ハッピーシュガーライフ 9話 感想&考察!届かなかった”小鳥”の叫び
第9話「融解レイン」
ーあんたが私の王子様だったらよかったのかも…なんてね。(しょうこ)
しょうこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!とても短い、それでいて濃い30分でした。インパクトがありすぎてもう…。
というわけでハッピーシュガーライフ(ハピシュガ)第9話「融解レイン」の感想と考察を書いていきます。ネタバレがありますので、未視聴の方はご注意を!
(注意:管理人は原作未読です。ご了承を)
ハピシュガ9話のあらすじ・ネタバレ
やはり非通知の相手は太陽でした。太陽はあさひに隣町でしおを見かけたことを伝え、しおのネクタイを手掛かりとして渡します。遠くに行っているだろうと言う太陽にあさひは「穢れた大人の臭いがする」と告げます。
「しおを見つけたい」と再決意したあさひはしょうこに街を去ることを伝えます。あさひの思いに触れたしょうこもまた決意をし、あさひと連絡先の交換をします。
翌朝。始発で街を去るあさひを確認したさとうは、あさひを排除できたこの日を記念日にしようとします。しおとのケーキパーティーです。
しおはさとうに「”いつか”自分のケーキでさとうを喜ばせたい」と夢を語ります。しおの言葉でさとうはしおとの未来を思い描くようになります。
”結婚式”のために外出しようとしたさとうですが、しおと一緒にいる場面をしょうこに撮られてしまいます。さとうはしょうこを家に押し込みました。
しょうこは必死の思いでさとうを説得します。それでも、さとうの心に言葉は届きません。しょうこはさとうを叔母を見て拒絶したから。
そして、さとうは目撃者であるしょうこを殺害します。それでも、あさひの元にさとうとしおの写真は届いていてー。
以上です。
9話の感想と考察
血まみれのシーンで「あのアニメ」を思い出してしまった人も多いはず。恐れていた惨劇が起こってしまいました。太陽・あさひの次の一手が気になりますね。
「融解」した2つの想い
まずはタイトルを踏まえた上での考察です。9話の全てが詰まっているタイトルでした。
はじめて恋をしたしょうこ
タイトルにある「融解レイン」。融解とは溶けることを意味する単語です。9話で溶けたといえるものは2つあります。
1つめは、しょうこの異性への想いです。これまでしょうこは多くの男性と関係を持っていたものの、「男遊び」や「ハント」と語っていることからさとう同様心からの恋愛経験は少なかったものと思われます。
そんなしょうこの過去を溶かした存在があさひです。どこまでもまっすぐに、それでいて不器用なあさひにしょうこは心を掴まれました。
「自分にはしおと母親と3人で暮らす幸せしか思い描けない」。こう語るあさひにしょうこは思わずキスをし、今までに見せたことがないような笑顔を浮かべます。その笑顔はさとうがしおに向ける純粋な笑顔とどこか似ている気がしますね。
きっとこの笑顔はしょうこの本当の意味での恋愛のはじまりで。今までとは違う、本当の意味での恋愛を見つけることができました。曇りけが無い満面の笑みです。
だからこそ、しょうこは告げるべきでした。「私と幸せになろう」と。この一言があればしょうこはあさひと時間を共にし、後の大惨事は起こらなかったはずです。
あ、でもこれだと作戦失敗に終わったたいよーくんが処分されそうな予感()
過去の想いをすべて捨てたさとう
もう1つの”融解”はさとうの過去への思いです。しお以外の存在をどうでもいいものと感じていた彼女ですが、しおの言葉でしおとの未来を思い描くようになります。
しおと描く未来が光り輝きすぎ、これまでの味の無い人生をまとめて過去のものにしてしまいます。このことは、過去の人間関係やしょうこの存在も自分の中から捨てることと同じです。
少なくともあさひが出発した駅でさとうが周囲の人物のことを思い出していた際は、しょうこの姿だけは光り輝いていました。「邪魔な者」「嘘にまみれた者」と店長や北埋川のことを評価するさとうの中にあった、唯一の光です。
でも、しおの一言によってすべての存在を一緒くたに”過去”に押しとどめてしまいます。それはしょうこが本当の意味で「その他大勢の一部」になってしまったことで…。
過去への想い。しょうこに対し残っていたわずかな思いが全て”融解”してしまったのが9話でした。
こう考えると何回か書いているように、やっぱり作品の主人公はしおなんだな、と強く感じます。結局さとうは自分の思いに対し動いているように見えて、結局はしおに影響され続けています。
静止画ではなしえない「あのシーン」のすごさ
「あのシーン」とはもちろん、さとうがしょうこの命を奪ったシーンです。
7話でさとうがしょうこに持っていた「期待」が裏切られ、過去(しょうこ)への想いを融解させたさとうに響く言葉はもうありませんでした。
