天狼（シリウス）12話（最終回）感想&考察&評価！兄弟と父子の絆よ、永遠に！

第12話「天狼の匣」

ーきっと示してみせるよ。シリウスの、新しい誇りを…（ユーリィ）

兄弟でエフグラフに立ち向かうシーンが大変に良きでした。話としてはビターエンドですが、妥当なところに着地した感はありますね。

というわけで、天狼（シリウス）Sirius the Jaeger 第12話（最終回）「天狼の匣」の感想と考察を書いていきます。作品全体を通したネタバレがあるので、未視聴の方はご注意を！

天狼（シリウス）12話のネタバレ・あらすじ

匣を体内に入れたエフグラフは暴走します。「ヴァンパイアの病を救うために匣を手に入れる」目的を反故にし、タマーラに絶望を与えます。

古く脆弱なヴァンパイアも滅ぶべきだ、と語るエフグラフの前にユーリィが現れます。副作用で能力が増大したエフグラフにミハイルは立ち向かいます。

　

ユーリィはウィラードから「匣と対になる球」を受け取ります。多くの種族と共にありたいというユーリィを信じ、ウィラードはユーリィを見送ります。

球を得たユーリィもミハイルに加勢し、兄弟vsエフグラフの戦闘が繰り広げられます。激闘の末、匣も取り戻しエフグラフを倒すことに成功しますが、ミハイルは病によって命を落としてしまいました。

　

ウィラードは飛行船が墜落したものの、一命をとりとめます。最後にユーリィはウィラードに匣の力で世界を救うためにみんなの元を去ることを伝え、ウィラードを「父さん」と呼び、その場を後にしました。

「匣」を得たユーリィは世界から狙われる存在となります。狩人集団はユーリィを保護するために誰よりも早くユーリィを見つけるべく奔走します。涼子はユーリィと再び出会えるよう、社会を知るために学問にはげみます。

タマーラはユーリィが自分たちも救ってくれるという言葉を信じ、ユーリィの前から消えました。交わらない世界でも諦めないーー。ユーリィは思いを胸に、１人で旅に出ます。

　

以上です。

12話の感想と考察

多少の謎は残ったものの、１クールアニメとして大事なところを網羅しているような作品でした。13話構成だともう少し情報量も増えた…のかな？

ちなみに、匣の正体についてはこれ以上考察はしません！願いを敵える概念的な力の塊ぐらいに押さえておけば大丈夫だと思います。

僕の「匣」についての考察を読みたい方は、過去記事をどうぞ！！

アニメ感想（2018夏）-天狼 シリウス カテゴリーの記事一覧 - アニメのおすすめなどを語るブログ

望んでいた兄弟コンビでの戦闘

ユーリィとミハイルのコンビ技を見られただけでも12話には十二分の価値があります。

これまでは戦うしかなかった２人が、敵であるエフグラフ相手に立ち向かっている姿はもうかっこよすぎました。

他方が押されれば、もう片方が助けて。ユーリィがエフグラフに突き落とされて落下した際には、吸血鬼に能力を保持するミハイルがユーリィを救って。最終的にエフグラフから匣を奪い取り、エフグラフにとどめをさしたのもミハイルでした。

ユーリィがミハイルを救った場面も多数ありましたが、最後の戦闘で意図的にミハイル主体でエフグラフを倒していたことで、やっぱりミハイルはユーリィの兄なんだなぁと感じられるような構成になっています。

「お前の相手はこの俺だ！」というミハイルのセリフはとても痺れます。

シリウスの匣への冒涜、自分自身に血の盟約で命令を何度もしたこと、何よりも弟を危険な目に遭わせたこと…。すべての恨みがこもった渾身の一撃でした。

ミハイルが灰にならなかった理由

ミハイルが息絶えたときに灰にならなかったのはミハイルが吸血鬼の病にかかっていたため、とストレートに考えるとこの結論が出てきます。

ヴァンパイアの病にかかると灰にならずに死んでしまうことは何度か触れてきている事実です。

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でも、あの演出からして理由はそれだけではないですよね。ミハイルは最後にユーリィに対してこう語っています。

