ケムリクサ 11話 感想&考察!ワカバの”最期”とりんに芽生えた恋心
第11話
ー私のしたいことを。ワカバを助ける…!(りり)
怒涛の答え合わせタイム。一から十まで演出がすごかったです。たった1人になったりんの次の行動が楽しみで仕方ありません。
というわけで、ケムリクサ 第11話の感想と考察になります。11話まで、ならびに0.5~0.9話のネタバレを含んでいるので、未視聴の方はご注意を!
ケムリクサ 11話のあらすじ・ネタバレ
記憶の葉が映し出す世界。りりという少女とワカバという青年がケムリクサで生活しています。りりがする行動は、りんたち姉妹の言動・行動と似ています。
ワカバはケムリクサを使って街を再現していました。りりは一度死んでいましたが、ケムリクサによって”転写”されたことで、この世界に生まれてきていました。
ワカバの仕事は、持っているケムリクサを使い切るまで続きます。ワカバの健康を心配したりりは、ケムリクサを押さえつける赤いケムリクサを生み出します。
りりの生み出したケムリクサは成長し、アカギリになります。ワカバは青と緑のケムリクサで対抗しますが、赤があまりにも強力すぎて、なす術がありません。
ワカバはりりを逃がし、自分はアカギリの中へ入っていきます。りりはワカバの元に戻ろうとしますが、ワカバが作った「壁」に阻まれ、戻ることができません。
りりは自分に出来ることーワカバを助けるために、自分がケムリクサ化することーを実行します。そして、場面は現在へ。りんをかばったであろう、わかばが血を流して立っているのでした。
以上です。
11話の感想と考察
頭がパンク寸前です。3、4回見返しても理解が追いつかない部分が正直いくつもあります。自分のためにもまずは情報の整理から入っていきます。
それにしても、今回起用された声優さんは2人だけって…。たった2人だからこそできる最高の物語を見せてくれましたね…!すごい、すごすぎる。
11話で分かった事項の解説・整理
①世界観について
まずはこの世界の仕組みから。
ワカバは回想の中で、ケムリクサを使って街のようなものを作っていました。更に、その後の現実世界では、りんが「わかばは島を作っていた」と言っています。
りりとわかばの会話のやり取りをまとめると以下の通りです。
・ワカバは誰かの命によって、星の文化の途中経過を保存しようとしている
・”この下(=船の下)”に地球がある
・ワカバはりりに対して、地球に戻りたくない?と尋ねている
以上のことから、地球や人類が滅亡したわけではなく、あくまでも地球とは別の世界としてケムリクサの世界が存在していることが読み取れます。
構造としては、上から「ワカバたちが乗っていた船」「ワカバがケムリクサで作った街」「地球」のようになっている可能性が高そうです。
ただし、わざわざ途中経過を保存しようと画策していることから、地球に何らかの異常が生じている(環境悪化など)展開はあるのかもしれません。
②りりという存在について
続いては、今回のメインキャラであるりりについて。
りりについては、ワカバが「湖からいきなり出てきた」と言っており、りり自身は「一度死んでいた」と語っています。
このことから、地球で命を失ったりりが、なぜかケムリクサの世界に「転生」され、ケムリクサの力でワカバが蘇らせたと言えそうです。
また、地球では死んだことになっていると言っていることから、行方不明になったわけでは無さそう。湖から出てきたということは、死因は溺死とかでしょうか。
彼女は結果的に、自立する赤いケムリクサを生み出しましたが、それはワカバを思ってのこと。両親とワカバを重ね合わせていたことから、りりの両親も研究に没頭したことで身体的に疲弊し、命を落としたものだと推察されます。
そして、りんが言うには「りり=さいしょのひと」です。
姉妹たちはりりという名前を知らなかったので、「さいしょのひと」と呼んでいただけなのか、それともこれもミスリードだったりするのかな…?
③ワカバ、わかばという存在について
ワカバはりりと共に生きてきた人物です。彼の目的は前述の通り、星の文化の途中経過の保存です。正体については、地球人であるとも、宇宙人であるとも読み取れます。状況証拠的には、宇宙人派が一歩リードしています。
〇地球人だった場合
「星の文化の途中経過の保存」は、地球の人間に指示されて行っているものだと思われます。
また、地球がピンチな状況になっていると仮定すれば、一度宇宙に出た(逃げた?)ワカバが再び戻ってきて、ケムリクサの世界を構築している可能性もあります。
〇宇宙人だった場合
何らかの目的で、地球の文化を保存する必要があったのでしょうか。船=宇宙船として見れば、ワカバ=地球人ではないという見方の方が正解に近い気がしますが…?
