色づく世界の明日から 13話(最終回)感想&考察&評価!涙、涙の展開!後悔と絵本と、そして…
第13話「色づく世界の明日から」
ー未来で待ってる!必ず生まれてきてね!(琥珀)
あああ…めっちゃよかった。夜中に見たせいか分からないですが、ボロボロ泣いたしもう本当によかった。瞳美の色が見えるシーン、琥珀の後悔を感じるシーン…よかった。
というわけで、色づく世界の明日から 第13話(最終回)「色づく世界の明日から」の感想と考察になります。作品全体を通したネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
色せか 13話(最終回)のあらすじ・ネタバレ
時間魔法を使う時間がきます。将、千草、胡桃、あさぎ、琥珀と順番に別れの挨拶をしていきます。各々想いを込めて挨拶をしますが、唯翔の挨拶はあっさりしていました。
瞳美が挨拶を始めたタイミングで、時間魔法が作動してしまいます。しかし、「何かの魔法」で時間魔法は暴走し、内部に近づいた瞳美と唯翔は別世界に飛ばされます。
唯翔は瞳美を見つけます。瞳美は唯翔の絵に「光」を射して。唯翔は瞳美に「魔法」をかけて。唯翔の「未来でも笑ってて」という言葉をきっかけに、瞳美に色が戻ります。
モノクロの世界は飛散し、元の世界へと戻ります。色を取り戻した瞳美は今度こそ未来に戻ります。この時間魔法は”瞳美の無意識の魔法が解けること”で期限が終わる、60年後の琥珀がかけたものでした。
瞳美は60年後の花火の日に戻ります。琥珀と再会し、瞳美は今回の旅のことを告げます。琥珀は自分に近しい人を幸せに出来なかった過去に涙を流します。
琥珀は「タイムカプセル」を瞳美に渡します。そして、「あおい ゆいと」が作家の絵本も手渡します。この絵本こそが、瞳美が過去に読んだ色のついた絵本でした。
”ペンギン”が見たのは虹の色。彼女は思います「私の色は何色かしら?」と。
瞳美は”誰か”の墓参りをして、この時代でも友達を作ることができます。そして写真美術部に入部します。瞳美の「明日」にはたくさんの色が溢れていましたーー。
以上です。
13話の感想と考察
冒頭でも書いたように「よかった」という言葉で自分の心はあふれかえっています。
展開としては、12話の記事で書いた「①」の流れに近いものとなりました。正解がないものの考察をするのも風情が無いので、描写を中心に解説・紹介していきます。
抱えてきた琥珀の後悔と「超・名演技」
最もぐっと来たのが2078年に戻った後の琥珀と瞳美のやり取りです。
以前から書いていた「瞳美を危険な目に遭わせてまで、過去に送った理由は何だったのか?」という考察事項ですが、前提から間違っていました。
そもそも、時間魔法が切れる条件は瞳美が自分にかけた「幸せになっていけない」という魔法が無効になることであったため、どう転んでも瞳美にとってプラスになる時間魔法だったのですね。
疑って申し訳ない、大魔法使い琥珀さん!!
つまり、Aパートで琥珀の時間魔法を妨害した物は、60年後の琥珀の時間魔法だった(=瞳美はまだ魔法を無効化していないため、条件を満たしていない)ということになります。
そして、最後の最後に琥珀が抱えた後悔が明かされます。自分に一番近い、娘と孫を幸せに出来なかったことを彼女は瞳美に告げました。
琥珀「私の願いは魔法で人を幸せにすること。でも、一番近しい人たちを幸せにすることはできなかった…。許してちょうだい」
ぜひ、自分のブログを読んでいただいた方は、このシーンをもう一度見てみてほしいです。琥珀のセリフの下線部分の演技が本当にすごいです。
本当に何十年もの後悔を抱えて、それでも耐えてきたかのような言い回しです。
ここに至るまでの琥珀の心情を考えてしまい、自分はここが一番の号泣ポイントでした。本当にもう一回見て、島本さんの渾身の演技を聞いてほしいと思います。
その後の瞳美の「私、もう大丈夫よ」というセリフ。これでどれだけ琥珀の心が救われたのでしょう。琥珀は静かにもう1度涙を流しました。
そういえば、琥珀の結婚相手は本屋の一柳さんでしたね。8話でコメント頂いた「通りすがり」さんはじめ、コメント欄の皆さんがすごすぎです。
瞳美と唯翔のやり取り、アバンの唯翔
結局、唯翔と瞳美は共に「自分を閉じ込めていた」点で共通していました。
瞳美が6話で見た黒い人影が沈んでいくのは、唯翔が自分の心を閉じ込めていたことの描写だったということでよさそうです。
一方、唯翔はダイレクトに瞳美の閉じこもった監獄のような部屋で彼女の心情を知りました。金色の魚はやっぱり2人を繋ぐ概念的な物なのかな?