ミハイル「ユーリィ…俺は今幸せなんだよ…。やっと、やっと母さんを殺したヴァンパイアの血から解放されるんだからな…」

このミハイルのセリフこそが答えでしょう。しっかりした根拠は語られていないですが、ミハイルは死の直前の瞬間に純粋なシリウスに戻ったと考えられます。ミハイルにだってそれぐらいの救いは許されるはずです。

死したミハイルの目は濁っていましたが、それでも青色を保っていました。

ユーリィにとって兄を目の前で失ったことはとても悲しいことではありますが、ミハイルの身体が残っていたことはせめてもの救いになったのではないでしょうか。

タマーラの最後（最期）の考察

最後の列車の場面でタマーラとユーリィが向かい合って座り、タマーラは粉のようなものになりユーリィの目の前から消える描写がありました。

一見すると、タマーラも命を落としてしまったのではないか、と思いますが上でも書いたように病に感染して命を落とした場合、灰にならないためその線は薄そうです。

タマーラが話していた「長老」は以前にエフグラフと話をしていたヴァンパイアサイドの人間でしょう。「匣」を得たユーリィはヴァンパイアを救うこともできるはずですし、それこそが現在の彼の望みです。

「待ってる、ずっと待ってるから」という言葉を残し、タマーラは姿を消しました。

これは命を落としたわけではなく、”一足先に長老の元へ向かってるね”という意味合いだと信じたいです。

子供が寒そうにしていたので、粉に見えたものは外の雪でしょうか。

でもここまでタマーラの心が改心するんだったら…。ラリーサが死んでしまったことには不満が残ってしまいました。

思いは父から兄へ、そして弟へ

ユーリィはウィラードに「自分の力が暴走したら自分を殺してくれ」と頼み、その場を去りました。ミハイルが言っていたセリフとまったく一緒です。

アレクセイから始まったシリウス一族の行動は兄のミハイルに引き継がれ、ユーリィがその意志を継ぎました。ユーリィもまた、自分の決意を”父”であるウィラードに伝え、旅に出ています。

父→兄→弟→父という美しい循環…！これは匣の力でミハイルを生き返らせるしかないですね…！

その”父”であるウィラードはユーリィを誰よりも早く見つけ、保護するために行動しています。彼と共に動く狩人軍団も思いは同様でしょう。

当ブログでは何度も「ユーリィたち狩人軍団は”群れ”である」と書いてきましたが、ユーリィにとって狩人軍団は新しい家族だったんだな、と感じる最終回でした。

作品全体の考察・評価

オーソドックスな展開が続く良作でした！

この作品の素敵な部分は主軸をユーリィからぶらすことなくフィニッシュしたことだと思います。主人公サイドからの話を徹底的に続けることで、視聴者は話の展開を追いやすく、また分かりやすい作品になっています。

逆に言うとユーリィ周りの人物の描写が少し浅かった気もしますが…。ウィラード以外の狩人集団の過去も知りたかったところではあります。

ハピシュガとは正反対の「家族の絆・良さ」が当作品のキーフレーズでした。ユーリィ一族はもちろん、涼子と父のやり取り（「娘に守られて嬉しい父親がどこにいる！」の箇所です）も深く印象に残っています。

今期の中では貴重なオリアニ枠でした。それでは最後に

スタッフさん、声優さん、素敵な作品をどうもありがとうございました！！

天狼（シリウス）Sirius the Jaeger 12話（最終回・最終話）感想まとめとご挨拶

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というわけで天狼（シリウス）の感想・考察でした。終わってみれば「さすがPAさん！」という作品だったように感じます。オリアニは正義や…。

また、今クールは「すのはら荘」「ハピシュガ」「はるかな」も記事を書いています。全て最終回まで終了したアニメですが、よければそちらも覗いていってください！

アニメ感想（2018夏） カテゴリーの記事一覧 - アニメのおすすめなどを語るブログ

また、来期はオリアニを中心に５作品の記事を更新する予定です。PAさんの「色づく世界の明日から」ももちろん考察していくので、そちらもどうぞ！

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それでは３か月間にわたり、ありがとうございました。また次の作品でお会いしましょう！