青ブタ 12話 感想&考察!かえでの本質と痣・傷痕の謎【青春ブタ野郎アニメ】
第12話「覚めない夢の続きを生きている 」
ーかえで、明日はお昼の学校に行けるような気がします!(かえで)
だあああああ!!「やが君」見た後だと精神的ダメージがでかい、でかすぎる。強気っぽい花楓も今までのかえでも良いけど、咲太にはそんなシンプルなことじゃないんだろうなぁ…。
というわけで、青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 第12話「覚めない夢の続きを生きている」の感想と考察です。12話までのネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
青ブタ 12話のあらすじ・ネタバレ
2年前、梓川花楓はSNSに悪口を書き込まれた過度のストレスによって、”解離性障害”を発症しました。その結果生まれたのが、花楓の記憶を持たない「かえで」でした。
かえでも戸惑い、母親は精神を病んでしまい、咲太にも胸の傷と流血という形で自分を責める気持ちが現れます。その時に彼が出会ったのが翔子でした。
「人生は優しくなるためにある」という翔子の言葉で咲太は自分を取り戻します。帰宅した咲太は「今ここにいるのは”今のかえでだ”」と伝え、花楓ではなくかえでとして生きるようかえでに寄り添います。
父親は母親に寄り添うために、咲太にかえでを託したところまでが2年前の話です。かえでは琴美からのメッセージを読み、倒れてしまいます。
検査には異常がありませんでしたが、医者は「花楓の記憶が戻る兆候かも」と伝えます。このことを耳にしたかえでは「学校に行きたい」と咲太に告げます。
登校しようとしますが、身体は通学を拒否してしまいます。かえでは”時間が無い”ことを知っていました。咲太は「休憩」ということで2人で動物園を訪れます。
大好きな動物を見て、かえでは大はしゃぎ。更に、帰り道に自分でプリンを買うことにも成功します。そして、咲太の計らいで夜ではありますが学校にも行けました。
目標に全部”〇”を付けられ、明日はお昼の学校にー。そう望んだかえでですが、その翌日彼女は花楓としての自分を取り戻し、かえでの記憶を失いました。
以上です。
12話の感想と考察
やっぱりテーマとしては「よくあるもの」ですが、見てて飽きないのは青ブタの最大の魅力です。今回も非常に楽しく視聴させていただきました。
花楓の”解離性障害”について+咲太の今を作るもの
非常に分かりやすく語られていましたが、自分の整理のためにもまとめておきます。
元々の人格は、最後に見られたような少し気の強い梓川花楓という存在でした。しかし、彼女はSNSでの悪口を代表とするストレスにさらされ、解離性障害を発症します。
こうして記憶を失い、花楓は生きる道が見えなくなります。このときの状況を彼女は「みんなの目が怖い」と語っています。
目覚めて周囲は知らない人だらけ…ってもう怖すぎる。アニメ・小説・ゲームではよくあることではありますが…。
そして、花楓を”かえで”として生きられるようにしたのは咲太でした。このとき、彼は翔子さんと会話をしていますが、今の咲太を作っている要素を多く感じました。
〇誰かに寄り添って話を聞き、「誰かの支え」になろうとする
〇下ネタ交じりの口調ながら、親身になる
等々。
その第一歩として咲太は”花楓”ではなく”かえで”として生きることを提案します。「今の自分」を認めてもらえたかえでがどれだけ嬉しかったかはこの涙が物語っています。
こうして「梓川かえで」という女の子が誕生しました。
がんばり屋のかえでと花楓
かえでが非常にまじめで頑張る人間だということが12話では示されました。
まずは、何度も「花楓」と書き続けたメモ帳です。記憶のないまま、自分は「梓川花楓である」と言われ続け、彼女もその期待に応えようとしました。
彼女が自分(と言われている)の名前の漢字を練習していた際の感情を思うと、胸が痛くなります。
そして、何としても学校に行こうという意思。それは自分の残り時間がもう少ないことを感じ取ってのものでした。