そんな2人だから、互いが互いを(無意識で)鼓舞することで、徐々に自分の”殻”を打ち破っていきます。これがうまく描写されていたのが瞳美の色が戻っていく場面です(後述)。
で、2人の別れ際の印象的なシーンが前回に続いて手を離す場面です。
12話でお化け屋敷から出た際は、指の1本1本を名残惜しそうに話していましたが、今回も同様の描写が見られました。
一方で、最初の別れ際の握手は非常にあっさりしたもので、2人の感情の違いが手の描写1つで分かるような工夫がされています。
瞳美と唯翔の別れを一通り見た後に、アバンの独白を見るとまた泣けてきます。
唯翔「きっと何度も思い出す。色とりどりの君を、鮮やかな痛みと共に」
瞳美と別れる場面では、涙を流すことなく別れた唯翔ですがもうこんなの見せられたら…。アバンで唯翔の表情は見えていません。
一体彼はどのような顔で、瞳美のことを思い出していたのでしょうか。
絵本と60年後の生徒の関連
60年間で何があったのかを考察するのは、基本的に困難です。例えば最後のお墓に入っている人は唯翔とも、お世話になった琥珀の両親とも考えられます。
ただ、60年間で起こったことのいくつかは唯翔の絵本で考察することができます。
犬とうさぎが隣に立っていて、猫とむささびのやり取りがあったということはー。そしてこんな話を聞かされた後に、このキャラデザの生徒を出すのは反則です。
1話の花火大会でも登場していた女の子たち。この雰囲気はもう、ね。
もう1つ絵本で素晴らしかった描写は、ペンギンの色です。はじめは白黒だったペンギン。もちろん、ペンギンは瞳美のことですが、絵本の裏を見てみると…。
はい、2度目の号泣ポイントです。
「私の色は何色かしら?」と尋ねたペンギン(瞳美)に対して、どんな色にもなれるんだよという唯翔のメッセージにも、”色づく世界”が訪れた瞳美を唯翔が祝福しているようにも感じられます。
瞳美がいたから唯翔が書けた絵本が、巡ってもう一度瞳美を涙させるー。こんな素敵な物語があるでしょうか。
鳥肌が立つ「色が戻るシーンの描写」
最後に、上でちらっと書いた瞳美の色が戻るシーンを紹介しておきます。
もちろん、色が戻るシーン自体の色彩の美しさや、花火の綺麗さという点でも良い描写でしたが、モノクロの世界が壊れていくように色が戻ってきたことが最も印象的です。
それは、自分を閉じ込めていた殻、つまり無意識の魔法がはがされていくかのように思えるシーンの数々でした。
殻を破った外にはこんなにも素晴らしい世界が広がっていました。
色は「戻った」のではなく、「そこにあるけど自分で見えなくしていた」ことを最大限に表現してくれた場面だったと思います。
この一連の流れも間違いなく名シーンと呼べるものでした。
最終回まで見た上での評価・総括
非常に楽しく13話を見させていただきました。途中スローペースで「大丈夫かな?」と思うことも正直ありましたが、終わってみれば見終えた充足感でいっぱいです。
すべての伏線を回収してくれないと嫌だ!という方だともやもやが残る終わり方かもしれませんが、「何となくの正解を提示して締めるエンド」だったのでもう大満足です。
あとは何といっても美しすぎる色彩描写です。作品の見どころの1つだと思うので、美しい風景や色を見たい!という方にもおすすめできる作品だと思います。
歴代のPA作品の中に入っても十分に見劣りしない素敵な作品でした。難しい考察をしなくても楽しめるので、その点も良い点でした。
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というわけで、色づく世界の明日から 第13話(最終回)の感想・考察でした。
記事を書き終えた後も、まだ余韻が残っています。OPを最後に持ってくる演出もベタだけどよかったと思います。
「色づく」に携わった全ての関係者の皆様、すばらしい作品をありがとうござました!
PAさん、次のオリアニ待ってます!!
そして、自分のブログを読んでいただいていた方々にも感謝です。特に毎週土曜日~日曜日はかなりの数の方に読んでいただき、コメントもいくつもいただきました。
今思えば1記事1記事のクオリティをもっと高いものにできれば、もっと楽しんでもらえたのかな、と少しだけ後悔もありますが…。今後の課題と言うことでご勘弁を。笑
ちなみに、今期は他にも「リリスパ」「やが君」「青ブタ」「あかねさす」の記事も書いていたので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
合わせて来期もオリアニを中心に5作品ほど記事を書く予定です。こちらもよろしくどうぞ!
それでは、この辺で失礼します。
また別の作品でお会いできることを楽しみにしています!