挿入歌「カナリア」が流れている最中にはナレーションが流れます。
小鳥は唄う。彼女の心に。
その歌声は雨音に溶けだしてしまう。
それでも唄う。唄う。唄う。優しい歌を。
小鳥はもう諦めない。諦めることには飽きたから。
あとはもう挑むだけ。(作中のナレーションより)
ここで出てくる「小鳥」はしょうこのことを意味しています。
小鳥の声は響かず、さとうによって殺されてしまうわけですが…。
この殺害シーンはトラウマ物です。(かつての)友人を殺したインパクトもさることながら、首に突き刺した包丁によってしょうこの手足が痙攣するかのように動いている場面がいっそう恐怖感を煽ります。
”小鳥”というフレーズが出てきたから思ったことですが、手足が痙攣して絶命していくシーンは動物的な何かを感じました。”小鳥”をしょうこに喩えているからこそ、殺害シーンも…って意地が悪すぎるぜ、スタッフさんよお!!(褒め言葉)
ただ殺すという結果ではなく、殺す過程までを描き切るー。上で述べた手足の痙攣やさとうの手をひっかく描写を含め、動画でしかなしえない描写ではないでしょうか。
遅すぎたしょうこの最後の一手
”小鳥”であるしょうこは6-7話と同様再度さとうを説得しますが受け入れてもらえません。しょうこはさとうに反論され黙ってしまいます。
黙ってしまうシーンは7話でさとうに「それでも友達でいてくれる?」と問われ、黙り、目を逸らしたしょうこの姿とかぶります。
あのときのしょうこは目を逸らし、さとうはしょうこへの期待を失いました。しかし、今度は諦めません。小鳥は飛び立ち、今度こその思いでさとうを説得しようとします。
残念ながらこの行動は間違っていました。しおのことしか「光」と感じていないさとうに「私が光になる」という説得もさとうにとっては的を得ていませんし、このセリフを7話のあの場面で告げることができていればこの結末にはなりませんでした。
そもそも、こっそり太陽の後を付けたりするのではなく、面と向かって話していればまた展開は変わったのでは…とも思います。結局しょうこはさとうに殺される寸前までさとうと本当の意味で向き合っていませんでした。
しょうこを責めるのは筋違いですが、あの時あのタイミングでさとうに自分の本当の思いを伝えられていれば、と思わずにはいられません。
何というか…。あらゆる人の思惑、偶然、タイミング。こういったものが重なった理不尽さを感じた9話になりました。
その他9話で気になったこと:後ろ姿と叔母の家と写メ
メモ程度で9話で気になったシーンをいくつか挙げておきます。
①後ろ姿の女性がしおの母親に似てね?
あさひが去っていた後に太陽が見た風景。橋を行き来する大人たちが映っていました。
…橋を歩いている女性がどことなくゆうなに見えるのは自分だけ?
思えばあさひは以前(太陽が不良にぼこられた場面)もしおのすぐそばにいたのにしおとは会えませんでした。今回もこの女性がゆうなだとすれば、もう少し大人しくしていれば母親と会えたのでは…?
②叔母の家にある警察帽
ああ、あの警察官は身も心も叔母に掴まれてしまったのか…。帽子だけはあるということは警察官は部屋で寝ているのでしょうか。
③あさひに送られた写メ
しょうこは何とかさとう&しおの写メをあさひに送ることに成功しました。これにより、あさひは再びさとうのいる街へ戻ってくる展開になると考えられます。
あさひはどのような行動を取るのでしょうか。
さとうを探し回るのはもちろん、嘘の情報を流した太陽に報復をすることも考えられます。もしくは、とうとう太陽との結託か…?
さとうは太陽をしおに合わせる気がなさそうなので、太陽のフラストレーションが溜まればあさひと太陽のコンビ技がさく裂するかもしれません。
ただこの写メだけだと…場所までは分からないよなぁ。
10話予告を見て~とうとうしおの疑心感が…?
10話予告は大変気になるものでした。しおは「さとちゃん、それってほんとにわたしのため?」と語っています。
さとうの行動に疑問を持たなかったしおが何やら行動を起こしそうな予感です。さとうは自分自身の”愛”を感じながらしおと接しているため、しおが何かを感じ取ったのかもしれません。
また、10話のタイトルロゴに赤字が無かったのも気になります。またひと悶着ありそうですね。
アニメ「ハッピーシュガーライフ」9話感想まとめと10話に向けて
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というわけで、ハピシュガ9話の感想と考察でした。タイトルがキーにもなっていた今回の話。しょうこ退場により、とうとうこの街に正常な思考の持ち主はいなくなってしまいました(白目)
上でも書いたように10話はまた物語が加速しそうな予感です。そんな10話のタイトルは「星空のプロポーズ」です。それでは、この辺で。
【追記:10話の感想を書きました!】