また、「地球の人って活力があってすごいなぁ」という発言からも、ワカバは宇宙人である可能性が高いですね。
ちなみに、ワカバはりりを逃がし、アカギリの中に入っていきました。
ワカバがやろうとしたことは「水を使い切ること」です。水があれば赤いケムリクサはどんどん成長し、近いうちにワカバもりりも共倒れとなってしまいます。
その後のワカバの姿は描かれていません。代わりにりりの目に映ったのは、一本の緑色の枝でした。
水を使い切るという、ワカバの狙い。
発芽まではうまくいくという、ワカバの発言。
伸びてきた緑色の枝。
わかばはみどりちゃんが吸っていた水の中から出てきたこと。
最初は、みどりを赤いケムリクサの部分に「植えた」のかと思いましたが、これらの事実は全て、ワカバが自身を植物化し、「みどり」になったと考えれば説明が付きます。
みどりが水をたくさん欲するという部分も、この考察と繋がりますね。
そうなると、以前登場した「みどりちゃんに似た枯れた木」というのは、ワカバの変わり果てた姿だったのかもしれません。
次は、わかばについて。わかばはワカバの転生(ただし、ワカバとわかばは別の存在)と考えるのが自然です。
最後のシーンのわかばは、血を流しているというよりはアカギリにその身を貫かれているように見えます。
単純にダメージを受けたというよりは、アカギリに侵食されたと見るのがいいでしょうか。
ただし、本当にワカバがみどりになって、アカギリと戦った過去があったのであれば…。今回も、わかばはりんを赤から守り、数年先の未来で再びわかばとして戻ってきて、りんと再会するような展開もあるかもしれません。
④ケムリクサについて
ケムリクサを一言で表すと「色々できるなんかスゲーやつ」という回答でいいでしょう。たばこ代わりにもなりますし。
ちなみに、以前も登場した「警」という漢字が今回登場しました。今回の描写を見る限り、ケムリクサにエラーが生じると「警」という文字が現れるようです。
りりは「大人にならないと開けられない」という旨の発言をしていましたが、大人、子供という区分よりもわかばにしか扱えないのが青のケムリクサなのかもしれません。
実際にりくもトライしようとしていましたが、開かなかったようですしね。
他に分かったことといえば、アカギリがりんたちを襲う理由です。りりが作った赤ケムリクサはケムリクサに対抗することを目的に作られたものでした。
本体がケムリクサであるりんたちが狙われるのは、必然のことだったと言えます。
橙の文章の秘密と謎
とうとう、だいだいの文章の白塗り部分の内容が明かされました。
そこに記載されていたのは「さいご、念のためだけど、私たちの目的はワカバの所に行くこと、ワカバを助けること。」という文章でした。
目的がワカバを助けることであるのは、まさにその通りです。こうなると引っかかってくるのが、白塗りにした人物と、その後に文章を書き加えた人物です。
シンプルに考えると、ワカバによる仕業である可能性が一番高いです。ワカバはりりと別れる際、「好きなことして、楽しく生きて」と伝えています。
その後の文章である「ごめん、ここについては忘れて、すきにいきてもらえるとうれしい、記憶の葉も」という部分と、彼の件の発言はぴったり合っています。
ワカバがだいだいの文章を見つけ、りりたちに楽しく生きてほしい(=自分を助けるという使命を忘れてほしい)という思いから文章を書き換えたけど、最後は力尽きたと考えると筋は通っています。
やや変化球な見方だと、「記憶の葉を持って最初に生まれた姉妹」が消したという考察です。りりが用意していたケムリクサは7枚あり、6姉妹の数と合いません。
もしもう1人の姉妹がいたとすれば…。その後に目覚めるであろう6人の姉妹に辛い思いをさせないために、文章を塗りつぶし、記憶の葉にもロックをかけたという見方ができます。こうすれば、”妹たち”は辛い記憶から離れることができます。
そうなると、その記憶の葉を持った長女はどこにいったのか?という疑問が生じてしまいますが…。
一応はワカバ説を推しておきます。ここは最終回に明かされるでしょうし、真相を知るのがめっさ楽しみです!
過去と未来を繋ぐ要素たち
シナリオもさることながら、過去の描写が現在と繋がっていることが分かる演出がたくさんありました。こういうところに手を抜かないのがいいですよね…!
