷い込むことで、唯翔の心の中の動きを察する場面がありました。その最たるものが「黒い人影」と「茶色い魚」です(考察後述)。
その前に触れておきたいのは瞳美と唯翔の共通点についてです。5話の考察の中で
やっぱり魚は唯翔と瞳美の力が形となって表れたもの、となるでしょうか。
2人の力はどこかでつながっていて、唯翔の絵から魚が飛び出してしまったことで、ここ最近は唯翔の絵がスランプ気味になっていた(同時に瞳美の魔力は上昇した)と考えると、辻褄が合いすんなり落ち着きます。
と書きました。
本来であれば前回の考察で盛り込むべき内容だった気がしますが、瞳美も唯翔も彼女らの生き方には「親がいないこと」が絡んでいます。
瞳美については明言されていませんが、1話で花火を女性(母親)と手を繋いで見る彼女のカットがありました。
唯翔については以前明かされた通り(こちらも明記はされていませんが)、母子家庭であるが故に画家を目指すのではなく、就職をしようとしています。
もし2人の力がどこかで繋がっているとすれば、家庭環境は1つのキーになってきそうです。これを踏まえた上で魚の正体に迫っていきます。
改・金色の魚の正体&黒い人影の謎
それでは、金色の魚の正体は何でしょうか。5話の考察に引き続きいくつか挙げてみます。
①金色の魚は瞳美や唯翔の中の「希望」(心理描写説)
6話を見て一番可能性が高そうなのはこれかな、と。
金色の魚は元々、唯翔が幼少期に描いたものでした。その頃の彼には父親も存在し、彼が絵描きを目指すことの原点になった作品でした。
その頃の彼にはまだ不安感とかは一切無くて。唯翔の目の前には希望や明るい未来だけが広がっていたはずです。
このことは展示会の写真の笑顔を見ることからも察することができます。
しかし、年を重ねるにつれスランプになり、父親を失ったことで画家への夢は立たれそうになり…。当時描いていた”希望”が少しづつくすんでいきました(=茶色い魚)。
もちろん、魚には色がついていることから瞳美の希望と読み取ることもできます。彼・彼女の「心理」が形になったものーと考えるのが一番妥当な気がします。
②金色の魚は瞳美や唯翔の「共通する力」(具現化説)
こちらについてはすでに5話で挙げたものと同一です。ただし、6話ラストで飛び出した金色の魚は瞳美に力を与え、同時に唯翔もスランプを脱出する雰囲気がありました。
…5話の唯翔の力が瞳美に移っていた説は少し違うかも、ですね。
③金色の魚は瞳美が未来で見ていた「今と昔を繋ぐもの」
新たな可能性としてはこちら。もし、唯翔が瞳美の祖父であるか、今後唯翔と瞳美が結ばれるのだとすれば…。60年後の世界のどこかで瞳美は唯翔の描いた金色の魚を見ていた可能性が非常に高いです。
60年後に見た金色の魚と、現在見ている金色の魚はそういった意味で”今と将来の架け橋”になっているものなのかなーとも思ったりしています。
そして、もう1つ登場した重要な要素が唯翔の絵の奥深くにいた黒い人影です。これについては、唯翔本人か唯翔の父親という解釈でほぼ間違いないでしょう。
唯翔本人であるとすれば、上記①で書いた通り、スランプという沼にはまりながらも昔のような”希望”を追い求めている彼の苦しい心中を示していることになります。
唯翔の父親であるとすれば、父親の存在が彼の心を縛っていることへの描写といえそうです。
正確には父親が存在しないことが唯翔の将来を縛っている、と唯翔が感じているということですね。絵の中心地にあったブラックホールのような部分を死後の世界と読み解けば、自然な考察となります。
現時点ではどちらとも取れそうな描写のように感じます。
無意識な自分への魔法がはらむ「危険性」
6話の中で琥珀が気になる発言をしていました。
琥珀「自覚がないのに魔法が使えるなんてかなりすごいよ。…でも、危険でもある」
この部分って今後に関してかなり重要になってくる部分だと思うんですよ。今後、瞳美はますます魔法写真美術部の面々と仲良くなっていくことが予想されます。
はじめは乏しかった感情も、今回はため息をつく姿を写真に撮られ、イラっとしていた表情まで見られました。
今後、瞳美にとってますます60年前の時代が居心地がよくなり、彼女にとって元の世界に帰る理由が無くなる気がします。
しかし、瞳美は無意識のうちに自身に魔法をかけてしまうとすれば…。
今回のように「嫌なこと」があったタイミングで帰りたいと願ってしまえば、その一瞬の判断で強制的に元の時代に戻ってしまう、なんて展開が用意されているかもしれません。
そもそも月白家として生まれた以上、持っている魔力は相当なものでしょう。何となく強制バッドエンドの危険性もあるのかなぁと感じた一幕でした。
好描写2点:複雑な電線と”中心地から”色が戻る演出
最後に6話で見られた個人的な好描写を2つほど紹介します。
1つめは、瞳美と琥珀の会話の後に映された曇天の空です。自分としては空模様よりも、複雑に絡み合う電線に目を引かれました。
6話でも将の態度ははっきりせず、人間関係がどんどんこじれていっているような印象があります。
曇り空に合わせてそういった人間模様の複雑さも表しているのかなぁと感じました。
2つめはやはり瞳美の中で色が戻っていく描写です。列車の中にいる瞳美が色覚を取り戻していくのもよかったのですが、一番は瞳美の立っている中心部から色が戻っていったシーンです。ここは本当に美しいです。
瞳美の立っている場所から色が戻っていることから考えると、唯翔の気持ちに触れ彼女が過去に自分にかけた「幸せになってはいけない」という魔法の一部を(無意識に)解除した、ということでしょうか。
いずれにしても瞳美が色を取り戻す最後の数分間は圧巻の演出です。
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というわけで、色づく世界の明日から6話の感想・考察でした。
丁寧な描写が続きます。個人的には、瞳美が色覚を取り戻したことで次の一手がこの作品の出来を決めかねる1話になると思います。いったい何を見せてくれるのでしょうか。今から楽しみでなりません。
そんな第7話は「ヴィーナスの重荷」です。それでは、この辺で。
【追記:7話の感想を書きました!】