”自分”がいなくなる前に、兄と一緒に決めたリストを達成しなければー。怯えながら、それでも外に出ようというかえではこの一心で行動していたのでしょう。
だから、動物園に行き、咲太にくっつかなくても歩けるようになったかえでを見てこちらも嬉しくなったのですが…。現実は非情です。
ちなみに、最後で見られた花楓は性格がきつそうな女の子に見えましたが、心の奥底・根底はかえでと同じで「真面目ながんばり屋」だと思われます。
一見、あっけらかんとしている人こそストレスを感じやすいものです。12話のかえでの描写は、まだ見ぬ花楓の性格の本質を教えてくれたようにも思います。
伏線と痣と胸の傷
かえでについての伏線は、今思えばいくつか示されていました。
SNSのメッセージで、かえでのことは「カエデ」と表記されていました。このことで「”かえで”ではない存在がいたのでは?」と類推することができます。
カタカナより平仮名の方が文字は打ちやすいですしね。また、かえでの字は幼い雰囲気がある字体でした。
それにしても、利き手も変わってよく2年であそこまで字が書けるようになるな…という驚きもあります。
作中で気になった点は2点です。
1つめは、かえでに現れた痣です。11話でもかえでの首筋に現れていましたが、現在の痣は誰かに陰口を叩かれていたから出てきた…というわけではなさそうです。
花楓は「言葉の暴力」から逃げるべく、自己防衛をしたことで自身の記憶を失いました。そう考えると、痣が戻る=封印していた過去の記憶を取り戻しつつある兆候だったと考えられるかもしれません。
もしくは、痣が出たタイミングは
①熱を出したとき
②筋肉痛のとき
③倒れたとき
④学校に行けない自分を責め、涙を流したとき
だったため、言葉以外でも何かしらの”ダメージ”を受けると痣が出てくるという可能性もあります。この辺りは次回語られるのかな?
もう1つ気になる点は咲太の胸の傷です。
ストレートに考えると、かえでのダメージが血の繋がる咲太にも現れた…ことによるものだと思われますが、それにしてもかえでの痣や傷とは大きさが違いすぎます。
1話や今回の咲太の話を聞く限りでは、彼にも理由が分かっていないようです。
「青ブタ」は当事者の無意識で起こされる行動や現象が多数存在します。
そう考えると、咲太にもこの当時”何か”があり、その出来事がメインで咲太の胸の傷は生まれた可能性があります。
あくまでかえでの件はその要素の1つに過ぎないのではないかな、と。
12話の「青ブタここが好演出」
文句なしにラストシーンの咲太の表情とBGMです。
2年前は”花楓”に戻ってほしいと願っていたはずの咲太が、いざかえでが消え、花楓としての記憶を取り戻すと狼狽します。
「お兄ちゃんどうしたの?」と言われるまで、咲太の表情は映りません。それでも、咲太には花楓の”おはよう”という声色を聞いた瞬間に分かったはずです。
だって、2年間もずっと彼はかえでに寄り添ってきたのだから。
「その時」が来たのだ、とーー。
その際の咲太の表情は絶望に溢れたものですが、花楓の「お兄ちゃんどうしたの?」という言葉には「お兄ちゃん(その表情は)どうしたの?」という意味合いも感じられました。
加えて、BGMと影。短時間ですが非常にインパクトのある演出でした。
それにしても、なぜかえでは元に戻ったのでしょうか。
リストをすべて達成した達成感から…?
そうだとすれば、咲太にとっては非常に辛いことですね…。
アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」12話感想まとめと13話(最終回)に向けて
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というわけで、 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)12話の感想と考察でした。
残すところあと1話。かえでの想いや記憶を花楓に同居させる展開ぐらいしか思いつかない…。うーん、どこの金髪ツンデレ少女!
ビターエンドか、はたまたハッピーエンドなのか。楽しみです。
次回第13話(最終回)は「明けない夜の夜明け」です。それでは、この辺で。
【追記:最終回の感想と考察はこちらから!】