①りりから伝わる6姉妹の要素
りりの発言や行動が、6姉妹のものとマッチングしているのが良き!ですね。
・「まだかな、まだかなー」「えっへん!」
→前者は1話のりなこの発言。後者は賢いりなじの発言です。
・「触り心地がたまらないよね~わしわし、わしわし」
→触るのが大好きなりくの発言です。
・「わかばは本当にケムリクサが好きなんだね~」
→りつの「わかばくんは本当にケムリクサが好きなんだにゃ」と重なっています。
他にも細かな点で、6姉妹とのつながりが感じられます(今更じゃん!とか)。
②食べられるケムリクサの答えあわせ
ワカバはりりにうすいろ以外は食べちゃダメ、と語っていました。どうやらうすいろ以外を食べると、人間には色々と影響が出てしまうようです。
そして、この場面は3話に繋がります。3話でわかばは、「食べられそうな匂いがする」と言い、うすいろのケムリクサを食べていました。
ワカバ=わかばで無いとしても、ワカバ時代の記憶を引き継いでいるから、あの場面で「うすいろのケムリクサは食べられる」と判断したのでしょう。
③シロの見分け方とりな
シロはムシじゃなくてヌシだった…だと。そんなシロにも名前が付けられていました。ムシッチ、ムシジ、ムシゾウ。完全にりなの名前と一緒です!
わかばは、それぞれのムシの名前をスムーズに呼び分けていました。現世界でもりなズを迷うことなく名前呼びしています。
過去の経験があるからこそ、りなのことも見分けられたのでしょう。
上記以外では、回送中に一瞬入った「りんさん、りんさん逃げて!」というわかばの声もお気に入りです。おそらく現実世界でもこのタイミングで赤い木が襲ってきたのでしょうし、回想世界でも壁が破られています。
現実・回想と同時に、りりとりんは襲撃されたんですね…。
りんの恋心、それは”りり”としてではなくて…
一度見ただけでは、あまり引っかからなかったシーンが”りんが葉を取り出して、顔の熱さが変わらないとわかばに告げていた場面”です。
何度か見返すうちに、この場面がいかに大きな意味をもっていたかが理解できました。
元々、りりの好きなものはワカバ(と一緒に居ること)です。これは、りり目線でワカバにキラキラエフェクトが入っていたことからも分かります。
つまり、記憶の葉にはワカバのことが好きである気持ちも引き継がれているわけで。
実は、序盤にりんの顔が赤くなっていたのは、りんによる想いというよりは、記憶の葉にある「りりとしての思い出」が誘導していたものだったのかもしれません。
でも、今は違います。前までは「葉を外に出すとマシになっていた」けれど、今は「変わらない」わけです。今はりりとしての想いを一切抜きにして、りん自身がわかばのことを好きだと思い始めていることが分かります。
もちろん、りん自身はそんなことに気が付いていないわけですが…。表情と相まって、ますますりんが好きになったシーンでした。
限りなく「完璧」に近いOP・EDの演出
11話を見ることで、OPとEDの演出の意味が分かるようになりました。
まずは、OPの締めであるこの場面。りんが何かに向かって手を伸ばしているのですが、りりが同様に手を伸ばしている演出が11話でも見られました。
りりとしての想いを一番継いでいるのは、りんでしょうし、この演出は反則すぎます。
りりはワカバとの別れを惜しむように手を伸ばしていましたが、りんはわかばを救うために手を伸ばしていた、とかだと最高ですね!
続いては、EDについて。これはもう説明不要でしょう。
切り絵が指していたのは、ワカバとりりの出会いと別れ。心が折れたりりは自分にできることをすべく立ち上がり、自らを分割させます。1つの存在から生まれた姉妹たち。最高のEDの入り方。
あああ、あああああああああああ!!(発狂)
りな、りつ、わかばが居なくなった世界にただ1人残ったりん。EDのりんの立ち姿と現実世界の彼女の立ち位置が重なっているのも見逃せません。
アニメ「ケムリクサ」11話感想まとめと12話(最終回)に向けて
【早期購入特典あり】ケムリクサ 1巻[上巻] (ブックレット付) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: movic co.,LTD.(PLC)(D)
- 発売日: 2019/03/29
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
というわけで、ケムリクサ 第11話の感想と考察でした。
12話までの一週間は生殺しのような状況です。どんな物語が最後に見られるのか、とても楽しみですね!
何か気になった点等があれば気軽にコメントいただければと思います。それでは、この辺で。
また、来期のおすすめアニメはこちらからチェックしてみてください!
【追記:12話(最終回)の記事はこちらからどうぞ!】